- Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
- / ISBN・EAN: 9784840142090
作品紹介・あらすじ
思春期まっさかりの中学2年×20人、男女それぞれの"ままならぬ想い"を描く連作短篇全20話。一口に片思いと言っても、その想い方はさまざま。10代ならではの不器用なアプローチに胸が熱くなること必至。カップルであってもお互いの気持ちにすれ違いが生じていたり…。巻末に、20人の想いの方向が見える"恋の相関図"付き。
感想・レビュー・書評
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中学2年生、20人、各8頁。恋心を綴る。目次が出色で、2年2組の名簿形式。出席番号・名前・部活欄と、備考に掲載頁を表記。出席番号順に登場しないところもイイ。
大半が片想い。好きだと言いたいのに言えなくて、憎まれ口を叩いてばかりのところをほかの誰かに見られていることが、ほかの生徒の章で判明したりして、ニヤけて苦笑。
どちらかといえばクラスの目立つ組の生徒の章よりも、地味めの生徒の章のほうに好感。と言いつつも私がいちばん好きだったのはおちゃらけ男子・武田くん編でしょかね。
く〜、「チキショー、やっぱり好き」だって。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
恥ずかしいのも、悔しいのも、うれしいのも、全部ひっくるめて“恋”なんだ、と経験するのも実感するのもローティーンの特権なんですよね。
そんな甘酸っぱい群像劇。
大人になるとそれは微笑ましい思い出になる。
この文庫本、表紙から中身までまるごとかわいい。 -
期待とともにハズカシさもいっぱいで、まだまだ子どもの部分も多い思春期初期の心模様が甘酸っぱい。20人もいると自分と似た誰かがいるかもしれない (いなかったけど) のがまた面白い。
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中学校の一クラスを舞台に、1編約8頁程の恋愛短編が20人分。全員クラスメイトなので各登場人物が少しづつ絡み合っている。
自分が中学生の頃はどの子に近かっただろう、なんて思い出しながら読んだ。
直樹と葉の恋が特に甘酸っぱくていいなと思ったが、どのお話も中学生らしいというか、可愛らしい。
この子たちの恋が叶っても叶わなくても、きっと大人になってからキラキラした思い出になるんだろうな。
表紙と登場人物デザインは浅野いにお氏。作品に合っていてとてもいい。 -
純粋でしたたかな思春期真っ盛りの中学2年生×20人。男女それぞれの"ままならぬ思い"を描く連作短編全20話。
初恋が素敵な思い出になるのは、その恋が永遠に続くと思っていたからだ。読み進めていくうちに、クラス内の人間関係が浮き彫りになる構成が面白いが、各人の個性描写がちょっと弱いのが残念。 -
面白くなかった。作者の中学の頃のクラスの観察だとか日記が元になってるて言うからもっと期待して読んだのに。各人物に割くページ数が少な過ぎて全員の印象が薄い。もう少し書いてくれないと感情移入まで行けない。
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読了
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あなたの“あの頃”をうずかせる、不慣れな恋の物語!
甘酸っぱい。ほろ苦い。だけじゃない---あなたの“あの頃”をうずかせる不慣れな恋の物語。
“思春期まっさかり”の中学2年生×20人の男女それぞれの「ままならぬ想い」を描く連作掌編、全20話。 -
久々に!だいすきな豊島ミホ。
心が浄化された。
ある中学校のあるひとクラスを舞台にしたお話。
毎日学校に行けば好きなひとに会えて、
席替えがあって文化祭があって、
友だちに相談したり揉めたり、
っていう、ひとつひとつの当たり前の出来事が、
いろんな子にフォーカスされて描かれる。
可愛い子は当たり前にモテて、地味な子はモテなくて。リアルなところもありつつ。
いいなー。青春だなー。
この作家さんはこっちの作風のほうがウケるんだろうな。。わたし純情エレジーとかのほうが好みだけど。 -
豊島ミホの青春モノである。
彼女の作品はもっと読んでいた気がするが、5年も前に読んだ『神田川デイズ』以来だった。
本書に舞台はとある中学校の2年2組。
35名の中の20人の恋模様が連作短編小説のように描かれている。
一遍一遍の主人公がそれぞれ違う20人の主人公。
教室という空間に閉じ込められた社会は本来教室の生徒一人一人がそれぞれのドラマを抱えており、一人一人が主人公であるはずだ。
読者は本書を読み進めるうちに、リアルな教室模様のような感じで、このとある特定のクラスの人間関係を垣間見ることになる。
20人の視点でそれぞれの恋心が語られると、この中に自分と似通ったキャラクターも発見できる。ボクも丸々同じではないが、こいつとこいつを合わせた感じだったよなぁ〜などと甘酸っぱい想いに駆られると共に心がざわついた。
中学2年ともなると思春期まっただ中である。当時のボクもまさに桃色少年まっただ中。
本書で描かれるムズムズとした恋心は常に持っていた。
あとがきで著者はこう書いている。
『楽しかったのだ。 中学では、大好きな友だちと一緒にいて、いついかなる時も勝手なことをしていて、おまけに恋をしていた。二十九になった今も、一番「思うまま」の現実を手にしていたのは中学の頃の自分だと思うくらいで、当然二十一とか二とかの自分にとっては、「あの頃」が「今でも帰りたい黄金時代」だった。』
ボクも自分の中学時代に同種の憧憬をいだくことがある。
どう比べても今の方が現実的にはいいと思うのだが、当時の無邪気さ、制約の無さ、自由さ、過去の後悔よりも未来の可能性しか見えていない残酷さ。
まさに本能の赴くままに日々を過ごしていたあの頃の清々しさは、帰宅時の渡良瀬川の夕焼けの清々しさとともににいまだにボクの心の中に特別な時間として残っている部分がある。
そんな中学時代を振り返ってみたい方は本書を開いてみるといい。
どこかのページにきっとあなたが見つかるはずです。