ふったらどしゃぶり When it rains, it pours (フルール文庫 ブルーライン)

著者 : 一穂ミチ

• メディアファクトリー (2013年9月12日発売)

感想・レビュー・書評

[流し打ちさんの感想 · 2023年6月12日]

和章との別れに件りに胸が痛くなった

[mamimuさんの感想 · 2020年5月23日]

文章の表現が美しくて、凄い作家さんだなと思いました。要所要所で胸がギュッと痛む表現に魅せられました。ただただ切ない…！

[落葉さんの感想 · 2020年4月26日]

ディアプラス文庫にて再発行。

[syobobobonさんの感想 · 2018年12月25日]

恋人あり(セックスレス)の攻×想いを寄せる幼馴染と同居する受。一穂さんに度々ある女絡み、受け側にもかなり事情アリアリで、なかなか切なくもだつく&ヒリつく内容…主役2人は惹かれあいつつお互いに一応相手がいるもんだからかなりややこしくはあり、各キャラクターに思うところもアリアリだったけど、ストーリーは好みのタイプでした。

[kaorikaikaさんの感想 · 2018年1月14日]

とっても大好きな1冊。何度も読み返してます。
ある程度大人向けの内容だと思います。
(セクシャルな意味ではなく)
私もBBAなのでいろんな点で共感できました。
二人が夜中に電話して会いに行くシーンは切実で胸がいっぱいになります。
あと、和昭が整に最後に自分の思いを吐露するシーンが切なすぎました。
この人もすごく苦しんでたんだと。
肉欲と愛情って切り離すことは難しいし、それだけでもないし、何か一つ欠けてもバランスが崩れる。
とても考えさせられるお話しでした。

[柳。さんの感想 · 2016年8月15日]

彼女とのセックスレスに悩む一顕と、幼馴染の友人（男）への報われない恋心に悩む整。二人がメールの誤送信をきっかけに繋がりができて、結構ギリギリな距離間であーだこーだする話。
ごくごく普通の、前半・中盤・後半にえっちシーンが入るＢＬをお求めの方には物足りないかもしれない。最初の方に自慰があるくらいで、あとは後半に濃厚なのと、ごーかんひとつ。おまけストーリーで軽いのひとつ。……アレ、結構あるな。でも、読んでて多い印象はなかったです。ストーリーの中に自然に入ってる感じ。

雨の描写が情緒的で、お話も淡々と進む感じですが、私はとっても好みでした＾＾
他の作品も読もう。

[banri08さんの感想 · 2015年12月17日]

同期の2人、結婚も考えてる恋人とのセックスレスに悩む一顕と、好きな人と暮らし報われない想いを抱えてる整。いろんな想いが交差して上手く感想にできる自信がない。整に初体験の事を聞かれた一顕の「相手のあることだから」という答えを聞いて私この人凄く好きかも…と思った。効果的に使われる雨、2人の心情、溢れ弾けた想いの熱さ、そして衝動… 一顕とかおり、整と和章、4人の想いに共感できる部分もできない部分も考えさせられた…

[らいさんの感想 · 2015年3月26日]

同棲中の恋人とのセックスレスに悩む一顕、報われないまま思い続ける幼馴染への思慕に苦しむ整。
満たされない想いを抱えた二人が、降り続く雨の中で満たされない想いをゆっくりと折り重ねていく物語。

一顕の暮らす雨音の響くマンションと整の暮らす雨音の聞こえない地上から遥か遠くにそびえ立つタワーマンション、二人の勤め先のオフィスーー都会の風景、灰色の空、雨の匂いが手に取るように伝わる描写、人間心理の生々しさや、時に胸の詰まるような息苦しさ。揺れ動く気持ちが移ろいゆくその様が手に取るようにぐいぐいとこちらに訴えかけてくる圧倒的な世界観に引き込まれました。
軽妙な会話のテンポもセンス良く軽やかで都会的な空気に満ち溢れていて、漂う空気は良質の恋愛映画のよう。
痛ましく息苦しく、胸がぎゅっと掴まれて息もつかせないまま一気に読ませる、物語の圧倒的な力に溢れています。
女性心理の生々しいいやらしさや身勝手さ、整を繋ぎ止めながらも、縋りつこうとする手を振り払い続ける和章のある種の残酷さの描き方も見事。
会社、組織の描かれ方、人間心理への深い洞察力に唸らされました。

ナイトガーデンを先に読んで心の内をそっと覗いた気分でいたからかもしれませんが、和章が見ていて痛ましくて堪らなかった…。
整から見た和章という人の完璧さ、隙のなさ、残酷な優しさがゆっくりと時間をかけて描かれたその後、彼の抱えた歪みが露わにされるシーンにただ胸を揺さぶられるばかり。
整に感情をぶつける様も、一番整が望んでいたはずのそれが痛ましい形でしか実らなかったことも、とにかく息苦しくて悲しくて切実で、それでいて切々と胸に突き刺さるようで、メイン二人の関係が後戻り出来ない所へと動き出してからはずっと涙ぐみながら読んでいました。
それぞれの一筋縄ではいかない心の有り様を丁寧に丁寧に掬い上げ、穏やかで温かい場所へとたどり着くまでを見届ける事が出来た事に、何よりもホッとしました。
行き交う感情の痛ましさと穏やかさ、熱量、そのすべてに強く惹きつけられる、とても印象深い物語でした。

[ちびねこさんの感想 · 2014年10月14日]

前半の、着地点の見えないやり取りは読むのがしんどかった…。
お互いセックスに飢えていた。彼女に拒否られ性欲、感情の行き場を失った身体をもてあまし、救いを求めるように受けとセックスをむさぼった。

セックスについてあれこれ論じても、最後はシンプルで人間の三大欲求で本能なんだと。

ただ、彩子にしろ、かおりにしろ、女性陣がご都合的に醜く描かれるのが肌に合わなかった。

[りんごあめさんの感想 · 2014年10月3日]

メインキャラクター全員の気持ちに分かるなー、と思ってしまった。自分が感じていてでも言語化できなかったものを見事に言葉にするので、一穂さんの小説は大好きです。

著者プロフィール

2007年作家デビュー。以後主にBL作品を執筆。「イエスかノーか半分か」シリーズは20年にアニメ映画化もされている。21年、一般文芸初の単行本『スモールワールズ』が直木賞候補、山田風太郎賞候補に。同書収録の短編「ピクニック」は日本推理作家協会賞短編部門候補になる。著書に『パラソルでパラシュート』『砂嵐に星屑』『光のとこにいてね』など。