死後の恋 (立東舎 乙女の本棚)

著者 :
  • 立東舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (88ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784845634262

作品紹介・あらすじ

「私の運命を決定《きめ》て下さい」
浦塩の町で、一人の男が話しかけてきた。彼が語るのは、兵隊時代の話と、それにまつわる「死後の恋」についてであった。
夢野久作の『死後の恋』が、有名ゲームのキャラクターデザインなどで知られ、本シリーズでは夢野久作『瓶詰地獄』、泉鏡花『外科室』を担当する大人気イラストレーター・ホノジロトヲジによって描かれる。
名作文学と現代の美麗なイラストが融合した、珠玉のコラボレーション・シリーズ。
自分の本棚に飾っておきたい。大切なあの人にプレゼントしたい。そんな気持ちになる「乙女の本棚」シリーズの1冊。

感想・レビュー・書評

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  • 夢野久作 × ホノジロトヲジさんコラボ作品
    「死後の恋」読みました

    みすぼらしい服を着たロシア人のコルニコフと名乗る二十四歳の男が語るものがたり。
    それは、自分の戦友のリヤトニコフとは当時、心を通わせ合っていたという話であった。
    そして彼から自分の身の上話を聞かされた事は、貴族の出身、それも国(ロシア)の王家に、深く関わる人物だという…こと。
    兵士として、赴いた戦地での衝撃的な出来事から、コルニコフは、自分としてのある確信を得たとも言う。
    それらを誰かに話して、
    「私の運命を決めてください」とお願いしたいと思っている!と言うのだ。
    自分の話を肯定してくれたのなら、自分の全財産である(ある遺品)を、ソックリそのままお譲りしたい、
    とも言ってきた。
    そして、突然呼び止められレストランへと、引っ張りこまれた一人の日本の軍人さんが、成り行きでその話を最後まで聞くことになるのだが……という物語。

    いやー!やっぱり引きずりこまれる!!

    「ハハハハハ。イヤー………失礼しました。
    嘸かしビックリなすったでしょう…」
    などという書き出しから始まる怪しげな独特の世界観。
    日本の軍人の前で喋り続ける様子の…
    胡散臭さ…に
    戸惑う読み心地。

    そしてあまりにも悲惨な描写は、もちろん(笑)
    出て来るのだが…なんとキラキラ…。

    この作品もいろいろと解釈できる
    はっきりしなくて??な…。

    モヤモヤとするのだけれど…。

    やっぱり、面白かったですー

    • かなさん
      チーニャさん、今夜も夜更かしで
      遅い時間にすみません(^-^;

      なんか、キラキラの衝撃的な場面…
      想像しちゃうと…恐ろしくなります...
      チーニャさん、今夜も夜更かしで
      遅い時間にすみません(^-^;

      なんか、キラキラの衝撃的な場面…
      想像しちゃうと…恐ろしくなりますよね(ノД`)・゜・。
      夜眠れなくなりそうっ…!

      でも、こう謎が残るんですよねぇ…
      まぁ…それが、またいいのかなって思ったりますよね(*^^*)
      2023/08/06
    • チーニャ、ピーナッツが好きさん
      かなさ〜ん、おはようございます♪
      この作品、真相が全く謎に包まれているところが面白いですよね。いろんな解釈ができちゃって!笑
      それがもう面白...
      かなさ〜ん、おはようございます♪
      この作品、真相が全く謎に包まれているところが面白いですよね。いろんな解釈ができちゃって!笑
      それがもう面白いところですよね
      ദി ᷇ᵕ ᷆ )♡
      キラキラの衝撃的な場面もねぇ…!!
      やっぱり凄いわ〰️
      夢野久作ワールド!!(*^^*)
      2023/08/06
  • 夢野久作命日、死因は脳溢血。
    1928年 「新青年」

    ロシア貴族の血を持つ男。
    日本の軍人を捕まえて「死後の恋」を語る。
    独白体形式。

    ロシア革命直後、ウラジオストク。
    親から譲り受けた見事な宝石を隠し持つ、美しい少年兵との関わり。

    分隊は壊滅、絶命する仲間。
    少年兵と偽っていた少女は、生きたまま蹂躙され内臓に宝石を撃ち込まれていた。
    圧倒的、高圧的、夜の森。
    凄惨な死体の内側に輝く宝石。

    アナスタシア内親王殿下!


  • 「乙女の本棚」シリーズ3冊目の読了、しかも...
    念願の図書館デビュー!!電子書籍サービス最高です♪

    なおなおさん、ありがとうございました!(´▽`)

    本作は夢野久作×ホノジロトヲジのコラボ作。

    夢野久作ワールド全開!!とまでは言えませんでしたが、なかなかこれがφ(・ω・*)フムフム...

