- Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
- / ISBN・EAN: 9784862482679
感想・レビュー・書評
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ビジネス
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ビジネスを戦争に例えて”戦略”、”戦術”をやたら使いながらビジネスをしていく事に対する警鐘本です。
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働くことについて知りたくて読書。
今の自分には難解に感じる。しかし、あとがきを先に読んでから本を読むと悪い頭でも多少理解することができる(氣がする)。
20世紀的な価値観から脱却することの必要性を述べている。
すでに終身雇用、年功序列制も崩壊し、誰もが大きな組織に属する職録社会から個人やより小さな組織で経済活動をする時代へ移行している。しかし、価値観は20世紀のままずるずると引きずっているっと。
仕事は本来楽しく、自分のために行うことである。
自分の市場価値を高め、ブランドにして価値を生み出していく。
何のために働くのか。何でお金が欲しいのか。目標や目的は。
今まで日本人が自分の頭で考えることを思考停止していたことを今、現実として再思考が求められているように思う。
自分だけの価値観、生き方、指針、楽しみ方を知って自分で動ける人間、自己客観視を高め、自己分析ができる人間が強い。
他人の人生を生きる人生から、自分の人生を生きる人生への転換は当たり前のように思えるが、実は、困惑する選択がが多く辛いものなのだと思う。だから人は楽な道を選択する。
読書時間:約45分
本書はバンコクのブックオブワールドで購入しました。
(2012年2月9日完読) -
戦略がなくてどのように事業運営していくのか?
戦略という短期的な視点ではなく、商売の本質は世の中に何を貢献するかというビジョンであり、そのためには信用つまり見えない資産が重要 -
一回半ひねりのコミュニケーション
ビジネスする動物が人間である -
世のビジネス書の類はつまらない。そもそもそう感じてはいたが、最近、とみにつまらない。そこには、凡庸なトートロジーが充ちている。
実学という名でかたられるものが表層を撫ぜることが耐え難い。
たしかに、秀逸な着眼のものもないわけではない。だとしても、それが、事業を行っている生身の自分の肉にささってくることはほとんどない。
ビジネススクール出身者ほど、採用するときに、心を動かさないものたちもいない。
日経もウォールストリートJもつまらない。
その理由は、戦略的志向というもののつまらなさにあるというのが、著者平川克美さんによれば、ビジネスの本質の中心に置いてとらえることがないからだという。
平川さんは、内田さんの高校時代からの親友である。
内田さんというのは、現代先端思想を、日常的なあらゆることに適用して休むことのない、ブログ評論家の王者の内田樹さんである。
本の最後に、内田さんとのダイアローグを含む、この本は、徹底して、ビジネスという、人類の起源にまでさかのぼることのできる現象の、構造分析を行おうする、非常に非実務的、非戦略的で、だからこそ言葉の本質的な意味において実践的な試みだ。
平川さんがビジネスをとらえようとする次数が高いせいか、必ずしも彼の思考を追い続けるのは容易ではないが、商品を迂回した一回半ひねりの コミュニケーションとしてのビジネスなどいう思考には根源的なものを感じる。
わかりやすいところでいえば、
《ビジネス上の成功について精緻に組み立てられた「ビジネス書」がつまらない理由は、短期的な成功の「秘訣」は書かれていても、長期的な成功の「意味」についてはあらかじめ目を瞑っているからだ。》
ビジネス書はルールブックに過ぎず、そのルールブックである戦略本をいくらよんでも、ビジネスの本当の面白さはわからないなどというところだ。
たしかにゲームのルールブックを何冊も読んでわけしり顔のMBAが、24時間スクリーンに向かい続けてきた、古参のゲーム馬鹿たちに一蹴されていくのと同じような構造だろう。
戦略書の本質的な問題は、問題にはあらかじめ解答が存在するという前提にある。しかし現実のビジネスを生きるうえで、「機知への事象への還元」という方法が役に立たないのは実感としてわかる。
《今必要とされるのは、生起する問題を既知に結びつける専門的、分析的、事実確認的な知性ではなく、新しい事態に対応して自ら未来を切り拓いて行く、汎通的、統合的、遂行的な知性であると思っています。ひとことで言うならば、自分の頭で考える力を養うということです。》
より本質的な分析になると容易には理解できなくなる。そこでプロの教育者の内田先生が入ったダイアローグになってくると、哲学の思考と対象である事業の分析はうまくシンクロしだす。沈黙交易を手がかりにしたビジネスの本質分析は秀逸だ。
言葉も通じない部族同士がそれぞれの共同体の周縁で、それぞれの持ち寄った交易品を、それぞれの荷物がなくなるまで交換しつづけるという、交易の原初的形態のことだ。
この古代に行われた謎めいた儀式を文化人類学者のサーリンズは交易の原型ととらえたのである。曰く、人々は適切な等価交換が行われたように思えないときには、もう一度出会わなければならないと感じたというのである。そしてこの腑に落ちなさが交易を動機づけたのである。
交換されたものの価値がわからないからこそ、交易を継続しなければならないという心理的圧力のなかに、現在にまで至るビジネスの本質を見るのだ。
だからこそ、すべて解答が用意されているような戦略には、ビジネスの謎の部分は決して見えない。そして、その論理的延長に存在するグローバリズムの非生産性へとロジックは繋がっていく。
なぜ、人はビジネスを続けるのか。そんなシンプルな質問だが、交換する主体としての人間の本質を見据えることなしには、何も見えてこない。
これから、ビジネスの世界に入る人も、ビジネス書など何冊も読むより、哲学や社会学の本質的な書物を1冊でもいいから熟読すべきだ。
その方がはるかに今後のビジネス人生にとって実践的な意味を持つ。これは数十年ビジネスのなかで生きてきた経験からも間違いなく言える。
その手がかりとして騙されたと思って、平川さんと内田さんのある意味わけのわからない議論につきあってみたらどうだろう。 -
衝撃的な本だった。もやもやしていた「会社とは」「組織とは」に対する回答を得る事ができた。繰り返し読みたい本。