- Amazon.co.jp ・本 (211ページ)
- / ISBN・EAN: 9784840134446
作品紹介・あらすじ
大川に架かる四本の橋の近くには浅草や両国広小路の歓楽街、川を渡った向島、本所、深川には情緒のある水辺の町ができ上がった。堀端には料理屋や茶屋が建ち並び、岡場所と呼ばれる私娼窟-色町が栄えた。香具師の真似事をしながら岡場所をうろつく遊び人の萬女蔵は、侍に斬り殺された美しい芸者の幽霊がでるという茶屋の話を聞きつける。美貌の噂に惹かれて出向いた萬女蔵が見たものとは…。本所両国の色町と見世物小屋を舞台に描く、妖しく艶やかな江戸怪談。
感想・レビュー・書評
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江戸のはずれの花町、悲しい恋のお話に、怪談が加わって何とも言えない読後感。
切ない気持になるお話でした。
生と死の狭間で、精いっぱいその瞬間を過ごしていくことへの応援歌のようにも思えてきます。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
女にマメだから萬女蔵。
そんな彼が引き寄せてしまう怪し達が物悲しくも色っぽく、愛おしくなります。
たまにエグイ話も出てくるので、ちょっとずつ・・・の進み方でもお腹イッパイな気分です。 -
■ 1217.
<読破期間>
2012/2/11~2012/2/11 -
妹から。
短編として「因果物師」がよかった。 -
タイトルと表紙からわかるとおり、艶めいた話ばかりのうえ、ナニの用語もけっこうぽんぽん出てくるので、青少年に薦めるとPTAから苦情がきそうな本だが(笑)、ふだんあまり読まない世界ということもあって面白く読めた。婀娜でありながら妙に小気味よい雰囲気が、主人公と彼を取り巻く面々との掛け合いから漂っている。それでいて時にずしりと胸にひびくものがあり、総じて満足の1冊だった。
ただ、2、3冊も読めばお腹いっぱいになりそうなタイプの小説でもあるが……。 -
“クダンは人に牛とかく”「因果物師」で物語に一気に引き込まれ、“痔という文字ができたくらい…”と「若衆芝居」でぞわりとし「水の女」に妖艶な物の怪をみる。萬女さんとお才コンビをもう少し読みたい。
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江戸時代の色事と怪談を織り交ぜた、淫靡で湿った香りが漂う世界がいい。
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面白かったです。
夜鷹の堕ろし方が壮絶やな。隅田川。 -
舞台となるのは吉原など華やかな場所ではなくもっと場末の色町。出てくる女性(幽霊)たちも底辺の底辺で春をひさぎ、心を残していったものたち。
妖しく切ない物語としても面白かったが、江戸のアングラ風俗を知るといった点からも興味深く読めた。
主人公である萬女蔵が出てくる話と出てこない話があったり、深い余韻のある話とあっさりしすぎる話があったり、一貫性がちょっとないのが私的には残念だった。
図書館から
読んだ期間:10/26〜27 -
江戸時代は両国を舞台にした色っぽい怪談小説。ちなみに短編集。いやらしさがいい具合で、怖いというより物悲しい。全体的に前半の小説の方が好みだった。