散歩する侵略者

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  • メディアファクトリー
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784840121095

作品紹介・あらすじ

真治と鳴海の夫婦は、ちいさな港町に住んでいる。亭主関白ぶって浮気する真治、気づかないふりで黙っている鳴海。だが真治が、3日間の行方不明ののち、まったく別の人格になって帰ってきた。脳の障害-医師はそう言うが、子どものように素直で、「真ちゃん」と呼ばせてくれる新しい真治と、鳴海はやりなおそうと思った。だが静かに、町は変容していく。"侵略者"が、散歩しているから。地球侵略会議はファミレスで。鳴海と真治の夫婦、そして侵略者の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 意味不明な登場人物、よくわからない設定でなのに、愛がちりばめられていると感じられる作品。

  • 私には訳の分からん話でした。
    特に結末が・・・

  • 人間の体を乗っ取った3人の侵略者(宇宙人?)が、
    散歩をして、そこで出会った人と話をすることで、
    家族・時間・自由・自と他などの概念をその人から奪っていく。

    最後は、愛という概念。

    アメリカの映画みたく、ガーーーっと外側から攻めこんでくる、地球侵略の話とは全然違うけど、
    概念というものをひとつ奪われるだけで、人って大変なことになるようで、内側から侵略していくストーリーにぞぞぞって感じでした。


    私的にはすごくおもしろかったけど、
    ラストが私好みじゃなかったので、星ひとつ減点なかんじです。

  •  先に舞台で見た後の原作読み。
     エピソードは絞られて読みやすい。奥様ロマンスがわかりやすくなっていた。

     観点が違う焼き直しというより、演出のための草案の積み重ねのように感じた。その理由は「客観表現(○○は俯いた)」ではなく、「主観表現(○○は悲しくなって下を向いた)」が多く。また、主客もころころ変わるため、これらを読んでどう感じさせたいのか、意図が分からない。

     特に序盤の宇宙人に対しては、視点宇宙人で語れるなら「概念あるんじゃん」みたいな気持ちになる。
     他の人が宇宙人を見ている時も、概ね好意的で違和感が薄く勿体ない感がある。(そういう意図なんだろうけど)
     奥さん以外は、被害者複数視点でホラー風味(もしくはミステリ風味)のほうが際だったんじゃないかなぁ。

     舞台で見て「概念」があやふやな感があったが、(むしろクオリアでは、とか)、本作を読むと「単語の(文字だけの)意味に捕われない概念」を文章で表すのは難しいんだろうな、と感じた。

  • 人の概念を抜き取ってしまう宇宙人の侵略の話

    ↑見たく書くと笑ってしまう
    本編は全く笑いはなく、侵略者が概念、死・家族・自と他・時間・自由などを吸収していく一方で、そのとられた人はその概念が無くなってしまう。概念を無くしてしまった人はどうなるのか。これといった正確な表現が決まっていない『神』・『愛』とはと考えてしまう。愛を知ったら、愛を失ったら。
    深く考えると面白く、終わりはないな。読みやすかったしね

  • 装丁に惹かれ手に取った一冊。内容と装丁のギャップが面白い。夫である真治や身内が痴呆?はたまた脳障害?かと思ったら、近隣の住民も同じ脳の状態。夫の真治が散歩すればするほど、現代では分析できない不可解な症状が住民に起こり、小さな町を襲う。愛で地球を救えるのか?この世の中にどっかにありそうで、なさそうなファンタジックなストーリーでした。

    ええと。UFOとかの存在に興味がある人は読んでいて、面白いかも。

  • 脚本・演出をされた舞台をいくつか観て、その世界観に惚れてしまったので読みました。ますます惚れた・・・!
    クスリと笑えたり、眉をしかめたり、気分が悪くなったり、微笑んだり。ラストではぼろぼろと涙がこぼれました。

    どうしてこんな世界を作り上げることができるのか。尊敬します。

  • 劇団「イキウメ」の前川さんの小説。一日で読破。
    個人的にはところどころ小説としては描写が、なんというか、ライトノベルっぽい?と思うところが少し。ちょっと読みやすすぎた。
    それでもやはりストーリーはさすがの前川さんです。最後はヒャッてなりました。小説っていうよりはイキウメの戯曲の延長な気がして、登場人物が役者の方々に見えた。うううう舞台版も見たいよう…!

  • 劇団イキウメの劇作家の作品。

  • ほんとにほんとに!
    すごく良かった!
    けど切ない〜!!

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著者プロフィール

1974年新潟県生まれ。劇作家、演出家。2003年に劇団「イキウメ」を旗揚げ。超常的な世界観で、身近な生活と隣り合わせに現れる異界を描く。2011年上演の舞台『太陽』で第63回読売文学賞戯曲・シナリオ賞を、舞台『奇ッ怪 其ノ弍』『太陽』で第19回読売演劇大賞 グランプリ、最優秀演出家賞を受賞するなど、各作品で様々な賞を受賞し、注目を集めている。他の著書に、小説『散歩する侵略者』、絵本『くらいところからやってくる』(絵・小林系)など。

「2017年 『散歩する侵略者 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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