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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784862761187

作品紹介・あらすじ

これは、今日もどこかの国で暮らす名もなき少女たちの物語。世界で活躍する7人の作家による、書き下ろし短編集。

感想・レビュー・書評

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  • 女だからって理由で、いろいろなことに縛られてる人が世界中にあちこちいることを知った。

    なんとなく知っていた部分もあったが、知らないことが多すぎた。

    エジプトのホームレスの女の子たちは夜になると施設から追い出されるとか衝撃的。

    少女と言える年齢の子が母親であり女でありとか
    いろんなことがこの世界では起きている。

    そして、その子達はこのコロナ禍の中
    もっと酷い境遇にあってるのかな?と思うと何も言えない

  • 国際的なNGOプランが展開する"Because I am a girl"キャンペーン。
    女の子だと言うだけで教育が受けられなかったり、虐待を受けたり、売春の道へ進まざるを得なかったり。
    そんな目をそむけたくなるような現実が発展途上国には溢れている。
    そんな女の子たちを支援し生きる力をつけさせるのが活動の主旨。

    本書はこのキャンペーンに賛同した7人の作家たちが実際に現地を訪れて、小説だったりルポだったりと形は違えどそれぞれの思いを綴りアンソロジーにまとめたものである。

    アフリカの貧しい国々での惨状は私の想像が及ぶ範囲でもあった。
    ろくな教育も受けず、一日一食があたりまえ。
    通学路でさえいつレイプされるか分からない。
    学校のトイレさえ整備されておらず、教師は低賃金にやる気を失う。
    イニシエーションと称して女性器切除の慣習が残る地域すらある。
    おまけにアフリカの女性達は従順だ。
    家父長制度を重んじ、自分の意見を述べることすらはばかられる。
    これは本当に同世代に住む女性達の姿なのだろうか。

    アフリカだけはない。
    サッカーワールドカップが開催され、次はいよいよオリンピックという経済成長目覚ましいブラジル。
    スラムに住む女の子達、そしてその母親たちの生きざまを読むと胸が締め付けられるようだった。
    下水も整わない家の中では汚物があふれかえり悪臭が漂う。
    不衛生な環境で皮膚病に罹る子供たち。
    こんなひどい状況で10代のうちに何人も子供を産まざるを得ない現状。
    母親を必要としている少女のうちに自らも母親となってしまう。
    その悪循環の繰り返し。
    父親などもちろん存在しない。
    オリンピックの開催資金だけで一体何人もの子供たちが救えるのだろうか。
    気が遠くなる。

    これが世界の現実。
    日本でももちろん男女差別は残っているし、悲惨な境遇で育つ子供達もいるだろう。
    しかしその比ではない。
    彼らに選択肢などないのだ。

    この本の翻訳は角田光代さん。
    角田さんはどうやらボランティアでこの本の翻訳を引き受けたようだ。
    彼女の小説には独特の女性ならではの視点があって、女性性についての違和感や憤りの描写も多い。
    でも彼女自身の強い主義主張と言うのは正直感じられなかった。
    ところがどうしたことだろう。
    この本の前書きを角田さんは書いているのだがこれほどまでに彼女の強い思いを感じた事は今までなかった。

