ことわざで鍛えるマーケティング脳 (マイコミ新書)

著者 :
  • 毎日コミュニケーションズ
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784839926021

感想・レビュー・書評

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  • 「自分は何屋か」、「自社シェアの食い合いよりも競合を意識」、「BIG8は8位の企業が言い出した」、「DNAが変わると歯車が狂う」、「成功の秘密はPatience」、「お客様にとっての強みは意外」、「決めるのはお客様」、「マーケティングのレベル1:自分が欲しい物を提供する、レベル2:自分とお客様のニーズは違うと認識、レベル3:お客様ですら気づいていないニーズを提供する」、「一人十色、ベネフィットセグメンテーション」、「経営者が絞らなければ現場が勝手に絞りバラバラになる、絞らないリスクの方が高い」、「100を130まで引き上げ、120として伝える」

  • すごく良かった。
    しかし星4つと言うのは、他の著書に比べたら少しだけ物足りなかったのかなと感じたから。
    しかし凄く分かりやすく、為になることわざを使った手法でマーケティングが学べた。


    以下刺さった部分を抜粋。

    ・マーケティングで迷った時は、お客様の頭の中に戻れ

    ・ナンバーワンに価値がある
    ナンバーワンは覚えていても、ナンバーツーは覚えてない

    ・当たり前のことを当たり前にやるのが一番難しい

    ・蓼食う虫も好き好き
    セグメンテーションするのはいいが、老若男女と年齢層だけでセグメントするのでは足りない。
    それは、一人一人のニーズは場所や状況によって違うから

    ・絞らなければ売れない
    「絞って市場を狭めたら売れない」と言う考えは、そのビジネスは自社だけでやっていると言う前提を置いている。
    つまり「市場を独占している」というあり得ない前提を置いていることになる。
    市場を独占していれば、絞った分だけ売上が下がるが、競合がいる場合には絞った分だけ売上が伸びることもある。
    自分が絞らなければ、競合が絞ってきて、自社のシェアが食われるのとになる。
    例えば経営本を出したとする、はたまた他の著者が中小企業向けの本も出したとする。
    そうすると、大企業は大企業向けの本を買い中小企業は中小企業向けの本を買う。そこで万人に受ける本を出したとしても、大企業と中小企業どちらにも売れないことになる。
    これがセグメンテーションし、ターゲティングする理由。

  • 鶏口牛後=
    小さい組織の長でいるほうが、大きい組織の末端より良い
    ナンバーワンの安心感

    ローマは一日にしてならず
    差別化が基本

    雀百まで踊り忘れず=
    小さい頃の癖は、一生続く

    梵事徹底=
    平凡なことを徹底的に行うことが重要だということ

    岡目八目=
    傍で見ている第三者の方がものごとをせいかくにはんだんできる

    ベネフィットセグメンテーション=
    求められている価値でターゲットを分ける
    例=料理が好きな人、健康を気にする人等

    神様にも祝詞(かみさまにものりと)=
    全知全能の神様にお願いするときも、お祈りの言葉はとなえる必要あり

    画竜点睛を欠く=
    絵の名人が壁に素晴らしい龍の絵を書いたが、瞳(睛)を入れると龍が飛び去ってしまうことから、瞳を書かなかった。
    どんなに素晴らしくても、ある一点において欠けていると、全体が未完成である。

    千里の道も一歩から

  • 18の日本のことわざ・中国の故事成語などをとりあげ、その意味からマーケティングに役立つ要素を解説する本。著者が提唱する「戦略BASiCS」に沿った形で解説されているため、この著者の別書も読んでいるとより理解しやすい。

    個人的にはどのことわざもなるほどの解説がついていてとても役立った本です。当然だと思っていても、案外意識できていないことがけっこうあるものだなあと思いました。最初に来ている「餅は餅屋」などはまさに基本的な考え方ですね。

