喰らう読書術 ~一番おもしろい本の読み方~ (ワニブックスPLUS新書)

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  • ワニブックス
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  • Amazon.co.jp ・本 (333ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784847065507

作品紹介・あらすじ

「人間が発明した物の中でもっともよい頭(精神)の栄養、(他人の経験が詰まった)いわば頭の缶詰みたいなものが『本』です」。-「第一章」より。本書では、「知の巨人」「博覧強記の怪人」など、数々の異名を持つ著者が、何千、何万冊と本を読む中で得た、もっとも美味しく(おもしろく)、頭の缶詰(本)を食べ(読み)、無駄なく頭の栄養にするための「アラマタ流読書術」を初めて紹介します。

感想・レビュー・書評

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  • ☆3.5 なにしろほぼ余談
     古本で。
     本探しは自己本位であれといふのはそのとほりで、本とのつきあひかたについてはおほむね賛成。本を読みすぎると頭がをかしくなるのもそのとほり。

     この本はなにしろほぼ余談で水増ししてあり、その水増しのほうがおもしろいといふシロモノだが、さすがに脱線しすぎ。

     また、2014年刊行で、電子書籍について懐疑的に書かれてをり、エーコまで引用してゐる。
     しかし、電子書籍の利点は紙を上回った部分も多いし、それぞれ一長一短なのは言ふまでもないので、荒俣のえこひいきだらう。

  • 「「人間が発明した物の中でもっともよい頭(精神)の栄養、(他人の経験が詰まった)いわば頭の缶詰みたいなものが『本』です」。―「第一章」より。本書では、「知の巨人」「博覧強記の怪人」など、数々の異名を持つ著者が、何千、何万冊と本を読む中で得た、もっとも美味しく(おもしろく)、頭の缶詰(本)を食べ(読み)、無駄なく頭の栄養にするための「アラマタ流読書術」を初めて紹介します。

    目次
    第1章 「読書」と「本」を知る7つの「急所」(読書は「精神の食事」―でも、食わなくても死なない!;頭が要求する「栄養」は、かならずしも読書ではない ほか)
    第2章 本を好きになるとはどういうことか?(「もうすぐ絶滅する」という紙の本、でも、たぶん絶滅しない;シンボルは強し通天閣もりっぱに生きている ほか)
    第3章 世界と人生を解読する「読む考古学」のすすめ(教養主義と娯楽主義;論じるなら、まず起源にさかのぼれ ほか)
    第4章 だれでも実践できる尻取りゲーム型読書法実例集(読書は自然に類を呼び、つながっていく;稲垣足穂の「お尻の美学」を学ぶ ほか)

    著者等紹介
    荒俣宏[アラマタヒロシ]
    1947年、東京都生まれ。作家、博物学者。慶應義塾大学卒業後、10年間のサラリーマン生活ののち独立。『理科系の文学誌』を刊行。異色の文学史、SF史として話題となる。百科事典の編集助手をしながら書いた小説『帝都物語』シリーズが、ベストセラーになり日本SF大賞受賞。『世界大博物図鑑』で、サントリー学芸賞。長年のファンであった水木しげる宅を訪問し、弟子になる。神秘学、博物学、風水など多分野にわたり精力的に執筆活動を続ける

  • 著者、荒俣宏さん、どのような方かというと、ウィキペディアには、次のように書かれています。

    ---引用開始

    荒俣 宏(あらまた ひろし、1947年7月12日 -)は、日本の博物学研究家、図像学研究家、小説家、収集家、神秘学研究家、妖怪評論家、翻訳家、タレント。元玉川大学客員教授、武蔵野美術大学造形学部客員教授、サイバー大学客員教授、京都国際マンガミュージアム館長、日本SF作家クラブ会員、世界妖怪協会会員。

    ---引用終了


    で、本作の内容は、次のとおり。

    ---引用開始

    「人間が発明した物の中でもっともよい頭(精神)の栄養、(他人の経験が詰まった)いわば頭の缶詰みたいなものが『本』です」。-「第一章」より。本書では、「知の巨人」「博覧強記の怪人」など、数々の異名を持つ著者が、何千、何万冊と本を読む中で得た、もっとも美味しく(おもしろく)、頭の缶詰(本)を食べ(読み)、無駄なく頭の栄養にするための「アラマタ流読書術」を初めて紹介します。

    ---引用終了


    知の巨人の異名をもつ方は数人いると思いますが、その中の一人、荒俣宏さん。
    やはり、知の巨人の読書術というのは、一味違うものです。

  • どんな本にもいいところがある、それを探してあげる、という読み方がとても素敵。

  • ごはんをたべるように、呼吸をするように、活字を読む人の読書術。
    インプットも閾値を超えると、受け手の引き出しを破壊し、新たなワールドをつくりあげていくというか。

