- Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
- / ISBN・EAN: 9784840226882
作品紹介・あらすじ
成田良悟が描く"この世でいちばん吸血鬼らしくない吸血鬼"の物語。「親愛なる日本の紳士淑女諸君!月並な問い事で申し訳ないが-諸君は吸血鬼の存在を信じるかね?」「-失敬、名乗るのが遅れたようだ我が名はゲルハルト・フォン・バルシュタイン!このグローワース島を預かる、子爵の称号を賜りし吸血鬼!自己紹介代わりに、我が島で起こった一つの騒動について話をしようではないか!…まあ語らせてくれたまえ。暇なのだ」「君が私の話を信じるも信じぬも、私が人にあらざる存在という事は一目瞭然であろう?何しろ私の身体は-」。
感想・レビュー・書評
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2015-12-20
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依頼を受けて、島に住む吸血鬼を殺す、それだけの仕事。
人数が半端ない。
吸血鬼一家に、依頼した人達に市長。
当然依頼された人達と、そこにひっついてきた人も。
まぁ所要メンバーはそこまで…ですし
分かりやすいキャラになってますけど。
最後の最後になって、今までの説明が分かりました。
まぁここまで単に長いだけだと
読むのに疲れるだけですが。
各キャラの長所、完全に伸ばしきってましたし。
そのおかげで、非常に理解しやすかったです。
関係ない所で、各章の扉絵の繋がりが面白かったです。 -
図書館にてティーンズ文庫棚を見てたら目に入ってしまい、それからというもの頭の端々にヴァルの姿がチラついて仕方なくなってしまった。(そのヴィジョンは1巻の内容ではなかったが……)
だからもう読んでしまおう!と思って借りて読みました。
う~ん、やっぱり成田良悟さんの小説すごい好みだなあ。
群像劇小説。脇役はいない。
好きなところはメイドの話題でわちゃわちゃしてたセリフ群。 -
成田作品でまだ未読でデュラララを11巻まで読み終えたので良いタイミングだと思い、思いきって現在刊行されてる五巻分買って今一巻目を読み終えました。
いやー面白かったです。空気がカラッとしててキャラクターの個性も濃く読んでて痛快でした。成田作品のなかでは多分一番マイナーですが、氏の作品が好きなら是非読んで頂きたく思います。 -
あとがきが秀逸。確かにうえお久光とも鈴木鈴とも芸風が違いすぎる
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“棺から現われた血が、流暢な書体となって壁に文章を綴りあげる。そのシュールな光景を前に、隊員達は完全に言葉を失っている。そんな読者をお構いなしに、今や巨大なノートとなった白い壁に、血は己の身を使って次々と新しい英文を生み出していった。
【ありがとう、本当にありがとう!いくら感謝の言葉を述べようとも、この万感の思いは尽き果てる事は無い!あのまま棺の暗闇に閉じ込められていたら、我輩は間違い無く死ぬところであった!我輩は感謝する!再びこうして日の光に巡りあえた幸運を——神と、悪魔と、そして何より棺桶の蓋を開けてくれた聖職者諸君に対してだ!】
御丁寧にも『!』を多様して、血は感謝を精一杯相手に伝えようとしているようだ。どうしてカルギラ達の事を聖職者と呼ぶのかは不明だが、おそらく白木の杭の破片を見て血が勝手に判断したのかもしれない。
自分を取り巻いている状況の危うさに気付き、カルギラは精一杯の虚勢を張って、部下達に向かって叫びをあげる。
「糞ッ!やばい!どっかに本体がいる!この血を操ってる本体を探すんだ!」
そんなカルギラの言葉を訂正するかのように、壁の血文字は次々とその姿を変化させる。
【何をしておるのかね、親愛なる諸君!私は"ここ"だよ!この血こそが我が現身!血こそ我なり!血こそ我輩の全てだ!】
更には『" "』と『傍点』までをも駆使し、血文字は自分こそが本体であると強調する。
「なッ……」
口をパクパクさせるカルギラを見て、血文字は補足をするように文を付け足した。
【信じるにせよ信じぬにせよ、我輩と意思の疎通を行うには我輩の身体を見てもらうしかないのだよ。残念な事に、我輩にはテレパス能力は無いのでね】”[P.104]
漸く手を出してみたりして。
登場人物が多いと聞くので自己流相関図作りつつ。
楽しい!本当成田さんの大人数動かすお話楽しい。
ミヒャエルは色んな人から好かれそう。
これからの展開も楽しみ。もっと大乱れしてほしい。
“「わああ、フェレット大変だ!フェレットが追いかけて来たよ!これって喜ぶべきこと?」
「……叩き落としましょうか?」
そう言いながらチラリと振り返ると、確かに後ろから自分の姿をした者が追いかけてくる。同じ体格なら物を背負っている自分の方が不利になる。
——それにしても、わざわざ私と同じ格好になるとは——なんと陰湿な奴なのだろう。
今はまだ離れているが、これ以上詰められたら念動力で足をすくわれる可能性がある。
より確実に逃げるには、横に抱えているミヒャエルを捨てる事なのだが——
「しっかり捕まってて下さい!」
——そんな事はできない。できるわけがない。
フェレットの強い思いとは裏腹に、ミヒャエルは胸ポケットからカメラ付携帯電話を取り出しながら叫んだ。
「ああ、笑ってる!あの偽フェレット笑ってるよ!珍しいから写真撮っとこう」
——捨てる。あと一回何かしたら捨てる!”[P.217] -
し、子爵ー!!!
忘れてた、忘れてたたよこの高揚感。破天荒でわくわくどきどききらきらな、異世界!
ぱーん、って意識が持ってかれちゃう感じ!良いね良いね!
エナミさんのイラストもまた可愛い。ヤスダさんのも好きだけど。
タイトル通りの吸血鬼モノ、成田作品の例にもれず多彩かつ豪華絢爛な愛すべきキャラクター逹、映画の如き痛快なストーリー展開!
どれをとっても魅力的な作品でした。成田節も心地よし。難点といえば他シリーズより刊行が少ないことかしら。 -
設定は好きだが、"結"がいまいち。
むしろ"起"も"承"も弱い。