アクセンチュア流 逆転のグローバル戦略――ローエンドから攻め上がれ

著者 :
  • 英治出版
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本棚登録 : 104
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784862760692

感想・レビュー・書評

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  • 2009年に書かれた本で、発売当時に購入したのですが、本棚の奥に入り込んでいてこのたび機会があってやっと読むことが出来ました(発売から6年後ですね)。良い本は何年経った後に読んでも面白いもので、これはジャンルを問わずだと思っていますが、その意味で言うと本書の7~8割は完全に賞味期限が切れているなあという印象でした。

    この本に良く取り上げられるハイパフォーマンス企業の1つにノキアがありますが、2015年の今読むと残念というか悲しい感じがします。「マスコミ(やコンサルタント)に持ち上げられる企業は衰退の始まりだ」と言われますが、この点だけでも本書の説得力がだいぶ薄まっているなあという印象はぬぐえませんでした。さらに中国の失速によって周辺新興国(東南アジア)も景気が減速し、一方で米国経済を基盤にしている企業は好調、ということで、そのような時代に本書を読んでしまうと、新興国のBOP市場攻略を熱く述べている様にも残念な印象を受けてしまいました。BOP攻略はオプションの1つではありますが、「マスト」では絶対ありません。しかし著者はここを攻略すること(正確に言うとローエンド市場の攻略)こそが正解だと断言していますが、これは激しく抵抗感を覚えました。それは企業の規模や業種、戦略の選択次第です。著者がここまで断言している理由の1つとして、本書が暗黙的に対象にしている読者企業がB to Cの大企業だということが挙げられるでしょう。ですからB to Bの中堅企業の場合、本書よりもハーマン・サイモン氏の書かれた「隠れたチャンピオン企業」を読むことをお勧めします。これは10年後に読んでも十分示唆があると思います。

    最後に、本書の中でこれは今でも日本企業の課題だし、傾聴に値すると思ったのは標準化の後れです。日本企業がグローバルで苦戦している理由の一つは明らかに標準化の後れだと思いますし、この問題は根深いのかなと言うのは本書を読んでも再認識いたしました。

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