  • 面白かったです。私が真似できるとは思えないけど、これからも本を読むぞ!と思いました。

  • 一時期、流行った「知の巨人」の一人である著者の本の読み方に興味を持って読んでみた。
    読書という行為は「食べること」と同じで、いかに無駄なく栄養にできるかがポイントと言う。本は、丸ごと読み、自腹で買い、快感を感じ、そして下らない本にも思いがけない価値がある。だから常に脳に栄養を与えるつもりで読むことが重要。やり方としてキーワードを手掛かりに芋蔓式に読み込んでいく読書法を推奨する。
    読んでみて、これまで読んだ類書と比較して特に新しい読書法が紹介されているわけでもなく、書かれていることは普通であまり面白いとは思わなかった。著者は博覧強記で知られるが、その理由は本の読み方にあるのではなく、彼の圧倒的な記憶力にある。普通の人が彼の読み方をいくら真似ても、彼のようになれるわけではない。作家が仕事のネタを集めるためにやる読書と趣味で読む読書では、そもそも読書に対する意気込みが違うと思う。芋蔓式読書で食べた芋が栄養になるのが知の巨人。消化されて何も残らないのが普通の人。

  • 本の虫を地で行く博覧強記の荒俣宏氏が、長年培ってきた本の読み方について紹介する本。
    「アラマタ流読書術」とはいったいどんなものなのか?

    読書という行為はすなわち「精神の食事」だと考える彼は、人間が発明した物の中で本が最もよい頭の栄養物だと言います。

    上手な摂取法は4点。
    ①本はなるべく「まるごと」食べる
    ②本は自腹で買う
    ③本は「目から鱗が落ちる」快感があるのがいい
    ④本はクズや毒でも、思いがけない価値がある

    そのセオリーのもと、彼は〝知の大食漢〟となり続けているというわけです。

    読書のすばらしさを語りつつも、「本を読んでいたから、妄想の大家になれた。いじめられている自分を相対化できた」という氏の言葉には、むしろ本を救いにしていた感があります。
    セルバンテスの『ドン・キホーテ』やゲーテの『ファウスト』など、本の虫が現実不適合で悲劇(喜劇)を招く例を挙げられると、本の読みすぎの功罪に多少不安感も生じますが。

    「読書のただ一つのメリットといえば、人生に退屈せずに済んだこと。」
    この一文はかなり響きます。たとえたったひとつしかメリットがないにせよ、とても大きな魅力であることにまちがいありません。

    氏のように思いきった読書をすることは、それだけ日々を楽しく過ごせるだろうと納得できる内容になっています。

  • 本好きのための本にまつわる話。

    読書はすればするほど面白くなる。
    世界観が広く深く構築されていくからだ。

    ベストセラーを書けたら、本を買うお金に困らなくなる。
    でもやっぱり買うお金に困る時から買ってる人間だからベストセラーも書けるし、お金に困らなくなってからも買い続けるような人がベストセラーを書くのだろうと、知人のベストセラー作家の方の話を聞いても思う。

    読書をして歴史を学んでいけば、時間感覚が養われる。

  •  本なら結構読んでるよという輩に、キミキミちょっと、こんな読み方もありまっせ、読書は面白かったらええねんと、次々と視点を変えた読み方を披露しながら、最後に、面白けりゃええねんけど、でもやっぱ基礎はあった方がええで。
     「読書術」のタイトル由来はそこにあると見た。
     タブレットPCで読むのが今ひとつ楽しくないわけがこの本で漸く分かった。「活字」じゃないからだ。気が付かなかった。
     書籍は活字でできている。今は電子化されてはいるが、それでも様々な字体があり、著者や編集者はどういう活字をどう配置するか、表紙からオビからそんなことにまで心血を注ぎ、総体としての「作品」である書籍をつくりあげている。電子ブックは代わり映えのしない「フォント」だし、本文以外の部分をしげしげと眺めることもなく手触りもない。愛着が持てないわけだ。

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著者プロフィール

作家・翻訳家・博物学者。京都国際マンガミュージアム館長。
平井呈一に師事、平井から紹介された紀田順一郎とともに、怪奇幻想文学の日本での翻訳紹介に尽力。のち活動の幅を広げ、博物学をはじめとして多ジャンルにわたって活躍。
主な著書に『妖怪少年の日々』、『帝都物語』シリーズ(ともにKADOKAWA)、『世界大博物図鑑』(平凡社)、『サイエンス異人伝』(講談社)、『江戸の幽明』(朝日新書)など。『怪奇文学大山脈』Ⅰ~Ⅲ(東京創元社)を編纂。

「2021年 『平井呈一 生涯とその作品』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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