人口減少×デザインーー地域と日本の大問題を、データとデザイン思考で考える。

著者 :
  • 英治出版
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感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784862762115

作品紹介・あらすじ

人口減少は、私たちのライフスタイルから、都市計画や経済まで、様々なことに関連する複雑な問題です。本書はデータとデザインの力でその本質を明らかにします。人口減少に対し、身近な地域レベルで何ができるでしょうか。デザイン思考を使ってそれぞれの地域の状況に合った問題解決の指針を示します。

感想・レビュー・書評

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  • 人口減少について様々な項目を図や表で美しく表示しているのが画期的。
    人口の将来推計手法についての項は役立ちそう。

    婚外子は日本が2.2%だが、スウェーデン54.7%、フランス52.6%、デンマーク46.2%など欧米諸国との差に愕然。
    五つの提言の中で魅力的なもの
    小さい経済づくりのためのアクションとしてリサーチ、デザイン、ITのスキルを教育に組み込むこと
    ふるさと愛構築のためのアクションとして、地域の仕事を伝える、学校を守り磨く、都市市民と地域住民との交流事業

  • http://issueplusdesign.jp/jinkogen/
    こちらの特設サイトのビジュアルが好き
    この本の視点もユニーク

    ただ、△△市は○○型に当てはまる、という事例が多すぎてくどかったかなあとは思う。ゆえに結構ナナメ読み。

  • 本書は、人口減少問題について、大きく2つの側面からアプローチしている。
    それは、
    ①人口減少問題の本質を捉えること
    ②地域に問題解決の行動を呼び起こすことである。

    また、本書が斬新なのは、人口減少問題に関して、「デザイン」をかけあわせているところである。

    著者は、デザインについて、「デザインとは、複雑な問題の本質を一挙に捉え、(中略)社会に幸せなムーブメントを起こす創造的行為」と定義している。
    私たちは、「デザイン」の持つ意味合いをここまで考えたことがあるだろうか。著者の斬新なアイデアに脱帽した。

    まず、本書は、人口減少問題の本質について、インフォグラフィックスの手法を用い、わかりやすく解説している。
    日本の人口は、2010年の人口を100とした場合、2100年には、39人しかいない。

    人口減少問題の仮説として、著者は、
    ①既婚率の低下
    ②夫婦あたり出生数の減少
    ③若年女性の絶対数の減少
    と捉え、豊富なデータから実証している。

    また、本書では、人口減少問題へのアプローチとして
    ①女性中心の小さな経済をつくる
    ②縁を深めるローカルシステムを築く
    ③会社員女性をハッピーに
    ④ふるさと愛を最大化する
    ⑤非地位財型幸福をまちづくりのKPIに
    という5つの提言をしている。

    私は、全国的に見て、福井県が少子高齢化について様々な取り組みをしていることを知っていたが、それは、本書を読んで、「都道府県別の女性の就業率と合計特殊出生率に相関がある」ことを知り、理解できた。すなわち、働きながら産み育てる女性が多い地域では、家族や経済環境にも恵まれていることを意味する。

    「ワークライフバランス」という言葉がある。以前、私は女性が働きやすい職場の条件の一つとして、「夕方5時以降に会議を入れない」といわれたかたの講演を聞いたことがある。本当に「働くママの視点」に立ち、細やかな対策をしていく必要がある。

    いま、国は、「地方創生」を掲げており、各自治体が知恵を絞り、今後のビジョンを描いている。
    でも、私は、本書を読み、ふるさとに愛着を持ち、働き、産み、3人育てられる条件が揃えば、住民の幸福度もあがり、人口減少問題の解決にもつながることを改めて認識した。

    日本の最重要課題である人口減少問題を解決するには、「働くママ」を応援するため、家庭、事業者、そして行政がそれぞれ問題意識を持ち、取り組んでいかなければならないことを痛感した。

    地域、そして、日本という国をのこすため。私たちは、常に人口減少問題を念頭に置きながら、いますぐ、出来ることから、アクションを起こしていかなければならない。

  • 人口減少を数字で見る本だなーと感じたけど、図表も取り入れられていてわかりやすく、そして面白く読めた。
    もう一つ思ったのは、女性が生きやすい社会にならないと、人口減少を解決するのは難しいのかなってこと。

    提言1女性中心の小さな経済をつくる

  • 【由来】
    ・増田インタビューで、地方創生ビジネう本があるらしく、その本のamazon関連。

    【期待したもの】

    ※「それは何か」を意識する、つまり、とりあえずの速読用か、テーマに関連していて、何を掴みたいのか、などを明確にする習慣を身につける訓練。

    【要約】


    【ノート】


    【目次】

  • 江戸時代は国内で経済が回っていた。その時の人口は3000万人。
    コンパクトシティは進めると県内だと県庁所在地に。日本だと東京に集約しようという考え方。人は自分より中心には目を向けないが周辺には圧力をかける。

  • 人口減少の仕組みなどについてかかれています。なんとなく感じる小さな疑問を解決してくれる本です。グラフや表などが多くて見ていて楽しいです。読むのに時間はかかりませんでした。
    人口減少の最大の要因は
    ①夫婦あたりの出生数の低下
    ②既婚率の低下
    ③若年女性の絶対数の低下
    人口減少の仕組みをさまざまなパターンに分類してシミュレーションしたものなども見れます。

  • これまでi+dのセミナーやワークショップなどで聞いたことのあることも多かったけれど、「人口減少」という課題を、どう捉え、どう解決しようとしていこうと提案しているのかが、各地で動き始めている事例とともに、とても分かりやすい一冊だった。独身女性の課題のあたりはあまり客観的には読めなかったけれど。

  • 人口減少によって今後日本がどうなっていくのか、豊富な図表で明らかにしてくれる。そして人口減少をどう食い止めるのかその対策が提言されている。ただ、TPPを初めとして今の日本が向かっているのはこの本に書かれていることとは真逆の方向だ。

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著者プロフィール

issue+design代表 / 慶應義塾大学大学院SDM研究科特任教授

「2023年 『認知症世界の歩き方 実践編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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