- Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
- / ISBN・EAN: 9784861763854
感想・レビュー・書評
-
音大志望の高校生のぼくと中学生のわたし。。
些細な、ちょっと恥ずかしいきっかけで二人は知りあう。
二人とも家庭環境にちょっとした難があるせいか、
妙に大人びてるし話し方もなんだか子供らしさがない。
そんな二人の視点で交互に語る恋愛の物語。
かと思ったら、恋愛よりも成長の方に重点が置いてあるかんじでした。
家族の諸問題もたくさん挙がっており、それぞれがどう解決して
いくのかと思ったら最後までほったらかしのままだったり
逆に大きく取り上げられたり、なんだかちょっとちぐはぐな印象が。
あと、偶然が重なりすぎる部分にもちょっと「?」が。
それでも、最後まで一気に読みすすめさせる魅力みたいなものがある。
きっとね、初々しい初恋の頃や親やら社会やらについて無意味に
色々と考え込んでた頃の感情を思い出すと思いますよ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
男子高校生と女子中学生の偶然に偶然が重なるボーイミーツガール。どうしようもない親たち大人に囲まれながら、距離を取りつつ親との関係性を築く。
読んでいてところどころ違和感というか時代を感じさせられたのです。そうしたら元々1992年に刊行されたものが、加筆訂正されて2007年に文庫化されたのだとか。そうかそれでところどころバブルぽいのか。携帯電話だとか時代に合わせて調整されたのでしょうね。こうなると元の単行本も読んでみたいですね。 -
世間は広くて狭い。ということでしょうか…
-
登場人物の関係性がそんな阿呆な!と言いたくなるし、主人公2人のキャラが現実離れしている気がするものの、個人的にはなかなか楽しめました。
2人会話を読んでいて、某作家の雰囲気と似ているなぁ〜と感じていたのですが・・・伊坂幸太郎の登場人物の会話のすすめ方に似てるんだと今、気づいた。 -
ああ、あの頃の川西蘭が帰ってきたみたいなすばらしいファンタシー。そう、ボーイ・ミーツ・ガールというのはファンタシーなんです。
だから、主人公とヒロインの家族関係があれもこれもと都合良く云々というのが、「リアリティに欠ける」だなんて思っているなら、それは的外れ。
彼らのお育ちの良さみたいなものについても同様。いいんですよ、それはそのままで。ここでは、謂わば乗り越えるべきトラブルさえも、素敵な物語のためのデコレーションのようなものです。
とはいえ……
それこそ、春一番が吹くまで、とか、パイレーツによろしく、なんてころの主人公たち、ナイーブという言葉が意味するところについて、具体例を挙げよという問いの模範解答みたいな彼らとはずいぶん変わって、健全ではあるけれど、愚かでは無くなったし、傷つくから価値があるだなんて倒錯もなくなったようで、それは一方では作品としての巧みさだけれど、もう一方では、時代の進展によるスマート化みたいなところかな?とも思います。
そのせいで、慎一も奈津美も、えらく大人びて見えるかも知れませんが、存外、中高生だってずいぶん大人なものです。
とはいいながら、ラストの場面、ニヤニヤしてしまう割に、さて、本当のところ、奈津美の気持ちってどうなのかな?とか言っちゃったら、後味悪いですかね。 -
冷え切った家庭で育った高校生の「ぼく」と離婚により新しいママを迎えた中学生の「わたし」。思いがけない出会いをした二人とそれを取り巻く大人達の喧騒を描いたボーイミーツガール小説。
-
設定としては中々非日常的(というかほぼありえない)でありながら、少年と少女の淡い恋はやはり日常的とも言えるもの。
難しい話はいっさいなく、表現や比喩もどことなくかわいらしい気軽に読める小説。