防衛駐在官という任務 ~38度線の軍事インテリジェンス~ (ワニブックスPLUS新書)
- ワニブックス (2012年6月8日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
- / ISBN・EAN: 9784847060533
作品紹介・あらすじ
かつては駐在武官と呼ばれ、在外公館に駐在し軍事関連の情報収集を行った軍人たち。外交官としての身分も持っていた彼らの活動は、日露戦争の勝利にも太平洋戦争の敗戦にも大きな影響を与える重要なものだった。じつは自衛隊は現在でも防衛駐在官とその名をかえ、軍事的なインテリジェンス業務にあたる自衛官を在外公館に派遣している。かつて、韓国に防衛駐在官として派遣された経験を持つ著者が、平和ボケした我々には思いもよらない防衛駐在官の任務の実態や求められる結果、さらには朝鮮半島の緊張の歴史と近未来までを明らかにする。
感想・レビュー・書評
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なかなかお目にかかることができない、防衛駐在武官の業務・心構え・留意事項など、豊富なエピソードを織り交ぜて、語られております。
著者の国家に対する愛着や強い使命感が充分伝わってきました。
そして、インテリジェンスの重要性も。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
図書館で借りる。
P.174「米韓安保体制が日米安保体制と異なる特徴は、韓国軍に対する作戦統制権を米国軍人(米陸軍大将)の独占ポストである在韓国連軍司令官(兼米韓連合軍司令官・在韓米軍司令官)に移譲していることだ。
これって今もそうなのかな?
制服組での気の置けない交流、特に血の匂いのする某国からの駐在武官、お金はなくとも高潔なロシアの駐在武官とのエピソードなどが興味深かった。
おそらく筆者はとても人の心をつかむのがうまい人だったのだと思う。
本書を読んで、駐在武官の妻が書いた「バルト海のほとりにて」も読んでみたいと思った。 -
中国では三度の失脚を乗り越えたと小平 不倒翁
北朝鮮 張成沢 二度失脚し強制労働の現場に送られたが、2006年に復権
日本が暴動を起こさずに、整斉と占領生活を受け入れた大きな要因は、米軍が十分な情報と食糧を与えたから -
いろいろ示唆に富む本でした
太平洋戦争後の日本の歪みがかいま見えます。 -
防衛駐在官がどんな仕事してるかってのはあんま知らないんで、こうゆう経験者が書いた本ってのはありがたい。
冷戦終了後の韓国で防駐官を務めた元陸将なんだけど、準備段階としてどんなことしたかとか、行ってからはどんな仕事があって不具合はどうだったかとか、現在の朝鮮半島情勢を分析してくれたり。そして自分が以外と知らなかった韓国のこと、政治でも軍事でも、沢山知ることができた。
語学の面だけでなく、情勢分析といった面でも優秀な人だったんじゃないすかね。防駐官やれるならやってみたいですわ。 -
元駐在武官(防衛駐在官)の福山さんの一冊。改めて朝鮮半島の重要性を認識するとともに,日本の情報活動の強化の必要性を感じた。
日本の独立までの道のりは長い。。 -
著者は駐韓日本大使館に派遣された、駐在武官であった。その仕事は多岐にわたり儀礼的なものから、諜報・情報収集にまで幅が広い。特に情報収集については、同盟国であっても秘匿しなければならない事も多くある。
以前の事とは言え、韓国陸軍は独立回復前は帝国陸軍出身者が多く、その名残が各所に残っているということは、初めて知った。
世界の超大国、中米露日に囲まれている朝鮮半島は安全保障にとどまらず、戦略的に利害が交差する重要な所という事を再認識させてくれる。