    少しマーケティングを実践している人向けではあるように思いますが、文章はわかりやすく、事例も出てくるので自分の業務にも活かしやすいと思います。オススメ。

  • マーケティング脳トレーナーの佐藤義典氏の著書。
    最近、マーケ関係では佐藤氏の本を読み漁っている。

    今回のテーマはことわざ。
    著者がMBAで学んだ知識は、既に先人たちがことわざ・四字熟語等で言い表していたという事実。

    佐藤氏の提唱する戦略basicsをカテゴリごとにことわざで説明している。

    例:戦う場所を選ばなくてはいけない→【餅は餅屋】→事業領域の定義。

    [目次]
    はじめに【故きを温ねて新しきを知る】
    1.戦場編
    【餅は餅屋】事業領域の定義
    【敵を知り、己を知らば、百戦して危うからず】競合の定義
    【所変われば品変わる】戦場の変化と顧客ニーズ
    【鶏口牛後】絞って絞ってナンバーワン
    2.独自資源編
    【ローマは一日にして成らず】独自資源の長期的な育成
    【雀百まで踊り忘れず】組織のDNA
    【凡事徹底】単純なことを徹底的に
    3.強み・差別化編
    【多芸は無芸】絞ることが重要
    【岡目八目】強みは他人に聞け
    【得手に帆を揚げる】強みを生かして戦う
    4.顧客編
    【立場変われば人変わる】顧客視点の難しさ
    【十人十色】セグメンテーション
    【蓼食う虫も好き好き】ベネフィットセグメンテーション
    【二兎追うものは一兎も得ず】顧客を絞る
    5.メッセージ編
    【神様にも祝詞】メッセージの重要性
    【ものは言いよう】メッセージの戦略性
    6.心構え編
    【画竜点晴を欠く】後要素の一貫性の重要性
    【災い転じて福となす】不幸を活かすしなやかさとしたたかさ
    おわりに【千里の道も一歩から】

  • 戦略策定の順番は著書にも述べられているが・・
    まずは「顧客」の選定から。

    “「誰」に「何」を売るか”であり、

    いわゆる、自分の顧客は「誰」なのか、を決めること。


    初心者は「何を売るか」と考えてしまうが・・
    大切なのは「誰に売るか」が重要。

    この著書は「ことわざ」で戦略を理解することが
    できるので、とてもお勧めです。

  • 著者が提唱する「戦略BASiCS」をことわざでわかりやすく説明している。
    B:Battlefield(戦場)
    A:Asset(独自資源)
    S:Strength(強み・差別化)
    C:Customer(顧客)
    S:Selling message(メッセージ)

  • 【読書メモ】

    ●競争は、お客様が「どこにいこうか」と考えている、または話しあうときに起きているのであって、会社の会議室で起きるのではありません。・・・競争は、お客様のアタマの中で起きているのです。

    ●絞って絞ってナンバーワン

    ●(M&Aは)「理想的な補完関係」であるほど、「違いが大きい」ということは案外無視されがちです。机上の「理論」では「理想的な補完関係」かもしれませんが、「現場」では「違いすぎるがゆえの修羅場」となるのです。」

    ●差別化の方法には大別して次の3つがあります。
    (1)手軽軸:早さ、安さ、便利さで差別化
    (2)商品軸:とにかくよい商品・サービスで差別化
    (3)密着軸:顧客ニーズに徹底的に応えて差別化

    ●お客様にとっての強みと、自分が強みだと思うことは往々にして違う

    ●自分の強みが生きる戦場で戦う

    ●お客様の立場に立つ「仕組み」を作る

    ●マーケティングのレベル1は、「自分がされてうれしいことをお客様にもする」ことです。・・・マーケティングのレベル2は、「自分とお客様のニーズは違う」と認識することです。・・・ちなみにレベル3は、お客様ですら気づいていないニーズに先回りして応えるレベルです。

    ●どんなビジネスでも、自分=お客様とは限らない、さらに言えば、「自分はお客様の立場には絶対立てない」という冷徹な認識をもつことも重要なのです。絶対にお客様と同じにはなれない、という現実を認識し、それでもお客様の欲しいものは何なのか、と一歩一歩地道にお客様に近づいていくのがマーケティングの醍醐味でもあります。

    ●(自分=お客様ではない場合には)ひたすらお客様を観察するのです。・・・そしておもむろに質問するわけですね。・・・ただし、その少ない意見「だけ」に引っ張られないようにすることも重要です。・・・質的な「心を探る」という右脳の働きと、量的な「数値を知る」という左脳の働きの両方が、経営には必要なのです。

    ●(人口統計的セグメンテーションの問題点)1つめは、同じ30歳男性でも人によって求めるものが違うことです。そして2つめが、同じ人でも時と場合によって求めるものが違うことです。この2つの問題を解決するのが、「蓼食う虫も好き好き」なのです。「人」に加えて、「好き好き」という基準をセグメンテーションの軸に加えればよいのです。つまり、こんな価値を求めている「場合」で分類するのです。

    ●ベネフィットセグメンテーションは、実は案外簡単に実現できる場合もあります。「こんなものが欲しい人、寄っておいで!」というメッセージを出せば、それが欲しい人を集められるのです。具体的には、テレビCMや販促をする際に、ベネフィットを訴求するのです。

    ●(ターゲットを)経営者が絞らなければ現場が勝手に絞り、その結果、広告と店舗がバラバラ、などということが起きてしまいます。経営者にとっては、「絞らないこと」より、このような「バラバラ」のリスクのほうが恐ろしくありませんか?

