異文化理解力――相手と自分の真意がわかる ビジネスパーソン必須の教養
- 英治出版 (2015年8月22日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784862762085
感想・レビュー・書評
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4.3
英会話に行き始めて各国の文化に興味を持ったため本書を読むことにした。この本を読むまでは、ドイツ人は真面目、アメリカ人は適当、イタリア人は陽気など一つの着眼点で各文化を一括りにしていた自分が恥ずかしい。
さまざまな異文化チームでの苦労話をあげながら何故そうなったのか、どう対応していけば解決できるかが説明されていて勉強になった。
海外赴任する重役達に赴任先の文化に基づいたリーダーシップを教えるコンサルティング事業があるなんて想像もしていなかった。自分は良くも悪くも単一民族国家の国民なんだということを凄く理解した。
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文化によってこれほど受け取り方が変わるのか、と驚く。お堅い日本のメーカー勤務だから、まったく異なる外資で働いてみたいな、と思ったり。
自分の当たり前が他人の当たり前ではないことはわかってるつもりだけど、なかなか意識して行動するって難しい。
思いを言葉にするってコミュニケーションの上でとても大切だけど、伝え方ってむずしいね。
伝え方が9割だって話もあるくらいだしね。
それはそうと、
本書で紹介されてた「対立に参加する時には、一刀両断するナイフではなく、縫い合わせる針を持っていけばいい」って言葉とてもステキ!! -
東洋経済202151掲載三矢正浩評
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勉強になったし、目から鱗でした。自分の考え方がどれだけ文化的ルーツに根差しているか、自覚的になることが必要だと感じました。
自分と自文化との価値観の差異に気づくこともでき、あまり外国の人と仕事をしない自分にとっても有用でした。
よかれと思ってやっていることが、むしろ悪印象の要因となることすらあるのは驚きでした。 -
一緒に働くメンバーも、常日頃仕事で関わる人たちも多国籍なわたしの状況においては、
各国の人の振る舞い方や考え方の大枠とその背景を知れたことはとても面白く有意義だった!
本当の意味で色んなバックグラウンドを持つ人たちとわかり合い、信頼関係を構築するためには、知っておきたいこと!! -
ビジネスマンじゃなくても楽しめる本で、文化の違いと違うことの面白さを感じられる。
この違いを知ってからする海外旅行は、世界が変わるはず。
違いがあること、そしてなぜそんな違いが生まれたのかもっと詳しく学んでみたいと感じた。
僕の印象に残っているのは、日本が多くの面で「極端な位置にある文化」だということ。そして文化の差異は相対的なものであること。この詳しい内容についてはぜひ本を読んで感じてもらいたい。 -
実例が豊富で非常に読みやすかった。
いくつかの指標に沿って各国の文化が読み解かれており、今まで非合理とさえ思うこともあった他国の文化的慣習にも合理性があるのだと得心した。
「魚は水を見ることはできない」
まさに目から鱗だった。 -
1.海外の人と接する機会が多くなってきたので、困らないようにする
海外の人からみた日本はどうなのかを探る
2.異文化理解力は、異なる文化で育ってきた人達と接するにあたり、相手の発言、行動の違いを理解すること。そして、自分はどうみられているのかを分析することです。
これが備わっている人は、チームの皆が心地よいパフォーマンスを出せる環境を作り出すことができます。つまり、グローバル環境下においての気が利く人を意味します。
この本では、わかりやすく、二項対立で大きな枠組みを作り、各国がどこに位置しているのかを示しています。言葉1つとっても大きな勘違いを生んでしまい、失敗してしまうこともあるので、この理論を頭に入れておくと、対処法に迷いがなくなるようになることを目指している一冊です。
3.言っていることは、普段生活していることと変わらず、相手を理解することです。ただし、日本人同士と違って、難易度が跳ね上がります。例えば、日本はやんわりとした言葉を使って、場を上手くまとめたり、なだめることが好ましいとされています。一方で、オランダは、その逆で、どんどん自分の意見を言っていきます。何も知らない状態で接していると、関係性が崩壊していくのは目に見えています。
まず、相手がどんな教育を受けてきたのかなどの成り立ちを知ることが大切だと思いました。そこから、相手の言葉遣いなどをきにしていくことでしっかりと理解できるのではないかと思いました。 -
「文化は仕事に大きな影響を与えている」……技術一辺倒でやっていくと息を巻いていた10年前の自分にこんなことを言っても全く聞く耳を持たないであろう。しかし、実際に仕事をしていて、これを実感する機会は多い。やり取りや人間関係は仕事において本質的であり、そこでの人の動き方には文化的な背景が大きく影響している。
本書は、多国籍チームや国をまたいだビジネスにおけるやり取りや人間関係を円滑にするための知識とテクニックを伝える本である。文化的要因の強い国ごとの習慣の違いを8つのトピックに分けて議論する。各トピックで一つの大まかな指標を取り上げ、代表的な国がその指標に関して直線上にマッピングされる。例えば、最初に取り上げるのはコミュニケーションがローコンテクストかハイコンテクストか、というトピックである。ここでは、ローコンテクストな国が左に、ハイコンテクストな国が右に来るような図が示される。この図を見ることにより、コミュニケーションをする相手の国と自分の国の相対的な位置関係を理解し、本のアドバイスを活かすことができる。
例えば、面白いなと思ったのは、①ローコンテクストな国同士②ローコンテクストな国とハイコンテクストな国③ハイコンテクストな国同士、のどのパターンが一番厳しいか、というのがあった。正解は③である。文化的背景が異なるハイコンテクストなコミュニケーションは極めて意思疎通が難しい。一方で、文化的背景を共有するハイコンテクストなコミュニケーション、即ち日本人同士のようなパターンは、実はメリットもあそうだ。まず、主張を繰り返さないので、効率的である。また、意見の相違があっても、空気を読み合うので、関係性や調和を維持しやすい。自分はUSが中心となっている国際的なコミュニティへの論文投稿で、常になるべくローコンテクストに寄せるよう心がけて活動していたので、いつしかハイコンテクストなコミュニケーションは良くない物だとなんとなく思ってしまっていたが、言われてみるとその通りでメリットもあるなと思い、面白かった。
「文化」というとつい教養よりの非実用的な印象を持ちがちだが、この本はかなり具体的かつ実用的な本であると感じた。訳書なので日本を中心とした本ではないということがまた良い。例えば、2ヶ国以上が関わる多国籍なチームや社内の日本人が含まれていないようなチームに関して考えるときにも役に立つ。また、実際には日本人のみのチームを考える際にも役に立つように感じた。日本人の間でも個人差はあり、日本人同士を直線上にマップしコミュニケーションの課題を考えることもできるように思う。