- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784838726196
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
クウネル連載短編集
-
+++
恋をすると、誰でもちょっぴりずつ不幸になるよ。いろんな色の恋がある。小さな人や地球外生物、そして怨霊も現われる。心がふるえる21篇。傑作短篇小説集。
+++
なんとも贅沢な21篇である。わたしたちが暮らしている世界から見たら、いささか不思議なことがたくさんあるのだが、それが不思議でも不自然でもなんでもなく、日常としてある世界の物語なのが川上世界である。しかも、そのずれ方が一様ではなく、物語によってさまざまな方向にさまざまな度合いでずれている、というかぶれているのである。さらに言えば、ずれながらぶれながらも芯は一本通っているので、読んでいて心地好いのである。瞬く間にその世界に取り込まれてしまう一冊である。 -
思い出した時にふと読む作家。
繊細。 -
川上さん独特の雰囲気たっぷりの短編集。
色んな生き物や、小さい人、怨霊までが普通に登場するこのシリーズは毎回好きで全部買ってるなあ。
今回も登場のおかまの修三ちゃん。おかまになってしまった我が子を、悩みながらも受け入れていく素敵なお母さんのお話、『はにわ』はやっぱり好きでした。
亡くなった伯父や伯母が9月になると四日間滞在する、不思議な雰囲気の『九月の精霊』と、怨霊が登場する『信長、よーじや、阿闍梨餅』もお気に入りです。
あとは2作連作の『クリスマス・コンサート』と『旅は、無料』
ただの黒いゴムできゅっとしばっただけの髪で、服だっておばさんじみていて、顔立ちもごく普通なのにかわいい坂上。
そんな坂上が羨ましい千絵。
そんな千絵の気持ちが、なんか分かる。坂上みたいな友達が私にもいるから。
「憎んでいるだけじゃなく、坂上のことずいぶん好きなんだよ」っていう千絵の言葉に、とっても共感。
久々にその友人に連絡してみようかな。会いたくなっちゃった。 -
川上弘美さんの頭の中を覗いてみたいww
-
川上弘美新刊。
今作はふわふわ加減がはんぱなく。
宇宙人とか、初期作品の頃よりふわふわしておる。 -
076
-
『クウネル』に連載されていた短編を纏めたもの。個々の作品は10ページ程度と割合に短い。
恋愛を主題にしたものが多いが、切り口がそれぞれ異なっているのでマンネリさは感じない。
川上弘美らしい、ごく日常的に不思議な光景が繰り広げられる短編もある。
全体的にバリエーション豊富で読んでいて飽きない。
『誕生日の夜に』『トンボ玉』『九月の精霊』、そして表題作『猫を拾いに』が好き。