乱暴と待機 (ダ・ヴィンチブックス)

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  • メディアファクトリー
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784840121767

感想・レビュー・書評

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  • 2010.8.22

  • 復讐を毎日思い続ける英則に自主的監禁をされて一緒に住んでいる七々瀬。2人の閉鎖された世界に、番上とあずさが2人の暮らしに関わってくるが…。各々の人物の心情吐露の描写、部屋の小道具まで細部にわたってやはり演劇的。段々解ってくるところがスリリング。不思議な男女の結び付きの話。

  • 映画が気になったので読むことにしました。本谷氏の作品はこれが初めてです。
    閉ざされた奇妙な世界と関係の中で繰り広げられる物語はドロドロとているようでさほど厭らしさも無く、屈折していながらも妙に真っ直ぐな感情で、気持ち悪さを感じつつも嫌悪感はあまりなく、第3者がいたらみんな馬鹿だなぁという一言で終わってしまいそうなそんな2人と巻き込まれる2人の関係でしたが面白かったです。
    最高のタイミングで言われたい言葉、が印象に残りました。

  • どろっとしてて濃い

  • 主人公:奈々瀬 超ウザ女!典型的な女に好かれないタイプ
    お兄ちゃん:奈々瀬の偽お兄ちゃん 保健所の犬を処分する仕事
    キーワード:復讐 お兄ちゃん 二段ベッド

    一緒にいたいのに素直になれないから
    「復讐」を口実にして、軟禁(自主軟禁)状態で一緒に暮らしている。

    屋根裏から自分の生活を覗かせている奈々瀬はかなり怖い。
    復讐を口実に覗きを正当化するお兄ちゃんも異常だが。
    愛情<憎しみ 歪んだ愛の形
    究極の復讐は奈々瀬の目の前で車に轢かれて死ぬことだった・・・。
    結局二人は離れられない運命。
    奈々瀬にイライラしつつも、あずさの破壊的な行動にスカッとした。

    愛情関係よりもずっとずっと確実なつながりを祈るように求め続ける、
    男と女の物語

  • 元々は演劇です。アンバランスでシュールで濃密でユニーク。

  • きもちわる!(褒め言葉)自意識過剰で歪みまくり。いつもの爽快さはあんまりなかったです。もやもやする。映画の豪華キャストに期待しちゃう。

  • 本谷はじめて読んだ本。ちょっと中だるみがありつつも、思っていたよりも楽しめた。変態なのにあんまり変態に書かないところが、物足りないような変態ゆえのような。エロくはない。エロさがない。同じか?

  • 登場人物が男だったからなのか、いつもの本谷さんとは違った語り口調のように思えた。だいたいこの人の話は主人公女だもんね。『遭難、』の時は脚本だったし。で、まぁ今回も相変わらず妄想と自己愛がぶっ飛んでいる人々がやらかします。『腑抜けども悲しみの愛をみせろ』のような感じのホラー感。終わり方がハッピーエンドなのかバットエンドなのかわからないけど、一種のネバーエンディングっぽさは非常に好き。終わらない怖さ。これ映画化らしいの気になりますねー。是非見に行きたい。『まるで初デートを臨終間際の老人の枕元で行ってしまったように』という表現が面白かった。ねぇよそんな状況!とツッコまずにはいられなかった。

  • お兄ちゃんと私のお話。以前読んだ『あの子の考えることは変』の本谷有希子作品。

    なんか、この狂気にハマッてきた。本谷有希子作品を漢字一文字で表すなら間違いなく「狂」だと思っていたのに、それはあくまで表面にある殻のことで、その中にはたっぷりとドロドロの「愛」が詰まっていることに気がついてしまった。その狂気に包まれた愛を丸飲みしてみたい、そんな背徳的な魅力に私は取り憑かれてしまった。舞台作家特有の、感情が濃縮された物語をお楽しみ下さい。

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著者プロフィール

小説家・劇作家

「2022年 『ベスト・エッセイ2022』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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