しかけ人たちの企画術

  • インプレス
3.81
  • (20)
  • (43)
  • (37)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 414
感想 : 48
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (283ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784844329862

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • いろいろなジャンル、業界の著名人が、自分の手がけた「企画」と考え方など紹介された本。

    企画というのはその人自身の存在価値という言葉を別の本で読んだが、企画をする人の周りには人が集まると感じる。

    自分に自身をもち、それが社会の役に立つと感じ、実行へ移すという工程は何にでも必要である。

  • 考え方がとても参考になりました。

  • 19/214

  • 小山薫堂氏が学長を勤める東京企画構想学舎という企画スクールの講義録です。箭内道彦、中村勇吾といったメジャーどころから様々なジャンルで活躍するしかけ人たちの企画に関する考え方が納められています。個人的な感想としては、講義者によって面白さに差が出たように思えました。自己啓発系の本でよく語られているような内容もあったかなぁと。勿論、面白い内容も色々とありました。嶋浩一郎氏、片山正通氏、奥田政行氏などの内容は変わった発想法であったり異ジャンルの話ということもあって面白かったですね。

  • 東京企画構想学舎で行われた授業を再録した一冊で、小山薫堂をはじめ各業界の編集、企画に携わった9名の「語り」。面白かったのは山形でブームを集めているレストランシェフ 奥田政行さんと博報堂ケトルの嶋さんでした。ただ何と言っても小山さんの「その企画は新しいか、その企画は楽しいか、その企画は誰を幸せにするのか」という一文はこれからも大切にしたい考え方だと思った。

  • 自分的マーケティング思考強化月間、3冊目は様々なジャンルの「しかけ人」が「企画」について語りまくる本。テレビ、編集、クリエイティブディレクターからインテリアデザイナーに料理人まで、ジャンルは違えど「企画」をしかけることの第一線にいらっしゃる方々のおもしろい講義がたっぷりつまったお得な内容です。吉田さんの『コンセプト=a×(x+y+z)』の方程式や、後藤さんの『創造的誤解』、堂山さんの『ビジョンを映像化することは非常に大切』、嶋さんの『リーチとフリークエンシーの広告からレリバンシー(関係性)の広告へ』など、「企画」へのヒントが詰まっています。でも一番大切なのは、本の帯にも書いていた『その企画は新しいか、その企画は楽しいか、その企画は誰を幸せにするのか』を考え尽くすことだと思いました。それを実感するのに最適な良書です。「仕事でも、どうせなら自分らしくしかけてやりたい」と思う方におすすめです。

  • 小山さんのパートは、過去の本からの抜粋。嶋さんのパートも過去に2回レクチャー受けしてます。

  • ゆるい語り口で書いてあったが、参考になる点がいくつかあった。小山薫堂、中村勇吾、吉田正樹、奥田政行の回が取り分けナイス。

  • 吉田正樹
    人生を打率ではかってはいけない。人生とは打数なのだ。何回打席に立ってもいいから、とにかくホームランを一本打て、そうすれば、それまでの打席がすべて三振でもチャラにしてやるという世界
    企画者はそうやって打席を重ねていくことで、経験を積んで自分を磨き上げていくしかない。ただし、三振しつづけても打席にずっと立たせてもらえる人とそうでない人がいるのは事実。ちがいは、かわいげ

    ネットのコンテンツは、やっぱりテレビに勝てない。
    ネットのコンテンツはテレビと違って自由に見られるから基本的には時間の制約と無関係。でも、テレビ番組をハードディスクに録画すると見ないで放置してしまうことが多くなるのと同じように、いつでも見られるものは、じつは有難味が小さい。ネットでも最も有難味があるのは「生配信」
    つまり放送も通信も、仕組みは違えども、企画のよしあしは「いかに人の生活から時間をもぎ取るか」で決まってくる
    要するに、今日見たくなるコンテンツ、いま見ないとダメだと思わせるコンテンツをつくれるかどうか。そう考えるとテレビのコンテンツの方に分がある
    ジャーナリズムに関しては、ネットの方が適しているかも(真実性)

    後藤繁雄
    アートは問いであり、デザインは解である

    企画力は、情報を集めるだけでなく、それを加工したり、適切に組み合わせたりしなくてはいけない。「力」と変成すること。「微細なものを発見する能力」と拡散しているものを「統合する能力」という2種類の力がここには関係している

    ひとつのことをコツコツと努力していくのは大切なことだが、それだけではどうしても辿りつけない境地がある。Xを解かなければいけないときに、Xのことだけを考えていてはいけない。むしろX以外のことを考えれば解けるというんだから不思議な話
    偶然、意識の誤解が起こってひらめいたという、ある種のアクシデントを起こす必要がある。創造的誤解
    自分の意識のなかだけでなく、その外側にあるものも含めてわしづかみにするようなことができない限り、予言的なアイデアというのは生み出せない

    すべての経験は珍道中。珍道中だから悲観せず、文句を言わず、現状をどう捉えれば楽しめるかを考えればいい。そうやって楽しみながら、おもしろいことを追い続けて、おもしろい企画を実現して、「おもしろいねぇ」と言いながら死ねたら、超ラッキーですよ

