秀吉の御所参内・聚楽第行幸図屏風

著者 :
  • 青幻舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (80ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784861522697

作品紹介・あらすじ

野博幸著 豊臣秀吉が贅を尽くした「聚楽第」。
近年、新潟県上越市で発見された歴史的な第一級品で、
後陽成天皇の行幸の様子や秀吉御所参内、
当時の京の町が史実に沿って細密に描かれている「聚楽第」は
竣工後、僅か8年間で取り壊され多くの謎を残す。
秀吉を語る上でも欠かせない貴重資料、本屏風の全貌を初公開!

感想・レビュー・書評

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  • 聚楽第を描いた新たな絵画資料の発見。
    2009年秋、新潟県上越市で初公開された御所参内・聚楽第行幸図屏風。
    本書では、1588年の後陽成天皇の聚楽第行幸のみならず、秀吉の御所参内が並置して描かれたきわめて珍しい屏風を、その発見に関わった著者が文献資料と照らし合わせながら、詳細に紹介する。(2010年刊)
    ・はじめに
    ・第1章 御所参内・聚楽第行幸図屏風とは
    ・第2章 何が描かれているのか
    ・第3章 時代によって聚楽第はどう描かれたか
    ・第4章 屏風に描かれた人物は誰なのか
    ・第5章 誰が描いたか
    ・おわりに

    図版が大きいのが嬉しい。しかも全ページがカラーである。上越市蔵のものだけではなく、他の屏風もあるのが良い。(さすがにサイズは小さく、ページも余りないが)2009年の発見に対し、2010年の刊行ということで、余り分析は進んでいないが、今後研究が進むことを期待したい。

  • 秀吉が造成した聚楽第は10年で破却された上、徳川治世では描かれる事は難しいのもあって幻に近い存在。その聚楽第への天皇行幸を描いた屏風について図説で解説したのが本書。聚楽第について具体的にイメージができるのは嬉しい。ただ描き手など細かい点には謎は残っているのですが。内容は薄口ですが、絵図を読み解く入門にはよいのではないでしょうか。

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著者プロフィール

狩野 博幸(かの・ひろゆき):1947年福岡県生まれ。日本近世美術史家、前京都国立博物館名誉館員。九州大学文学部哲学科美学・美術史専攻卒業。同大学院博士課程中退。京都国立博物館を経て、同志社大学教授。専門は桃山絵画、江戸絵画。特に狩野派・長谷川派・琳派・18世紀京都画派が研究領域。京博時代は、数々の名企画展を手がけた。主な著書に、『目をみはる 伊藤若冲の『動植綵絵』』『狩野永徳の青春時代 洛外名所遊楽図屏風』(小学館アートセレクション)、『反骨の画家 河鍋暁斎』(新潮社 とんぼの本)などのほか、美術全集、美術展図録の解説など多数。

「2022年 『江戸絵画 八つの謎』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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