世界が見た福島原発災害 2

著者 :
  • 緑風出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (396ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784846111175

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  • この本を読んでいると政府・東電・マスコミは情報隠しをしていないというが、私たちは瞞されている。と言うことが本当に良くわかります。そして政治的無策の中で放射能に曝されている現実を直視せざるをえません。

    この本は先日挙げた『世界が見た福島原発災害─海外メディアが報じる真実 』の続編となります。やはり、日本よりも海外のメディアの見方が比べ物にならないほど厳しいことと、『大本営発表』といわざるをえないような『情報操作』の巧妙さに改めて驚きを隠せませんでした。今、テレビを見ていても『収束に向かっている』や『あたかも何事もなかったのごとく』の日常が戻ったかのように見えますが、『チェルノブイリをはるかに越える』や、youtubeに流れている『クヨクヨしている人に放射能はやってくる』という学者の言葉が海外では驚愕のものとして受け止められている。などの事実があるということをここで目にするにつけ、未来は明るいものではないな…。ということを思わずに入られませんでした。

    ドイツでは原発推進派だったメルケル首相が3・11を機に一気にシュレーダー元首相が唱えていた反原発に舵を切ったことについて、メルケル首相が『倫理』の側から原発運用の是非を問う委員会を立ち上げ、かつて因縁のあった人間すらもそのメンバーに加えて議論を重ね、脱原発を決めた、というところに衝撃を受けました。

    戦時中とは違って、主にインターネットを通じて海外の情報が容易に入手できるようになったからこそ、こうして海外の情報を翻訳してまとめてくれる筆者のような存在はありがたいなと思うとともに、この問題が国際社会ではどういった受け止められ方をしているかということが良くわかって、読んでいてためにはなりましたが、複雑なものを思いました。

  • 様々な報道の中、海外メディアや各研究機関等の情報に基づいて日本国内では知り得ない内容について問題提起した独自の切り口に感銘。

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著者プロフィール

1949年、仙台市生まれ。
東北大法学部卒。北海道新聞に入社し、社会部記者、カイロ特派員、社会部デスク、論説委員を務めたあと、1995年に中途退社し、フリーのジャ―ナリストに。2009年3月まで、東京医療保健大学特任教授。
著書は、『世界が見た福島原発災害』1巻~6巻(以上、緑風出版)のほか、『教育に強制はいらない』(一光社)『緑の日の丸』『NONOと頑爺のレモン革命』(以上、本の森)『戦争の闇 情報の幻』(本の泉社)など。
訳書は、『諜報ビジネス最前線』(エイモン・ジャヴァーズ著、緑風出版)『自由な学びとは―サドベリーの教育哲学』(ダニエル・グリーンバーグ著、同)『自由な学びが見えてきた―サドベリーの教育哲学』(同、同)『逆転の教育―理想の学びをデザインする』(ラッセル・L・エイコフ/ダニエル・グリーンバーグ著 共訳、同)『イラク占領』(パトリック・コバーン著、同)『イスラム国の反乱─ISISと新スンニ革命』(同、同)『戦争の家 ペンタゴン』(ジェームズ・キャロル著、上下2巻、同)『地域通貨ルネサンス』(トーマス・グレコ著、本の泉社)など。

「2019年 『世界が見た福島原発災害7 ニッポン原子力帝国』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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