日和下駄とスニーカー: 東京今昔凸凹散歩

著者 :
  • 洋泉社
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784862489661

感想・レビュー・書評

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  • 参考資料としての入手だった筈が著書の視点の面白さと文章の良さに惹きつけられて最後まで読んでしまう。いままでこういう作家がいたことを知らず少し恥じる。

  • 東京は坂と丘と谷の街。永井荷風の「日和下駄」(散歩エッセイ)に沿って、尾根道・谷道、坂、崖、ガケベリ散歩、樹、水、谷、路地など11の項目に沿って、スニーカーで歩いた散策の書です。面白かったです。大竹昭子 著「日和下駄とスニーカー」、2012.7発行。①尾根道・谷道:皇居の北と西、北から反時計回りに、交互に。本郷通りー白山通りー春日通りー音羽通りー目白通りー新目白通りー靖国通りー新宿通り ②上野台地のへりを上野から王子へガケベリ散歩(上野~道灌山~飛鳥山)。これは、私も何度も楽しんだコースです。

  • 文章がうまい! まさにハードボイルド!

  • 行ったところが多く、なるほどそうだったのかと感激。もう一度歩いてみたい。

  • 荷風の「日和下駄」を先達にスニーカーで東京の街を散歩した記録。東京を坂と丘と谷の街と把握し、皇居から西と北へ延びる主要道路が尾根道と谷道の互い違いになっているとの指摘には驚いた。坂、崖、谷、路地を辿るときの空間把握力、さらに地図の読解力、もちろん文章力と写真の腕前とどれも素晴らしい。歩くことが本当に好きなのだと感じさせる文章により、どの散歩コースも自分も歩いてみたいとの誘惑に駆られる。「日和下駄」と昨年読んだ「東京骨灰紀行」でも取り上げられたかっての三大貧民窟の一つ鮫河橋には是非行ってみたい。

  • 坂道の向こうに、もはやビルの影に隠れてしまった富士山をイメージできたり、くねくねと曲がりくねった道に暗渠となった川を幻視したり、まるで「ブラタモリ」のCGみたいに、現在の東京の風景の上に、失われた昔の日本の風景を再現してかぶせることが出来る大竹さんの知識と想像力と筆力が素晴らしかった。歴史をこの域にまで知り尽くしたら、きっと普段歩く道ももっとずっとカラフルになるのだろうな、と思った。

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著者プロフィール

1950年東京生まれ。小説、エッセイ、ノンフィクション、批評など、ジャンルを横断して執筆。短編小説集としては、本書は『図鑑少年』『随時見学可』『間取りと妄想』に続く4冊目。人間の内面や自我は固定されたものではなく、外部世界との関係によって様々に変化しうることを乾いた筆致で描き出し、幅広いファンを生んでいる。
写真関係の著書に『彼らが写真を手にした切実さを』『ニューヨーク1980』『出来事と写真』(畠山直哉との共著)『この写真がすごい』など。他にも『須賀敦子の旅路』『個人美術館の旅』『東京凸凹散歩』など著書多数。
部類の散歩好き。自ら写真も撮る。朗読イベント「カタリココ」を主宰、それを元に書籍レーベル「カタリココ文庫」をスタートし、年三冊のペースで刊行している。

「2022年 『いつもだれかが見ている』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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