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- Amazon.co.jp ・本 (329ページ)
- / ISBN・EAN: 9784861102417
作品紹介・あらすじ
戦後から現在にいたる子ども像の変容と教育システムの変遷を探究。ポストモダン思想によって現実の諸問題を読み解き、ありうべき理想の教育を模索する。
感想・レビュー・書評
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ポストモダンに興味があって読み始めたが、いわゆる1980年代に流行したポストモダンではなく、1990年代以降の社会状況を見据えたポストモダンの教育論であった。
ゆとり教育がポストモダン現象の一つであり、そこから生じた学力低下や生徒指導上の問題を克服すべく、自由と管理を統合した教育制度が構築されたとする点には、基本的に同意できる。ただし、この点はもっと事実に基づく論証の余地があるだろうが…。1980年代の新自由主義が1990年代の保守主義と結び付いて自由管理教育の改革を推進したという点は、なかなかユニークだ。
子ども論としては、1980年代に流行したスキゾ・キッズが1990年代からマルチ・キッズに変容したという見解が面白かった。これも今後、精神医学や心理学なども踏まえて、もっと念入りに検討する必要があるだろう。多重化し乖離するマルチ化した子ども像には興味が引かれるものがあった。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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