- Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
- / ISBN・EAN: 9784840237543
作品紹介・あらすじ
リリアは、春休み明けに控えている学院恒例のダンスパーティの相手が決まらず頭を抱えていた。まわりの友人はどんどんと相手が決まる中、リリアの相手は決まらないまま、遂に春休みとなり、母親のアリソンと列車での旅行に出かける。一方、トレイズは、ある国への婿入り話がでており、二十歳までに自分で結婚相手を決めなければ、その婿入り話を受けなくてはならない、という状況になっていた。さらに、その婿入り話の相手が、トレイズがいるイクス王国を訪問することとなり-!?人気シリーズ注目のクライマックス・エピソード上巻。
感想・レビュー・書評
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巻末にはサイド・ストーリーとして、導師様の送る会のために知恵を絞るカルロの姿をえがいた「小生意気なガキ・超拡大版」が収録されています。
ルトニ河口へ旅行に出かけたアリソンとリリアは、ベゼル王家のマティルダ女王に付き添うイクス王国の王子トレイズと、女王の警備を担当するトラヴァス少佐の二人と合流する予定でした。ところが、彼らの乗る列車にトラブルが生じ、次々と事件が起こり始める。
『アリソン』第1巻でいきなりロクシェとスー・ベー・イルの戦争を終わらせた著者がえがきたかったのは、平和の到来がそれまで覆い隠されていたさまざまな問題を表に出すこともあるということだったように思うのですが、「リリアとトレイズ」シリーズでは、戦争の終結がもたらすこうした結果を引き受ける決意を持った大人としてのアリソンとトラヴァス少佐の姿がえがかれています。
本書でアリソンが少佐の生き方を「この世界のみかた」と説明している場面があります。アリソンによれば、少佐は「自分の判断で世界を大きく変えてしまった責任を感じて、それ以降も、よりよい方向へと少しでも向くようにと、自分にできることをやっている」とのこと。そして、「重要な決断をしたときに、自分の隣にいる人が笑顔で賛成してくれると、どんなときよりも嬉しいもの」だとトレイズに語っているように、アリソンは少佐の決断を笑顔で受け入れることになったのでしょう。
これに対して、戦後の平和な時代に生を受けたリリアとトレイズは、ときおり戦争中から持ち越されたさまざまな問題が姿を見せる現実のなかで、少佐のような悲壮さを感じさせることなく、明るく前向きに生きていく若者としてえがかれています。この二つの世代の生き方の違いが、本作の世界を奥行きのあるものにしているように感じました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
リリアとトレイズ V 私の王子様〈上〉 (電撃文庫)
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3巻目。
旅行するため電車で移動中に事件が起こる話。
アリソンの最後の話を彷彿とさせる展開でした。
下巻に期待。 -
アリソンの最後と同じく列車で旅行するお話。
ただ、相変わらずです。
この人たちが何事もなく旅する日が来るのか?と疑問に思うぐらい、今回もまたやっかいなお話です。 -
昔の少女漫画のようで、安心して読みました。
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アリソンの最後のように、列車で旅するお話。
ヴィルが活躍しているのに比べ、トレイズが霞むような…。一応主役なのに…。 -
読了。
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今回もリリアがアリソンと旅に出るところから始まります。旅の途中では、アリソンの思い出のあの駅も出てきて、「アリソン」から読んできた自分には、感慨深いものがありました。リリアは気づきませんでしたけどね。そのあたりがリリアらしいな?と思います。
一方、今回は全く別行動で始まったトレイズ。トレイズもあの駅に降り立ちますが、こちらはトラヴァス少佐といっしょにいてその場所のことに気づきました。血縁じゃないトレイズが気づいてリリアが気づかないのは、トラヴァス少佐のことを知っているためか、それとももともとの性質なのか。
そして、またまた事件が起きていきますが、リリアが事件慣れしつつも普通の女の子なのに対して、アリソンのはったりやら行動力やらが目につきます。
次世代にうつっても主役はアリソンな感じ。 -
テンポがよく読みやすい。
1冊2時間弱くらいの軽さ。