いま、映画をつくるということ 日本映画の担い手たちとの21の対話

  • フィルムアート社
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784845921461

作品紹介・あらすじ

脚本、演出、撮影、編集、製作……
時代を揺るがす作品はいかにして生まれるのか?
──第一線の映画人たちから学ぶ。

何かを作る上でわからないことがあるというのは強い動機になる。わかってることを訴えたいっていうより、わからないからこそもっと知りたいっていう姿勢の方が、面白い。
──是枝裕和



多彩な映像制作者たちをゲストに、実作にまつわる様々な事柄、あるいはそのために必要とされる思考が、教員・学生との対話の中で語られる早稲田大学の人気講義「マスターズ・オブ・シネマ」。本書は2018〜2022年度の講義回から構成した一冊となります。制作の準備について、現場での実際について、スタッフと俳優との関係について、フィクションとドキュメンタリーについて、テレビと映画の横断について等々、映画制作におけるさまざまなテーマを通じて、映画がいま、いかに生み出されつづけているかを解き明かします。

より良い作品をつくりあげるために、実作者たちは何を考え、何を実行し、何を選択するのか。
その声に耳を傾けることで、映像をめぐる創作活動の本質についての思考を垣間見ることができます。

映像制作を志す学生に限らず、現役クリエイター、あるいはそれぞれの映画作品のファンにまで、21の対話を通して「いま、映画をつくる」ということの意義と可能性を探るために、必読の一冊です

[対話ゲスト]
青山真治/芦澤明子/大九明子/大友啓史/大林宣彦/奥寺佐渡子/菊地健雄/岸善幸/空族(富田克也+相澤虎之助)/黒沢清/周防正行/諏訪敦彦/関弘美/想田和弘/冨永昌敬/中島貞夫/西谷弘/深田晃司/丸山昇一/三宅唱

感想・レビュー・書評

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  • 時代を揺るがす作品はいかにして生まれるのか?映画がいま、いかに生み出されつづけているかを解き明かす一冊『いま、映画をつくるということ 日本映画の担い手たちとの21の対話』3月25日発売 - TOWER RECORDS ONLINE
    https://tower.jp/article/feature_item/2023/03/14/3003

    いま、映画をつくるということ 日本映画の担い手たちとの21の対話 | 動く出版社 フィルムアート社
    http://filmart.co.jp/books/movie/filmmaker/moc2/

  •  早稲田大学での講義「マスターズ・オブ・シネマ」の、2018〜2022年度の講義回から構成した一冊、とのこと。
     中身は全て講師(安藤紘平、土田環ら)と、ゲストとして招いた映画製作者との対話となっていて、二段組の分厚い書ながら読みやすい。

     映画作りを学ぼうとする学生向けなので、アカデミックなことは当然、マニアックで奥深いものになっている。適宜斜め読みするくらいの感じで読むのが良いかも。

     従い、興味のある、あるいは観たことのある作品について語られている箇所と、名前を知る映画人(となると監督が多くなるが)のゲスト回を読むことになるが、面白かった。

     本書の面白さをひと言で言っているのが、大御所大林宣彦による、この言葉だろう。
    「いいよね、映画で一番楽しいのは、映画を語ること。」

     そうなのだ。映画は見っぱなしにしておいても良いのだが、語ることで面白みはいっそう増すことになる。体感を込めて、大いに首肯できるところだ。

     この間(2018~2022年)、年間50~80本の映画作品を鑑賞してきたが、講義で個々の作品について語られることは少なかった(少し話題にするかと期待したのだが)。 そもそも、邦画はあまり見ていないので、日本の映画人を招いての講義では、作品そのものに触れることも少ないか。

     むしろ、この間に鬼籍に入られた映画人(上記、大林宣彦や青山真治)の生前の言葉が心に残った。青山真治は2011年の自身の作品『東京公園』で主演した三浦春馬のことも語っていた。彼もこの間に亡くなっている。

  • これはめちゃくちゃ面白かった。

    本著は早稲田大学で開講された『マスターズ・オブ・シネマ』という授業をまとめたもの。
    とにかく登壇する話者が豪華で、映画ファンにはたまらない。

    脚本家から丸山昇一、奥寺佐渡子。
    映画監督からは三宅唱、菊池健雄、青山真治、冨永昌敬、深田晃司、大九明子、周防正行、想田和弘、富田克也、相澤虎之助、是枝裕和、大友啓史、西谷弘、岸善幸、諏訪敦彦、黒沢清、中島貞夫、大林宣彦。
    他にプロデューサーから関弘美、撮影監督から芹澤明子。

    映画業界の第一線で戦っている映画人たちがこれだけ登壇するということに驚く、そしてこの授業を受けたかった。
    当然、話も面白い。
    それぞれのキャリアや現場の裏話、映画哲学などさまざまな話を語ってくれるが、どの人の話も面白い。

    なるべくなら映画を観てから読んだほうがいいのだが、観てなくてもこれは観たいぞ、と興味が惹かれた。
    話者の並びもとても良かった。特に最後の章を飾るのが、2023年に亡くなった中島貞夫監督と、2020年に亡くなった大林宣彦監督という大巨匠。この二人の話は本書の中でも滅法面白かったし、映画への愛に溢れていて読みながらも目頭が熱くなってしまった。

  • 映画を作る上での覚悟や思いを知ることが出来る。
    大きな覚悟のもとに映画が作られていることを感じる。

  • 早稲田大学で行われた講義を書籍化した一冊。錚々たる映画監督が名を連ねており、興味深い話ばかり。個人的には撮影監督の芦澤明子さんの章で撮影と照明の関係性に言及されている部分が「なぜアカデミー賞には照明賞が無いのだろう?てか洋画にはそもそも照明ってクレジットが無くないか?」という長年の疑問が氷解して目から鱗だった。学生向け講義という性質のおかげか、日本の映画評論ではしばしば軽視されがちなテレビドラマ畑の監督たちに話を聞いているのも素晴らしい。

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著者プロフィール

著者)是枝裕和 Hirokazu KORE-EDA
映画監督。1962 年東京生まれ。87 年早稲田大学第一文学部卒業後、テレビマンユニオン に参加し、主にドキュメンタリー番組を演出。14 年に独立し、制作者集団「分福」を立ち 上げる。主な監督作品に、『誰も知らない』(04/カンヌ国際映画祭最優秀男優賞)、『そ して父になる』(13/カンヌ国際映画祭審査員賞)、『万引き家族』(18/カンヌ国際映画 祭パルムドール、第 91 回アカデミー賞外国語映画賞ノミネート)、『真実』(19/ヴェネ チア国際映画祭オープニング作品)。次回作では、主演にソン・ガンホ、カン・ドンウォ ン、ぺ・ドゥナを迎えて韓国映画『ブローカー(仮)』を 21 年撮影予定。

「2020年 『真実 La Vérité シナリオ対訳 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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