    毎年8月には先の戦争に関する書籍を意識して手にするようにしていますが、ある意味で本作も戦争物。

    本書の内容はブク友さんの「かなさん」「チーニャさん」がきっちり纏めてくれていますので、そちらを参考に。
    ※読まれた方は「いいね!」ポチッとお願いしますね♪

    全開ではないものの、やはり夢野久作作品。

    「私の運命を決定《きめ》て下さい」
    「強制的の結婚」

    なんてフレーズにはゾワゾワしました^^;

    そして、この世界観をホノジロトヲジさんのイラストが見事に表現してくれています。

    さて、なおなおさんとバトルしながら次は何を借りよっかなぁ~(笑)

    <要訳>
    ロシア革命で家族を失った貴族のコルニコフは、白軍の軍人となり、王家の血を引く少年兵リヤトニコフと親しくなる。しかし、敵に襲撃された際に、リヤトニコフが実は女性であることと、彼女が持っていた宝石の秘密を知る。



    人気シリーズ「乙女の本棚」第14弾は夢野久作×イラストレーター・ホノジロトヲジのコラボレーション!
    小説としても画集としても楽しめる、魅惑の1冊。全イラスト描き下ろし。

    「私の運命を決定《きめ》て下さい」
    浦塩の町で、一人の男が話しかけてきた。彼が語るのは、兵隊時代の話と、それにまつわる「死後の恋」についてであった。
    夢野久作の『死後の恋』が、有名ゲームのキャラクターデザインなどで知られ、本シリーズでは夢野久作『瓶詰地獄』、泉鏡花『外科室』を担当する大人気イラストレーター・ホノジロトヲジによって描かれる。 名作文学と現代の美麗なイラストが融合した、珠玉のコラボレーション・シリーズ。
    自分の本棚に飾っておきたい。大切なあの人にプレゼントしたい。そんな気持ちになる「乙女の本棚」シリーズの1冊。

    内容(「BOOK」データベースより)

    浦塩の町で、一人の男が話しかけてきた。彼が語るのは、兵隊時代の話と、それにまつわる「死後の恋」についてであった。夢野久作の『死後の恋』が、有名ゲームのキャラクターデザインなどで知られる、大人気イラストレーターホノジロトヲジによって、鮮やかに現代リミックス。人気シリーズ「乙女の本棚」の第14弾が登場。小説としても画集としても楽しめる魅惑の1冊。

    著者について

    夢野久作
    明治22年(1889年)福岡県生まれ。慶應義塾大学中退。様々な職業を転々としたあと、37歳のときに「あやかしの鼓」を発表。主な著書に、『ドグラ・マグラ』、『少女地獄』などがある。「乙女の本棚」シリーズでは本作のほかに、『瓶詰地獄』(夢野久作+ホノジロトヲジ)がある。

    ホノジロトヲジ
    2015年よりフリーのイラストレーターとして活動中。キャラクターデザイン、イラストなどを手がけている。著書に『瓶詰地獄』(夢野久作+ホノジロトヲジ)、『外科室』(泉鏡花+ホノジロトヲジ)、『シキノメモリエ』『しろしろじろ』がある。

    著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

    夢野/久作
    明治22年(1889年)福岡県生まれ。慶應義塾大学中退。様々な職業を転々としたあと、37歳のときに「あやかしの鼓」を発表

    ホノジロ/トヲジ
    2015年よりフリーのイラストレーターとして活動中。キャラクターデザイン、イラストなどを手がけている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

    • なおなおさん
      ヒボさん、図書館の手続きは大変でしたね。
      ここの市の図書館は、区に一つだけじゃないですか。だから住む場所によっては図書館に行くのに距離がある...
      ヒボさん、図書館の手続きは大変でしたね。
      ここの市の図書館は、区に一つだけじゃないですか。だから住む場所によっては図書館に行くのに距離がある。
      全国で蔵書率ランキング上位なのに、市民一人あたりの冊数はワースト上位なんですって(T_T)
      ヒボさんと同じ市ならば…の話です^^;
      電子書籍での“乙女の本棚シリーズ”の読み方なのですが、縦読みがいい感じ!と今日気付きました。もちろん画面を拡大しながらでないと読みにくいのですが、手元の操作が楽でした。あとは紙芝居みたいな感覚となり、楽しいなと思いました。正しい読み方かは分かりません^^;
      2023/08/08
    • ヒボさん
      なおなおさん、深夜に失礼します^^;

      汗だくになりましたが、行って良かったです♪
      改めてありがとうございました。

      読み方のアドバイスもあ...
      なおなおさん、深夜に失礼します^^;

      汗だくになりましたが、行って良かったです♪
      改めてありがとうございました。

      読み方のアドバイスもありがとうございます♪

      実は無意識で縦読み&拡大して読んでいました!

