- Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
- / ISBN・EAN: 9784840213226
作品紹介・あらすじ
不動産、生命保険、ライフプランニング。35歳から始める、究極のマネー・プラン。
感想・レビュー・書評
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1999年に発行された本だが、テーマの多くについて古さをほとんど感じない。
p244〜p255は是非読んでほしい。また、FPに相談しようと考えている方はp256〜p284を読んでほしい。
ただし、法令などは多くが改正されている点に注意が必要だし、そもそもの内容がおかしいところもあるので全てを鵜呑みにしないことが大事。
明らかな間違えの例をいくつか記しておく。
・融資一体型変額保険のスキームの説明で、相続税の対象額は1億円になる(p124)とあるが、9億円の借金で掛けた死亡保険の保険金も相続税の対象となる。
・相互会社は株式を発行していないからメインバンクがいない(p133)
・夫が妻の保険料を支払い、妻が死亡すれば保険金が子供に支払われるケースは一時所得として処理される(p160)
また、持ち家と賃貸のどちらが得かというテーマについて、考え方を詳しく書いておく。
資産を不動産で所有するか、不動産以外で所有するかの違いなので、それぞれの選択した資産が将来にわたってどれだけのキャッシュフローを生み出せるかが大事。別の言い方をすると、家賃を自分に払っているか、他人である大家に払っているかの違いでもある。
不動産の特徴は以下のとおり(日本固有の事情もある)で、これらを考えた上で、持ち家か賃貸かを選択すれば良いと思う。
・土地は動かない(動かせない)
・取得コスト、保有コスト、売却コストがかかる
・保有には欠陥・災害などのリスクがある
・レバレッジをかける(不動産を担保にお金を借りる)ことができる
・中古市場が発達していない
・借地借家法により借地・借家人が保護されている
以下、気になった文章を引用しておく。
“不動産は人間の所有欲や名誉欲を満足させてくれるもの。持ち家派が「家を買ってよかった」と主張する理由は、支払った代償の大きさにより自分の判断を正当化するから。それは自己開発セミナーや宗教も同じであり、失ったものの大きさに比例して信仰心は強くなる。”
“不動産は金融商品と比べて、取得コスト、保有コスト、売却コストのすべてにおいてコストが高く、かつ保有しているだけで資産価値が減耗していく。”
“持ち家とは、借金をして(レバレッジをかけて)投資用に不動産を購入し、それを自分に貸し付けているという状態。”
“明治時代は、生涯を賃貸生活で終えるのが当たり前でした(略)私たちは「持ち家こそが人生最大の目標」などと考えていますが、それはべつに永遠不滅の真理などではなく、たかだか戦後50年の間にかたちづくられた一片の妄想にすぎません。”
“この世の中でただひとつ、顧客に単価を知らせずに、分割払いで販売されている商品があります。それが保険です。”
“自分のリスクに合った保険料に設定されている保険を選ぶというのも、大事なポイントです。”
“保険というのは、将来起こるかもしれないリスクをヘッジするために利用するものですから、リスクを100%ヘッジできれば、それ以上の保険は必要ありません。”
“終身保険というタイプ(略)この世の中に永遠に生きつづける人はいませんから、最終的にはすべての保険加入者が保険金を受け取ることになります。”
“公営保険は、変額徴収・変額支給が基本です。”
“国家の目的は「国民の幸福」ですから、その目的を実現するために、コスト(予算)を最小化しなければならない理由はありません。それどころか、大きなお金を注ぎ込めばより国民の幸福(少なくとも社会インフラや社会保障)は増大しますから、企業とは逆に、予算(コスト)を極大化するメカニズムが組織の中に埋め込まれているわけです。”
“「国営事業」はすべて莫大な赤字を抱えていますが、「国民の幸福」という一大事業に比べれば、とるに足りないこと”詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
NDC分類: 338.12.
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大変勉強になりました。時代が変わったということも。
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人生設計の基本を考えるにはいい本かと。
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なんだかネタみたいな本であるが。
主に、不動産・保険について扱っている本である。
巷で思い込まれている事の裏側が見える。
不動産も保険も人生生涯で見たとき、決して安いものではなく、
場合によっては大きな負債を抱え込む事になる。
そうした仕組みをわかりやすく説明してくれているのが本著だ。
是非ご一読をお勧めしたい。
特に若い人には。 -
子どもをつくる前にどうぞ。