    中村勇吾
    デザインという言葉の語源はdesignateというラテン語で「ある目的に沿った計画や企画を記号に落としこむ」という意味。デザインは目的から導きだしていくというのが妥当。そうやって出てきたものは、その正しき合目的性ゆえに、ある種の既視感、退屈さから逃れられえない。だから自分たちの「意図の内側」にあるものではなくて、そこから飛び出したものを追い求めていく必要があると思う。俗にいう「化ける」というもの。その飛躍のきっかけとなるのは「偶然」
    なにかおもしろい偶然が起こる状況を設定すること。そして、なにかしらの偶然が起こったら、それがデザインにつながる可能性があるか、つまりは「目的」につながる可能性があるかを見極める
    だから、ある程度の試行錯誤という意味での作業量は、どうしても必要。もしも偶然が起こる可能性が1パーセントだとしたら100回のトライアルだとひとつの偶然しか起こらないけど、1000回にすれば10の偶然、1万回なら100の偶然と遭遇できる。
    母数を増やして好ましい偶然との出会いを待つしかやりようがない

    箭内道彦
    なんでも成立してしまう「場」をつくるという企画
    後までがっつり固めると面白くなくなる
    「企画しない」という企画。あまり細かい部分まで決めないで、その代わりになにかが起きそうなしかけや雰囲気をつくっておく。面白いことに、そういう場ができると、みんなが勝手に参加したくなったりする
    ムチャ振りって、いい企画。本人が想定していないことが降りかかってくるわけだから、どうしても面白いことが起きそうな予感がしてしまう

    嶋浩一郎
    企画のよしあしは「ボタン×シナリオ」
    ボタンを押せば、アプローチしたい人たちの気持ちが動くかも知れない、しかし、それだけで目的が達成される訳ではない。「ボタン」はあくまできっかけ。そのあとに、目的が成し遂げられるように人がどう動いていくのかを緻密に想定した「シナリオ」が必要。企画のよしあしは、最初の「ボタン」とこの「シナリオ」の掛け算で決まる ex.書店大賞

    ネタが面白いから広まるわけで、「メディアに働きかける」から広まるわけではない。PRやツイッターを使うのは、あくまで手段。
    テクノロジーは企画ではなくて、企画を遂行するための手段
    あくまで肝心なのは、人の気持ちが動くような面白いネタを考えられるかどうか。なぜ、これで人の気持ちが動くのか、の「なぜ」の部分を考えるのが企画

    企画とは「世の中の暗黙知を言語化したもの」世間がなんとなく感じているけれど、まだ意識化できていない欲望や思いを言語化あるいは体現したもの
    ex.森ガール、おひとりさま、コギャル、草食系男子、リア充、朝シャン、メル友、公園デビュー..
    世の中にある暗黙知を言語化した記号のようなもの「社会記号」。社会記号化したものは、とたんに大増殖する傾向がある
    社会記号化することで得られる効果
    ①自己確認効果 自分はコギャルなんだ
    ②周囲の同質効果 私もコギャルになりたい
    ③世間の寛容効果 言語化されることで世の中の市民権が得られる うちの子は、コギャルだったんだ
    そこにメディアが絡んでくる。メディアは新しいことが大好きだから、こういう社会記号が生まれると、こぞってその生態を報道し出す。
    →世の中の暗黙知を発見して具現化すれば、新しい文化や市場をつくることができる
    ex.ハイブリッドカー、第3のビール、プレミアムビール、スマートフォン
    商品に関係のある社会記号が流通することで、それを買ってみようと思う人が増えて、結果的に爆発的なヒットになることが多い
    もうひとつは、社会記号はブランドを寡占化する傾向があるということ。「第3のビール」が流行っているという報道が出るとき、市場には数多くの商品があるのに、メディアに登場するブランドはひとつかふたつだけ。メディアは代表選手を決めたがる。その方が面倒くさくないから。おかげで、いちどその指定席に座る商品が決まってしまうとなかなかそこは空かない。よほどのことがない限り、同じ商品を扱いつづける。この席にうまく収まれるとラッキーだけど、ほかの商品から奪い取るのはすごく難しい。だから、新しい商品を企画するときは、すでにあるカテゴリで勝負するのもいいけど、"情報戦"のことを考えて、新しいカテゴリをつくることをつねに意識する

    ある程度の認知が蓄積された時点で記者発表含めて大々的な告知をする ex. 鉄道王選手権
    その方が、キャンペーンサイトや関連記事が合わせて掲載される

    人は自分で意識できるものしか検索しない。そうでないものにどうやって出合わせるか。あるいは、どうやって気づかせるのか。ネットが当たり前になった今、これからのコミュニケーションに大切なのはそこ

    小山薫堂
    何屋さんか分からないくらい、いろんな仕事をしているけど、それが成り立ってるのは"やや受け身の姿勢"があるから 勝手にテコ入れ

    ひとりの人をよろこばせるために何かをやることで、結果的にいいものに仕上がることが多い


    片山正通、奥田政行
    とにかくアイデアを形にして見てもらう
    プロトタイプ、イラスト入りの地図

  • 僕には企画の雰囲気は向いてそうにないなって印象を受けた。

全48件中 21 - 30件を表示

著者プロフィール

一九六四年、熊本県生まれ。初の映画脚本となる「おくりびと」が、第八十一回米アカデミー賞外国語映画賞をはじめ、国内外問わず数々の賞を受賞。ご当地キャラクターブームを牽引した「くまモン」の生みの親でもある。映画「湯道」では、企画・脚本を担当。

「2022年 『湯道』 で使われていた紹介文から引用しています。」

小山薫堂の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×