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- Amazon.co.jp ・本 (469ページ)
- / ISBN・EAN: 9784861822636
作品紹介・あらすじ
注目の歴史遺産に秘められた朝鮮人徴用労働者たちの悲劇。地獄の海底炭坑に拉致された男たちの苦闘を描く空前の大河小説。
感想・レビュー・書評
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炭鉱遺跡がノスタルジーだけで眺められてしまうことの多い長崎の軍艦島。しかしそこは、朝鮮から強制連行されてきた男たち、女たちにとっては、文字通り地獄の島だった。ヘビイなテーマの二巻本、手に取るのはちょっと勇気がいると思ったけど、読み始めてみたら、そんな状況下であってもユニークなことわざを織り交ぜて生き生きとした会話を交わす朝鮮人鉱夫たちの群像が魅力的で、ぐいぐい読み進んでしまった。朝鮮人、日本人とも一面的ではなく、支配者側について同胞を強制連行に送り出す親日派の朝鮮人もいれば、できる限りで人間らしく生きようとする日本人もいる。それでも彼らの間の溝は深く、破局に向かう力も圧倒的だ。「国を失うとはこういうことなのか」とくりかえす主人公のつぶやきを、読みながら私もくりかえした。著者が日本語版に寄せたノートも、すごく心にのこる。
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2010.02.14 朝日新聞に掲載されました。
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