ゆきうさぎのちえ (北に生きるかしこい動物たち)

著者 :
  • リブリオ出版
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本棚登録 : 51
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (30ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784860571207

作品紹介・あらすじ

北海道の深い山。熊ざさの中で生まれたゆきうさぎは、きつね等の危険からのがれ、大きくなります。そして、きつねより速く走れるようになり、自分の体に力がみなぎるのを感じつつ、仲間のいる場所に現れます。冬の月がやさしくみんなを照らしています。

感想・レビュー・書評

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  • 2ケ月になるgrand daughter、しーちゃんに教えてあげたいなぁ~。夜泣きをしていたらゆきうさぎさんに笑われちゃうよ。
    驚くべきは子供が飲んだお乳は子兎のお腹の中で固まり少しづつとけるようにできている。何て効率的! 10日もたつと草を食べられるようになり母親から離れていくという。狐やふくろうに襲われる危険な草原に一匹跳びだすのだからたくましい。高等な生物ほど長い時間を要して一人前になるというが、いったいどう考えれば良いのだろう。寿命の長さも関係するのだろうけど、果たして人は霊長目の最高峰に座するのだろうか?
    北国に自生するクマザサやオオウバユリの植物も力強く描かれていて、北海道の大地を彷彿とさせる。
    九州生まれの私にとってやはり北海道は憧れの地。

  • 幼い子どものいる友人から、手島圭三郎さんの絵本良いよ、読んでみたら、とすすめられた。
    でさっそく書店に行ったら、動物についての絵本ばかり書いてる人だと判明。うさぎを飼ってるからこのユキウサギの絵本で即決。

    親うさぎと別れ、フクロウやキツネから狙われながらも、どうにか独り立ちしていこうとする仔うさぎが、月の照る夜、なかまたちが集まる場所に合流するまでを描いた絵本。読み聞かせしたらきっと声が震えて読めないだろう。

    テキストはシンプルですべてひらがな。一語一語が胸にしみこんでくる。とはいえ、文字は控えめに、圧巻の版画の背景に溶け込んでいる。太くて力強い輪郭線で彫られたユキウサギやフクロウや植物や木々の存在感がすごい。全ページから生命力が湯気のようにたちのぼってくる。彫刻刀で彫られた一本一本の線を目でたどることができる。

  • 力強く静かな版画家、手島圭三郎の作品。
    生まれて独り立ちするまでのゆきうさぎを描いている。
    キツネに狙われたり、フクロウが飛び交ったり、繰り返す危機の中でたった一匹になる。
    月夜に、キツネに追われる場面の迫力が素晴らしい。
    初めて迎えた冬に、大人のユキウサギは真っ白の毛におおわれる。
    その時はもう、キツネの足よりも早く走れる力強さを持っている。
    ラストは、月の輝く雪原で大人になったユキウサギたちがいきいきと遊び回っている場面で終わる。
    緑のクマザサで始まり、雪深い月夜で終わる、厳しくも美しい話。

    • しずくさん
      手島圭三郎さんの版画絵本は「きたきつねのゆめ」が初見で、遠ざかっていた絵本の扉を再び開けたくなりました。「ゆきうさぎのちえ」も近々手にしたい...
      手島圭三郎さんの版画絵本は「きたきつねのゆめ」が初見で、遠ざかっていた絵本の扉を再び開けたくなりました。「ゆきうさぎのちえ」も近々手にしたいと思います。ありがとうございました。
      2020/01/22
    • nejidonさん
      しずくさん、こんにちは(^^♪
      いつも「いいね」を下さってありがとうございます。
      しかもこんな古いレビューをみつけてくださり、感謝でいっ...
      しずくさん、こんにちは(^^♪
      いつも「いいね」を下さってありがとうございます。
      しかもこんな古いレビューをみつけてくださり、感謝でいっぱいです。
      手島圭三郎さんは素敵な絵本をたくさん出してますね。私も好きな作家さんです。
      「きたきつねのゆめ」の前に「きたきつねのしあわせ」があり、「きたきつねのゆめ」の
      後には「はまなすのおかときたきつね」があります(タイトルが間違ってたらごめんなさいね)
      機会がありましたら、ぜひそちらもご覧くださいませ。
      北海道の冬の自然を目の前にすると圧倒的なものがあり、この絵本の魅力を再確認しますね。
      コメント、ありがとうございました。
      2020/01/22
  • 手島圭三郎さんの版画はすごく静謐で、でも迫力があってイキイキとしている。
    最初のページで、子供の頃に読んだ絵本を思い出した。
    (のうさぎにげろ/新日本出版社)
    すごく好きで何度も読んでいた絵本だったけど、すっかり忘れていたのに、すごく鮮やかに記憶が蘇えった。
    こちらの「ゆきうさぎのちえ」も、子供の頃に読んでいたら繰り返し読んでいたのかな。そして大人になってふと思い出したりするのかもしれない。
    読み聞かせで使おうか迷っている本だけれど、そんな風に子供たちの記憶に残ってくれたらいいな。

  • 「北海道の深い山。熊ざさの中で生まれたゆきうさぎは、きつね等の危険からのがれ、大きくなります。そして、きつねより速く走れるようになり、自分の体に力がみなぎるのを感じつつ、仲間のいる場所に現れます。冬の月がやさしくみんなを照らしています。」

  • 極寒に生きる生き物たち
    五分

  • 2013/12/3 3年4組

  • 【11/25】学図。季節の本(=ゆき)。大自然に凛とする

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著者プロフィール

北海道生まれ。『しまふくろうのみずうみ』では絵本にっぽん賞を、『きたきつねのゆめ』はボローニア国際児童図書展グラフイック賞を、『おおはくちょうのそら』はドイツ児童文学賞絵本部門ノミネート賞など、数々の賞を受ける

「2023年 『みずならのいのち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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