「学習する組織」入門――自分・チーム・会社が変わる 持続的成長の技術と実践

著者 :
  • 英治出版
3.77
  • (25)
  • (22)
  • (23)
  • (7)
  • (2)
本棚登録 : 632
感想 : 36
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784862762108

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 漫画だと少し物足りなかった部分がよく理解できた。
    具体的で実践的。実際に使えそう。
    でも、これを仕事で適用するのは結構なエネルギーが必要だなと思うと、面倒になってしまう。。
    面倒さを乗り越えるほどの熱意や組織に対する愛がある人には良いツールだと思う。

  • センゲの「学習する組織」は、不思議な本で、読めば読むほど、味がでてくるというか、なんだか難しくなってくる。

    最初に読んだときは、「そうそう」みたいに読めたのだが、2度目、3度目となるにしたがい、理解と共感が深まるとともに、「これってどういう意味なんだろう?」「本当にそうなんだろうか?」といろいろな思いがわいてくる。

    一つの解釈には収まらない、さまざまな読み方が可能で奥の深い、いわば古典みたいなものなんでしょうね。

    読むたびに新しい気づきとインスピラーションを与えてくれる、いわゆる経営学を超えた本だ。

    とはいうものの、実用的、実践的に、どうするのか、と考えたときには、やや困った本でもある。

    コンセプト中心で、具体的なツールや取り組みのステップみたいな話しは、「それは組織の状態によって違うよね」という感じなので、初心者、実務者には、「そうはいっても。。。」な気持ちが残る。

    という「学習する組織」を日本の文脈に合わせつつ、実践にむけてどうするかという視点で、とても丁寧に、かつ直球で勝負したのがこの「入門」。

    「入門」というには、やや難しい感じもするが、センゲに比べれば、相当に分かり易いと思う。純粋な意味での「入門」は、同時期に出た「マンガでやさしくわかる学習する組織」のほうとして、こちらは「実践者のための入門」みたいな位置づけで考えた方がいいかな。

    内容的には、センゲの「学習する組織」をカバーしているのは勿論、「フィールドブック」や「U理論」の主要なポイントもおさえている。さらに、「行動探求」「アプリシエイティブ・インクワイアリー」など、「学習する組織」に関連の深いさまざまな手法にも言及しており、「学習する組織」ファミリー(?)全体がどういう位置関係なのかが分かり易い構成になっていると思う。

    また、章ごとに事例が紹介されており、エクササイズやツールの紹介もあって、まさに本を読みながら組織で「学習する」のに最適な構成になっていると思う。

    「入門」というレベルには収まらない深い洞察と日本の文脈における実践からの知恵がつまっており、さらっとした表現のなかにドキッとする文章もたくさん入っている。

    じっくりと味わいながら、できれば、グループで学習したい。

  • ピーター・センゲ『学習する組織』を元に、
    5つのディシプリンについて事例を交えながらわかりやすく説明しています。学習する組織は難解ですがこれなら何とか理解できそうです。

    『学習する組織』はあらすじを知ったから損することはありません。あとがきの方のp386から能力取得の段階、5つのディシプリンについてまとめてあるので、本当に初めての方はここから読むと良いと思います。

    事例について、問題と対策の方針を考えていくことが大まかな進行です。自分で読むのはもちろん、組織学習に実践的に導入することが効果的と思います。

  • 「学習する組織」入門――自分・チーム・会社が変わる 持続的成長の技術と実践
    著:小田 理一郎

    学習する組織は、新しい時代に求められる組織のかたちを、関係者たちが自分たちで見出していくためのプロセスと能力を提示する。対話、内省、振り返り、システム思考、ビジョン構築、Uプロセスなどの様々な学習プロセスがあり、こうしたプロセスを効果的に進めるために必要な学習能力が5つのディシプリンである。

    本書はそのディシプリンを根底として「学習する組織」について以下の9章により説明されている。
    ①学習する組織とは何か
    ②組織の学習能力
    ③自己マスタリー
    ④システム思考
    ⑤メンタル・モデル
    ⑥チーム学習
    ⑦共有ビジョン
    ⑧実践上の課題と対策
    ⑨組織の未来、リーダーシップの未来

    「学習する組織」とは、目的に向けて効果的に行動するために、集団としての意識と能力を継続的に高め、伸ばし続ける組織である。言葉としてはスッと受け入れることができるものの、原著は自分にとって手も足も出なかった。

