- Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
- / ISBN・EAN: 9784862488848
感想・レビュー・書評
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元商社マンだった作者の視点から妄想した古代日本の商社像。弥生時代の古代から、現在の日本の商社的な動きをしていた集団が居た、という説には大賛成なのだけど、いかんせんデータ的な根拠に乏しく、考古学的な裏付けもほとんどなく、日本書紀や中途半端な発掘成果を引用して妄想をただ繰り広げているので、説得力がまるでない。というか、ほぼ半分以上は作者の妄想で実情には全く即していないと思う。
しかしながら、こういう発想で古代史を見てみる、という視点がまあ面白かったので、検証すべき部分はあると思う。個人的な反論をすると、宗像氏は商社ではあり得ないと思う。彼らが報じた宗像三神、そこから転じた住吉神、八幡神、すべて戦の神様だ。つまり宗像氏は軍事集団(下手するとヤクザ的な縄張りを持ったいまの蛇頭みたいな集団だったのかもしれない←これは私の妄想)で、物流は宅配業社のように担当したかもしれないが、商取引には本来は全く縁のない集団だったと私は考える。
こういう妄想は、こういう実用書ではなく、小説で書いてもらった方がなんぼか面白いと思う。彼の妄想、小説のネタにはもってこいだと思うので、どなたか小説家の方、書いてみませんか?詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
表紙も胡散臭いが、内容も全編筆者の妄想と推測で溢れていて、学術的な信頼性のカケラもない。
でも。どうせ、弥生時代がどんなだったかなんて、今となっては知る術もないし、立証することは不可能だ。
様々な文献にあたり、あちこち「古代商社」ゆかりの地を訪ね、ここまで壮大な妄想を膨らませるなんてことは、なかなかできることではない。
いずれにしても、弥生時代にこれだけの大陸由来のモノが来てた、あるいは縄文人と弥生人が違う民族だった、ということからも、想像するより活発な行き交いがあったことは確かなんだろうし、そこにはなんらのプロ集団がいたとしてもおかしくはない。
なによりも、非常に面白い妄想であることは間違いない。 -
推論が中心で新事実とか史実の新解釈が少ない。着眼点は好きだが。