      電子書籍自体が不慣れなのですが、乙女の本棚シリーズはこうして読むのが私も正解だと思います(*^^*)
      2023/08/09
    • なおなおさん
      ヒボさん、こんばんは。
      乙女の本棚シリーズは、画面縦読みで正解とのこと(笑)同じ考えの方がいて嬉しいです。
      (っ´ω`)っ⊂(´ω`⊂ )ア...
      ヒボさん、こんばんは。
      乙女の本棚シリーズは、画面縦読みで正解とのこと(笑)同じ考えの方がいて嬉しいです。
      (っ´ω`)っ⊂(´ω`⊂ )アクシュッ
      2023/08/09
  •  乙女の本棚シリーズから、夢野久作さんとホノジロトヲジさんのコラボ作品「死後の恋」です。この二人のコラボ作品は「瓶詰地獄」がすごくよかったんで、期待も高く手にしました!

     浦塩の町で一人の男性に話しかけられたところからはじまる…。その男性は、乞食のような身なりをしているが、貴族出身で元ロシア兵士のワーシカ・コルニコフ…コルニコフは、私の「死後の恋」について話を聞いたうえで、「私の運命を決定てください」と、自らの兵役時代について語りだす…。兵役時代に知り合ったリヤトニコフは、無二の親友とも呼べる存在、彼も貴族の出身だろうと会話を重ねる中で感じてた…。戦場に出向く前の晩、リヤトニコフはコルニコフに、家に伝わる宝石を見せ、家族は滅ぼされてしまったと告白する…。翌日戦火をくぐり抜けたコルニコフは、無残にも惨殺されたリヤトニコフの姿を目の当たりにし驚愕した…。彼ではなく、彼女??しかも、腹部には彼女が見せてくれた宝石が血にまみれてきらきらと輝き…。リヤトニコフはその宝石を取り出し、「死後の恋」に落ち、夜をも眠れないほどの生活を強いられている…と。ここまで話を聞かされた男性は、それを信じることはできず、コルニコフの前から姿を消す…。

     結局ネタばれしてしまった…でも、結局この話を聞いてたのは誰??日本人じゃないの??ちょっと謎を残しつつ、またコルニコフはその後どうなったのかも、知りたくなっちゃったなぁ…全財産もらえるのなら、信じるって言っちゃいそうだな、私なら(^-^;)

    • チーニャ、ピーナッツが好きさん
      かなさ〜ん、こちらでもこんばんは〜♪
      こちらも独特の世界観でしたね〜

      この作品も「瓶詰地獄」の様にいろいろ??マークが頭に浮かぶ作品でした...
      かなさ〜ん、こちらでもこんばんは〜♪
      こちらも独特の世界観でしたね〜

      この作品も「瓶詰地獄」の様にいろいろ??マークが頭に浮かぶ作品でしたねぇ…。
      コルニコフのその後ねぇ、私も気になってます…!!

      かなさんといろいろ話したいけど、できないのが辛いです…。
      これから読む人のことも考えねばと!(笑)
      ありがとうございましたー(*^^*)
      2023/08/05
    • かなさん
      チーニャさん、こちらにもありがとうざいます。
      ですね!この作品も、異質というか…なんか
      やっぱ怖いキモチになりますよねぇ(~_~;)
      ...
      チーニャさん、こちらにもありがとうざいます。
      ですね!この作品も、異質というか…なんか
      やっぱ怖いキモチになりますよねぇ(~_~;)

      で、結局…うん??どうなんだろ?って
      まぁ…勝手に予想してみて
      自分なりに勝手に解釈する(^-^;)
      でも、それでいいですよねぇ~
      ホントはね、乙女の本棚シリーズ全巻並べて
      チーニャさんとリアルに一緒に読んで
      お茶でもしながら
      あれこれ、話したりしてみたいですねぇ( ^^) _旦~~
      2023/08/06
  • チーニャ、ピーナッツが好きさんの本棚で見つけ図書館予約
    知らなかった本に出合えるのは本当にうれしい。