    『私は非力だ。けれど、なんとかしたいと思うところからしか、ものごとは動かない。』

    まずは現状を知ること。そして自分に何ができるか考えることから始めたって良い。
    まずは一人でも多くにこの本を読んでもらいたい、と私は思った。

    • nejidonさん
      vilureefさん、こんにちは♪
      読み応えのある本のようですね!
      いや、訴求力と言ったほうがいいのかな。
      アフリカ女性は従順というよ...
      vilureefさん、こんにちは♪
      読み応えのある本のようですね!
      いや、訴求力と言ったほうがいいのかな。
      アフリカ女性は従順というより、他の生き方を選べないし知らないのですよ。
      N国に居た時、4人の男にレイプされた少女が裁判で死刑判決を受けるという事件があって。
      罪状は妊娠したから、なんだそうです。
      その時私が一番悲しかったのは、少女自身も自分が悪いと思っていたことです。
      このように、なんとも形容しがたい義憤をおぼえることが、日々起きています。
      世界広しと言えど、建国のために必死で努力したのは戦後の日本人くらいじゃないかと思いますね。
      角田さんの気持ち、よーーーーく分かります。
      この本、拡散希望ですね。読んでて辛そうだけど。
      2014/09/02
    • vilureefさん
      nejidonさん、こんにちは♪
      コメントいつもいつもありがとうございます(*^_^*)

      そうでした、そうでした!
      アフリカと言え...
      nejidonさん、こんにちは♪
      コメントいつもいつもありがとうございます(*^_^*)

      そうでした、そうでした!
      アフリカと言えばnejidonさんを差し置いて語れませんね!(笑)
      なんですか、その妊娠したら死刑って!?
      むちゃくちゃだな・・・(-_-;)

      この本の中で「チェンジ」と言うルポがあって、作家が現地を視察して感じた憤りをそのまま映しだしているんです。
      私もすっかり彼女の意見に同調してしまうのですが、このルポにはNGOの事務所長の返答があるんです。
      これを読んで目からうろこでした。
      長期的な意味でサポートをしていくことこそ重要であると。
      トイレを作ること、薬を与えることだけが支援じゃないんですね。
      短絡的なサポートでは何も変わらないだなと。

      nejidonさんがお読みになれば、もっと違った見方ができるのではと思います。
      辛い話もありますが、角田さんの訳と言うこともあり純粋に小説を楽しんだりしましたよ。
      是非、お読みになってくださいませ(^_-)-☆
      2014/09/03
  • 初めて、女性差別について勉強して、もっと知りたいと思った時の気持ちを思い出した。知りたくないけど、知らなくてはいけない。そして、誰かに知らせなくてはいけないという使命感。
    世界では、本当に考えられないようなことが起きていて、憤りを感じるけれど、その社会で生きていたらそれが常識で、私が辛いだろうと思う仕打ちにも疑問を持たないのだろう。
    むずむずする。女性に生まれたことの悲しさ。なぜ女は男にとって道具のような存在なのか。女の子は生まれた時から良き妻、良き母親になることを望まれるのか。私の周りを取り巻くジェンダー意識から逃げたくて、これからもきっと、女としての人生を戦い続けるのだろう。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「なぜ女は男にとって道具のような存在なのか。」
      そう言う話を聞くと辛くなる、、、でも現実なんですね、ゴメンなさい(誰に謝ってるん?)
      「なぜ女は男にとって道具のような存在なのか。」
      そう言う話を聞くと辛くなる、、、でも現実なんですね、ゴメンなさい(誰に謝ってるん?)
      2013/07/19
  • 女性・子ども、そんな生まれたときからの事情によって、
    虐げられる世界の人達の現状を著名な有名人作家7人が綴り、
    それが日本語訳された本。

    僕自身、カンボジアに売春街に訪れ、
    そこで沢山の男性達と一緒にいる少女達を見た。
    不慣れな化粧をして、必死に男性達を誘惑して、
    一夜を共にして、お金を稼ごうと必死になっていた。

    そんな光景が頭の中に強く蘇ってきた。
    実態を見て、知った、
    本で読んで、知った。

    女性だから、子どもだから、そんな理由で、
    虐待を受け、レイプをされ、孕ませられ、
    未来を失っていく、現状。

    「知る」という行為の先に、
    何が待っているのか分からないけど、少なくとも、
    「知って」はいたい。

    自分たちが何かをしたい、何かが出来るはず、と思うのは、
    きっと「知る」という選択肢を経た後にくるものだから。

  • 「海外支援の目的は、支援が必要でなくなる状態を作ることでなくてはならない」ために、目の前にいるウガンダの女の子たちを助けられないかもしれないことに、筆者が怒って泣き狂った場面。私もわんわん泣いていたら、はいはいで近づいてきた息子(生後9が月)がにこにこしながらドンドン私に頭突きしてきました。