    本書は原著を軸として日本の組織・風土にアレンジして記されている。理解しながら読み進めることができるのは、平易に書かれているというよりは、日本の現状と日本のこれからを見据えた形で記されているからである。

    内容としては、盛沢山でどれから参考にするか、現状消化不良の状態ではあるものの、本質的な捉え方を参考として軸に据えていきたい。

    今迄自身がいかに当事者意識が希薄に組織に関わってきたかというのを痛感すると共に、短絡的・短期的にその問題と向き合ってきたかがわかる。

    短期で対応をすることはもちろん必要ではあるものの、並行して長期的対応を信念を持ってやっていくかが大切である。

    本音と建て前という概念を持ってしても、もちろんことを成し遂げる時に、聞こえが良い方は本音を大事にすることである。しかし、組織にはびこる風土や空気感から建て前も上手に最適化しながら活用することで本音を活かすことができ、持続的な組織にとってもプラスの風を送ることもできる。

    ただ、目の前の全体最適を求めるのではなく、中長期的な全体最適を考えて取り組む大局観を叶える動きも必要となる。

    学習する組織を構成するのはもちろん人。
    当たり前であるも自信も学習し続け、成長し続ける必要がある。ひとりよがりの自己成長・自己学習とならないように、本書を参考に積み上げていきたい。

  • いいことはたくさん言っている気がしつつ、正直読みづらかった…入門書でこれだと原書はもっときついんだろうなと思った笑。自分なりにまとめると、大事なことは3つ。

    ひとつは、自分を理解すること。何のために生きているのか、そこに向かって正しく進めているのか、を問い続ける。

    ひとつは、複雑なことを複雑なまま理解すること。局所最適に陥ることを避け、全体最適を目指す。

    ひとつは、他者と協力すること。他者に対して自分がどんな偏見を持っているのかを認識し、それを脇に置く。加えて、共通のビジョンを持つ。

    ビジョンについて補足すると、ビジョンとは、道路の真ん中に自分の子どもが立っているとして、それを助けに行くときの衝動と同程度のものを喚起するもの。組織における共有されたビジョンとは、合言葉のようなものであって、それを合図に各自が自分の言葉で自分の役割を語れるもの。

  • ・『学習する組織』は正直読んでも分かりにくい。まずは『学習する組織』に目を通し、それなりに格闘したうえでよく分からないと思ったときに本書を読むと原書が言わんとしていることが良くわかる。

    ・原書をわかろうとするのではなく、概念としての「学習する組織」を理解するには本著を読むのが良い。5つのディシプリンとはどういうことなのかが本書のおかげでようやく分かってきた。

    ・事例が豊富で各ディシプリンの要点まとめが更に理解を助ける。

  • ダブルループ学習を抑える。
    フィードバックの要は気づきなので、メンタルモデルを認識する第5章をおさえたい。
    実践向きなので質問と想像が多め。

  • EQは、これを支える土台か。

  • 非営利組織の末端の部署の1スタッフである自分にはあまり参考にならなさそうであった

  • 学習する組織はかなりアカデミックと聞いたのでまずはこちらから読みました。官公庁やNGO団体、一般企業など幅広い組織学習の事例を取り込んでおり、イメージしやすい本でした。一定のレベルの会社でないと、実践するのはかなり大変そう。

全36件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

チェンジ・エージェント代表取締役。オレゴン大学経営学修士(MBA)修了。多国籍企業経営を専攻し、米国企業で10年間、製品責任者・経営企画室長として組織横断での業務改革・組織変革に取り組む。2005年チェンジ・エージェント社を設立、経営者・リーダー研修、組織開発、CSR 経営などのコンサルティングに従事し、システム横断で社会課題を解決するプロセスデザインやファシリテーションを展開する。デニス・メドウズ、ピーター・センゲら第一人者たちの薫陶を受け、組織学習協会(SoL)ジャパン理事長、グローバルSoL 理事などを務め、「学習する組織」、システム思考、ダイアログなどの普及推進を図っている。著書に『「学習する組織」入門』(英治出版)、『なぜあの人の解決策はいつもうまくいくのか?』(東洋経済新報社)など。訳書、解説書にアダム・カヘン著『敵とのコラボレーション』『社会変革のシナリオ・プランニング』、ドネラ・H・メドウズ著『世界はシステムで動く』、ピーター・M・センゲ著『学習する組織』、ビル・トルバート著『行動探求』(以上、英治出版)など。

「2023年 『それでも、対話をはじめよう』 で使われていた紹介文から引用しています。」

小田理一郎の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×