    夢野久作は古い作家で(おどろおどろしいし)と敬遠していたが、「乙女の本棚シリーズ」というのがあったのですね。
    イラストが「すごい」のひとこと

    すっかり魅入られて読みました

    やはりおどろおどろしい描写でしたが、イラストがカバーしてくれていました。
    なんとも幻想的

    「乙女」の成れの果てですが、またこのシリーズ読みたいです。

    ≪ ロマノフの 血に染む宝石 死後の恋 ≫

    • チーニャ、ピーナッツが好きさん
      はまだかよこさん、こんばんは♪

      私も「元」乙女で
      1冊目は…やはり気おくれしましたが…(笑)いつの間にか…
      ハマってしまいました〜(^^♪...
      はまだかよこさん、こんばんは♪

      私も「元」乙女で
      1冊目は…やはり気おくれしましたが…(笑)いつの間にか…
      ハマってしまいました〜(^^♪

      どうぞいっしょに… ♡♡
      よろしくお願いしま〜す!!
      お返事ありがとうございました。


      2023/08/25
    • はまだかよこさん
      チーニャ、ピーナッツが好きさんへ

      うふふ
      はまりそうです、わたしも(笑)
      「高瀬舟」予約がまだ取れなくって
      原作好きなんです
      ...
      チーニャ、ピーナッツが好きさんへ

      うふふ
      はまりそうです、わたしも(笑)
      「高瀬舟」予約がまだ取れなくって
      原作好きなんです
      またよろしくお願いいたします

      2023/08/26
    • チーニャ、ピーナッツが好きさん
      おはようございます〜♪
      高瀬舟、私も好きです。
      レビュー楽しみにしています(*^^*)
      おはようございます〜♪
      高瀬舟、私も好きです。
      レビュー楽しみにしています(*^^*)
      2023/08/26
  • 物語は、なんともダークな作品でした……
    ホノジロトヲジさんの、繊細・淡いイラストが、おどろおどろしさを、かなり中和してくれている。多分、乙女の本棚シリーズだからこそ、読み切れた作品です笑

    ある男の軍隊にいた頃の出来事・それにまつわる恋の話を聞く、というストーリー。戦争モノ(?)なので、死体とか出てくるのですが……情景描写が生々しくて、字を追っているだけなのに、自分の感覚が反応するといいますか……喉が詰まる感覚。

    ダークなのに、どこか惹き付けられる作品でした。

  • 乞食のような身なりをした貴族出身の元ロシア兵士の男に見初められ、死後の恋の話を聞かされることとなった、とある日本の軍人。話を信じてさえくれれば莫大な財産を授けるという。
    男の名はワーシカ・コルニコフと言った。
    そうして銀座のレストランで訥々と語られるのは、ワーシカが同じ分隊で知り合ったリヤトニコフとの、大正7年8月28日の午後9時から翌日の午前5時までに二人の間に起こった悲劇の話だった。

    ワーシカによる不思議な語り口に、するするとその世界観に惹き込まれた。死後の恋、なんて素敵。
    いや多分素敵と簡単に表現するのはすこしちがう。
    恐怖驚き無念さ残忍さ美しさそれらがすべてがぐちゃぐちゃになって意味分かんなくなって発狂しかけるような、そんな極限状態の恍惚を感じた。
    臓腑と血にまみれた宝石は、焔に照らされた森の中でどれほどキラキラと光り輝いていたんだろう。
    誰でもいいから誰かにこの崇高と、深刻と、奇怪とを極めた「死後の恋」を肯定してもらいたい、運命を決定してもらいたい、そうしたらもう死ぬから、と、その想いが苦しい。大丈夫私が絶対に肯定してあげる。

    はぁぁ……夢野久作、噂にはきいていたけれどやはり凄かった。読もう読もうと思っては全然読んでこなかった自分が恨めしい。
    これからいっぱい読もう……ハラショ……。

  • 物語と絵がマッチしていて、雰囲気たっぷり。

  • 寂しくなった。宝石じゃなくて、友人に執着して会いに行ったなら、良かったのにな。

  • 美しい絵に中和されたところは多少あるが、苦手な戦争モノだった。。。作品のテーマは戦争ではないのだが、戦時中の物語で、苦手な戦争のグロさが途中でいきなり出てきて、最後まで読めたもののしんどかった。。。
    苦手なジャンルでも最後まで読ませるくらい物語としては興味深いのですが唯々苦手、という一言に尽きる。とりあえずクリスマスの夜に読むものではなかったー(涙

    2023.12.25
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著者プロフィール

1889年福岡県に生まれ。1926年、雑誌『新青年』の懸賞小説に入選。九州を根拠に作品を発表する。「押絵の奇跡」が江戸川乱歩に激賞される。代表作「ドグラ・マグラ」「溢死体」「少女地獄」

「2018年 『あの極限の文学作品を美麗漫画で読む。―谷崎潤一郎『刺青』、夢野久作『溢死体』、太宰治『人間失格』』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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