    映画「ホテル・ルワンダ」で「世界の人たちは虐殺のニュースを見ても『こわいわね』といって結局ディナーを続けるだけ」といっていたシーンを思い出し、自分の姿を重ねました。

    「女の子だから」という理由で差別などを受けている女の子たちを、7人の作家が描いています。訳は角田光代さん。その土地がもつ色彩の豊かさやにおいや雰囲気を疑似体験できたきがして楽しかったし、「かわいそうだったな」ってだけではすまない結末の話もいくつかあったと思います。

    女の子に生まれたから、日本に生まれたから、長女だから、親が貧乏だから、●●だから、人生がどんな風に変わっていくのか、変わってしまうのはいいことなのか。
    「●●だから」といって生きてきた自分は、他の人と違う部分を誇らしく思うことあれば、恥ずかしく思うこともあるけれど、それって本当にそんな風に思うに値することなんだろうか。
    とかね。

  • 7人の作家による女の子に纏わるアンソロジー。
    生まれながらに受ける様々な虐待、受け入れることしか許されない人生、それを由とされてしまう世界。少しは知ってはいたけれど、敢えて目を背けていた実情は、歯を食い縛ってないと読み続けることができない。
    「女の子だから」。ただそれだけ奪われていくものの大きさに、怒りと悲しみが混ざり、その不条理さに呆然とする。
    国や地方、部族の数だけ様々な風習や慣習、伝統や思想があり、そこに生まれてきたものとして当然受け入れ生きてゆかねばならないことはわかるけれども。
    彼女たちには選択する術も何もない。
    そしてわたしは何もできないことに苛立つ。

  • 2012年100冊目。

    自社本のため割愛。

  • 明後日10/11は、国際ガールズ・デーだそうです。。。

    英治出版のPR
    「 角田光代が訳さずにはいられなかった――! 世界を代表する7人の作家が描いた 名もなき女の子たちの物語
    この本は、私のように依頼を受けて発展途上国にいった、世界各国の作家たちによるアンソロジーである。小説を書いた人も、ルポルタージュを書いた人もいる。作品はそれぞれ異なるけれど、それぞれ訪れた国でだれしもが共通のショックを受けたことがわかる。私たちがそれぞれ暮らしているちいさな世界には、あり得ないことがそこでは次々と起こる。作家たちは傷つき、怒り、皮肉り、なんとか冷静になろうとしながら文章を書き綴っている。根底にあるのは、私が感じたのと同じ、痛烈な「なんとかしたい」である。 翻訳にかんして私はまったくの門外漢である。だから、この本を訳すなんて本当に無謀なことだとわかっていた。けれど、その依頼を引き受けないわけにはいかなかった。私はすでに、ここに登場する女の子たちを知っているのだ。知る、ということは、なんとかしたい、と思うことで、なんとかしたい、と思うことは、私のなかでは、かかわるということである。作家たちが(おそらく私と同様の思いで)描き出した、幾人もの女の子たちの声を、私は私たちの言葉で、届けなくてはならなかった。 --角田光代 (「私も女(の子)だからこそ――まえがきにかえて」より) 」

    Because I am a Girl 世界の女の子たちに、生きていく力を 国際NGOプラン・ジャパン
    http://www.plan-japan.org/girl/

  • ウガンダの章を読んで胸が熱くなった。女性をめぐる様々な問題は、途上国だろうが先進国だろうが深刻かつ未解決なことに変わりはない。

  • 開発途上国と女性問題。
    女の子ぬセックスしないようにと警告するポスターはあっても男性にむけた性的虐待に対する対策はなし。
    10代で出産、またその子も10代で出産と負の連鎖。
    今でも実際に起きている問題だと思うと悲しい。
    そしてインドの話や生理に関することがでてきた時、
    映画パッドマンを思い出した。

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