- Amazon.co.jp ・本 (334ページ)
- / ISBN・EAN: 9784861824241
作品紹介・あらすじ
3・11以降急速に政治化するオタク、貧困にあえぐロスジェネ世代…、絶望の淵にたたされる今、高度電脳化世界の"人間"とは何か?を根源から問う。10年代本格批評の誕生。
感想・レビュー・書評
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レビュで気になり読み出す。初読の批評家の評論。筒井の作品やエッセイや対談はほとんど読んでいる自分には、筒井の凄みは十二分に知っているので、なにを今更と思いつつ読んでいった。さて、そこから著者は何が言いたいのかと、期待しつつ読んでいって、最終章。うーむ…… 大雑把な試論とはわかっているが、さほど感銘は感じない。個人的にネット界隈の問題に興味がないというのがあるので…… 評論ってなんだろうという根源的な疑問がグルグル回っている。筒井のブックガイドとしてなら優秀かもしれない。要約や引用が優れているが、そこからプラスなんとかが読みたかったのだが。
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伊藤計劃を読んでからSFへの興味がわいてきた。筒井康隆は全く読んだことないけれど、ついタイトルが気になって読んでしまった。もとを読まずに文芸評論だけ読んでもしょうがない……はずだが、それなりにおもしろく読めたのでよし。
中盤まではふつうの作家論。小松左京との対比はもっと細かいところまで書いて欲しかった。終盤は作者の思いがぶつけられていて、よかったと思う。人によって見方はかわるだろうけど、なかなかアツい。
強引だけどおもしろかったのは、基本的虚構権の箇所。基本的虚構権が成立すれば、「虚構内存在との共同存在」が承認され、フィクションとの婚姻や生殖が可能になる。つまり、よく言われる「俺の嫁」というのを、デジタル上で本当の嫁として扱える状態にする、という感じ。こちらの遺伝子情報もデジタル化しWeb上には子どもキャラを作ることも可能とのこと。なんかすごい。 -
1450 馬場
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アニメにおけるリアルは「絵で描かれた存在を本物のように感じてほしい」という狙いに端を発している。前半はそのことを考える上でも示唆に富む内容だったので、刺激的に読んだ。