- Amazon.co.jp ・本 (584ページ)
- / ISBN・EAN: 9784862761019
感想・レビュー・書評
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最強組織の法則の改訂版のようです。概念はすごく分かるがどうやってやるのかがいまだによくわからない一冊です。 和田
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システム思考をベースに組織が学習障害を抱えることなく成長していくための技術要素を紹介している。XX思考の中では共感できる考え方だが、マネジメント層なら普通考えることのような気もするし、なんでもかんでもシステムのせいにする訳にもいかない。陥りがちなシステムをパターン化してくれているのは参考になりそうではある。システム思考以外の四つのディシプリンは組織開発のテクニックだし、長くて学術的で捉えきれなかったこともあって要諦がいまいちわからなかった。会社でビジョンの普及なんかをするときの参考図書にはなりそう。個人ビジョンの発信はやってみようと思った。
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5つのdiscipline
システム思考、自己マスタリー、メンタルモデル、共有ビジョン、チーム学習 -
CY22-12
Kindleだと構造把握がしずらかった。紙ベースで読んだほうがいいかも。 -
経営においてディシプリンがどう繋がっているかよく整理されている。
以下、印象的なフレーズ
・学習する組織は「いかに私たちの行動が私たちの現実を生み出すか、そして私たちはいかにそれを変えられるか」ということを人々が継続的に発見し続ける場である。
・ビジョンは具体的な目的地、望ましい未来像である。目的は抽象的で、ビジョンは具体的なものだ。
・失敗とは、単なる不足、ビジョンと今の現実の間に乖離があることを示すものにすぎない。失敗は学びのチャンスでもある。
・否定的ビジョンの根底にあるのは恐怖の力である。肯定的ビジョンを動かすのは大志の力である。恐怖は短期的に驚くべき変化を生み出すこともあるが、大志は学習と成長の絶えざる源泉として持続する。 -
本書の前提となる5つのディシプリンのうち、志の育成とされる自己マスタリーと共有ビジョンは今日的にはキャリア自律として扱われる領域で、パーパスマネジメントの考えと概念が近い。日本の組織、働く人にジワジワと浸透している。
内省的会話の展開とされるメンタル・モデルとダイアログも1on1やキャリアコンサルティングとして試みが導入されている。
以上の四つは、個人への働きかけによってある程度達成可能な課題に見受けられる。
問題は最後のシステム思考、複雑性の理解であろう。組織的課題は遅行軸であることがこのディシプリンが抱える最大の難しさで、より上位の経営者やリーダーが理解し戦術的に組織や業務に組み込むことができなければ、その浸透は達成し得ない。日本人が苦手な領域でもあり、身近で聞かれるような事業の失敗の典型例のようなケースが本書でも説明される。組織はどのようなアプローチでこの問題を解決し得るだろうか。 -
課題を目先のことと捉えず、システム全体から解決しようとするアプローチが実に示唆に富む。「最強組織の法則」とは全く違う本を読んだ印象を持った。
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重要な示唆の外縁を歩いている感覚。要再読。
抽象度が高く、前半の説明と後半の実践の対応がわかりにくい。
◯システム思考:一見の改善策が次なる課題を生む可能性↔︎小さな変化が大きな改善を生む可能性も
→システムの理解が必要
◯構造の説明により、挙動パターンそのものが変えられるレベルで、挙動の根底にある原因に対処する。
・自らの行動により他者の挙動に影響を与えることを理解する。
・行動による影響が現れるまで待つことを理解し、パニックを起こさない。
◯相殺フィードバック:良かれと思って行った介入が、その介入の利点を相殺するような反応をシステムから引き出す
例)途上国の食料・農業支援による栄養失調の減少→出生率の上昇による人口過密で栄養失調が増加して相殺
◯システム理解のポイント
・全体で捉える
・誰も悪くない→関係性に問題がある
◯複雑性
・種類による複雑性(多様な変数)
・ダイナミックな複雑性(短期と長期で大きく異なる影響)
◯フィードバック・プロセスはループする→システムによって生み出される問題に対する責任は共有される
◯自己強化型ループとバランス型フィードバック
バランス型プロセスが存在していることに気づかず、変化させたくてもできない
◯プロセスの遅れを改善することで一定程度の改善がある
◯システム原型の理解
・成長の限界: 成長させる行動が減速させる行動を生み状況をつくる
→制約要因を特定して取り除く
・問題のすり替わり: 対処療法的な解決策が根本解決をより遠ざける
→根本的解決策を同時に示すとともに対処療法的対策の段階的削減を示す
◯自己マスタリー
・自分にとって何が重要かを絶えず明確にすること
・どうすれば今の現実をもっとはっきり見ることができるかを絶えず学ぶこと
→はっきりとしたイメージを対置させることで創造的緊張が生まれる
→行きたい所に行くには、今どこにいるかを知ることが先決
◯学習する組織では、人の最大限の発達と財務的な成功とは同列
◯人が心から目指したいもの、その具体性を持ったビジョンを持つ
↔︎逃避のための目的、手段に焦点を当てた目的
◯構造的対立: 多くの人が「自分は無力である」「自分には価値がない」という根底にある信条を持っていて、目標に向かう分、強い力で作用する
→まず構造的対立及びその影響の認識が必要。ただし構造的対立が作用していることに気づかないことが多い
→自分の問題を何かや他人のせいにしていると自覚したとき警戒することが発見の助けになる
例)自分の手足を自分で動かせることを理解していない赤ちゃんは自分の手が自分の耳を引っ張ったときに驚いて余計状況を悪化させる
◯潜在意識の能力を発揮する
→その訓練として、望ましい結果そのものに焦点を当て、具体的にイメージする
◯自己マスタリーの強化は強制できない
→以下の組織環境は促進できる
・メンバーが安心してビジョンを描くことができる
・真実の探求や真実に忠実であることが当たり前になっている
・現状に対して、特に避けたいために覆い隠したくなるものに異議を唱えることが期待されている
◯メンタル・モデルを問い直す
→相互探求のバランスが重要
◯共有ビジョンを築く
→個人のビジョンを奨励する。それは断片にはならないが、共有ビジョンへの目線を用意する。リーダーはトップダウンで示すものではないが、個人のビジョンを積極的に示す
◯ダイアログ(≠ディスカッション)によるチーム学習、その基本原則
・前提の保留。一般に人はある立場を取り、それを弁護し、それに固執する。他の人たちが反対の立場をとると、分裂が起こる。方向や戦略の根底にある前提を検証する場合、その前提を弁護士ないようにする。
・仲間として行動する。全参加者は肩書きを持ち込まず、序列は一切ないことを意識する。ただし、ファシリテーターは例外で、話し合いを順調に進めてくれるものとして期待する。ファシリテーターは言語化に努める。
・探求の精神。自分の意見の背景にある考え方、その根底にあるかもしれない前提、裏付けとなる論拠を探求する。「どのようにしてその意見、考えになったのか?」「なぜそれについて質問するのか?」の問いを発することを奨励する。
◯学習と仕事を一体化させる
→事前のダイアログと振り返り
・何が起きたのか?
・何を予想していたのか?
・この乖離から学べることは何か?
◯設計者としてのリーダー