    ●良いものを作ることは、必須条件ではありますが、十分条件ではありません。「良いものを作って、その良さがお客様にしっかり伝わって」初めて売れるのです。

    ●商品・サービスの品質が良いことは、今や最低限の必要条件なのです。・・・良さをどのように「伝えるか」、そして「お客様にどのように伝わっているか」が重要なのです。マーケティングは、工場や会社の中ではなく、お客様のアタマの中で起きていることなのです。

    ●お客様に価値をしっかり伝えることが重要ですが、その際には、若干控えめに伝えるくらいが、ちょうど良いことが多いものです。・・・90を期待して買って、本当は100だったら嬉しいですよね。100のものを広告で120にするのではなく、商品・サービスを改良し、100を130にまで引き上げ、それを120として伝えるべきなのです。

    ●高品質なブランドイメージをお望みであれば、マイナスの(不安を煽る)言いかたのメッセージを出してはいけないのです。さらに、マイナスのメッセージばかり出していると、いわゆる「狼少年」になってしまいます。「あ、あの会社またこんな広告で不安を煽って売りつけようとしている」と思われたが最後、ほぼ回復不可能なダメージを負ってしまいます。

    ●まず、「立場変われば人変わる」で、お客様の立場では「30km/リットル」の燃費がどのようにいいかを考えます。そして、どのようにお客様を分類し、どのお客様をターゲットにし、そのお客様の心にはどのようなメッセージが響くのか、という「蓼食う虫も好き好き」から、「ものは言いよう」を考えていくわけです。

    ●「失敗は起こるものとして、その被害をどのように最小化するか」「その失敗を活かして何を学ぶか」というのが経営者やビジネスパーソンに問われるべき資質だと思います。それが「したたかさ」ですね。

    ●「強み」「弱み」は解釈にすぎない・・・「強み」「弱み」などとわざわざ分けてややこしくせずに、「持っているものをすべて強みとして使うためにはどうするか」というしたたかな発想をすればよいのです。それが、「強みを活かす」ということです。

    ●経営者・ビジネスパーソンに本当に必要なのは、スキルや技ではなく、逆境にめげないしなやかさと、それをも味方にしてしまうしたたかさなのだと思います。

    (ことわざ一覧)
    ・餅は餅屋→選択と集中
    ・敵を知り、己を知らば、百戦して危うからず→ビジネスの三要素:競合、顧客、自社
    ・所変われば品変わる→戦場が変われば、顧客ニーズが違う
    ・鶏口牛後→絞って絞ってナンバーワン
    ・ローマは一日にして成らず→独自資源の長期的育成
    ・雀百まで踊り忘れず→組織のDNA
    ・凡事徹底→単純なことを徹底的に
    ・多芸は無芸→絞ることが重要
    ・岡目八目→強みは他人に聞け
    ・得てに帆を揚げる→自分の強みが活きる戦場で戦う
    ・立場変われば人変わる→顧客視点の難しさ(売り手の立場、買い手の立場)
    ・十人十色→セグメンテーション
    ・蓼食う虫も好き好き→ベネフィットセグメンテーション(人口統計学的な顧客分類の限界)
    ・二兎追うものは一兎も得ず→顧客を絞る。万人向けの商品・サービスはない
    ・神様にも祝詞→お客様は伝わったこと「だけ」から判断する
    ・ものは言いよう→伝えかたによって印象が全く変わる
    ・画竜点睛を欠く→五要素の一貫性の重要性(戦場・独自資源・強み差別化・顧客・メッセージ:戦略BASiCS)
    ・災い転じて福となす→不幸を活かす「しなやかさ」と「したたかさ」
    ・千里の道も一歩から→できるところから始めよう

  • 佐藤さんのBASiCS理論を、ことわざで学べる本。
    面白い。

  • ことわざってスゴイ

    ことわざの勉強とともに
    それを実生活 商売 マーケティングにどう結びつけていくか

    解釈と考え方の参考になりました

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著者プロフィール

マーケティングコンサルティング会社、ストラテジー&タクティクス社代表取締役社長。米国ペンシルバニア大ウォートン校MBA(2022FT紙ランキング世界1位、経営戦略、マーケティング専攻)。中小企業診断士。大手通信会社、外資系メーカーのブランド責任者、外資系エージェンシーの営業ヘッド、コンサルティングヘッドを歴任。実戦的で効果の高いコンサルティングには定評がある。豊富な現場経験と理論体系に基づく企業研修(経営戦略、マーケティング、企画力など)はわかりやすく実戦的と好評でリピート率が極めて高い。2万4千人が購読する無料メルマガ「売れたま! 」(www.uretama.com)の発行者としても活躍中。

「2022年 『弱みで勝つ!マーケティング戦略』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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