本とあるく旅 (わたしの旅ブックス)

著者 :
  • 産業編集センター
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感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784863112711

作品紹介・あらすじ

旅のかたわらには、いつも本があったー

本を片手に、本に誘われるように旅を重ねてきた著者が、旅先での本をめぐる断想を綴ったエッセイ集。
名作の舞台、作家の故郷、そして思いかげない本や物語との邂逅。「本と旅」をこよなく愛する著者ならではの視点と感性が光る。
本に導かれて旅をすることの楽しみ、旅の風景の中に昔読んだ本の物語が蘇ってくる感動。読書の愉楽と旅の醍醐味を、
居ながらにして存分に味わうことができる一冊。

感想・レビュー・書評

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  • わたしの旅ブックス叢書の一冊。
    著者も全く縁がなく、取り上げられた本もほとんど読んだことはない。本や著者にまつわる旅先のエッセイ。華々しい観光地でなくても、名所でなくてもこういう思索をめぐらしながらの旅も良いなぁと思える。深く掘れば掘るほど楽しみは深くなるなぁ。読んでみたい本もまた増えた。全く知らない著者に触れることも知らない土地を旅するのに似て思いもよらない発見がある。これはもうアドベンチャーだね。

    読みたくなった本
    放浪記
    洟をたらした神
    二ロースク小浜島の風だより
    三陸廻り
    ある明治人の記録 会津柴五郎の遺書
    幻燈辻馬車
    故郷へ帰る道

  • 『本とあるく旅』森まゆみ

    森まゆみさんの本が好きだ。

    歴史と旅と本のかかわり。

    嵐山のLondon Booksで50円で手に入れた『谷中スケッチブック』も大好きな本で、トイレに置いて(ごめんなさい)何回も読んでいる。

    これも、名作の舞台や作家、その関係者の故郷を訪れるエッセイがまとめられている本。

    一番行きたいなあと思ったのは三島由紀夫『潮騒』の神島。存命のモデルに話を聴いている。

    正岡子規が果物好きという話も良い。消えゆく命のゆらめきと瑞々しい果実の対比。しかし正岡子規が果物を食べている様を思い浮かべると、どうしても香川照之が浮かんでくる。根岸の記念館(亡くなるまで住んでいた家)を行った時もずっと頭に香川照之。同行した連れもそう言ってた。そういえばあそこ、近くにラブホテル街があったなあ。

    山田風太郎は郷里の大先輩だが、記念館には行ったことがない。関宮というのは不便すぎるのだ。しかしあんなところに記念館を作ったのはすごい。森さんが訪れた、保存されている母校旧制豊岡中学の県文化財の建物とは、同窓会の達徳会館のことだ。僕は在校時、入ったことなかったけど。

  • 書名から旅のお供の本という印象を持って
    しまいますが違います。

    例えば日本中のどこを旅しても、その地に
    ゆかりのある人はいます。それが石碑など
    になっているのを見つけて、「ああ、あの
    人はここの出身だったのか」と気がつくこ
    とがあります。

    その時、当然本などからその人に関する知
    識がないと、何も感じることもなく全く感
    慨にふけることもなく通り過ぎてしまいま
    す。

    これでは旅の魅力も半減されてしまいます。

    有名な観光地や著名な人の出身地でなくて
    も、本から得た知識と結びつけられる場所
    は至るところにあります。

    旅は自分自身の体験によって、いかように
    も感じ方が変わることを知る一冊です。

  • 名前だけ知っている作家、名前すら知らない作家の話ばかりなのに、引きこまれて最後はどの人もみんな友だちのように思えた。ハンセン病への偏見を持たず、病にかかった作家を励ましつづけた川端康成のエピソードが特に印象に残った。

  • 函館で啄木一族の墓を立待岬で見た。妻が一年後、娘達が、若くして同じ肺結核で亡くなったとは、知らなかった。

  • 著者が日本各地を訪れ、その地に縁のある作家、作品を紹介するエッセイ。
    これまで知らなかった気になる作品を幾つか発見、それが収穫。
    そして、幾つか、旅をする目的はあるが、作家、その作品を縁に、その地を訪れるのも面白い。(新たな発見)

  • 「本が好きなんです」というと、インドア派と思われがちである。本好きな人が、実は意外とアウトドア派だということは、世間一般にはあまり知られていない(と思う)。

    本を読むと、その舞台や作家ゆかりの地を訪ねたくなる。知識が増えると、旅はより豊かになる。

    本を読めば旅をするのが楽しくなり、旅をすれば本を読むのが楽しくなる。この相乗効果を最大限に発揮しているのが森まゆみさんの『本と歩く旅』という紀行エッセイだ。

    林芙美子の像が建つ尾道、道後温泉本館の「坊っちゃんの間」、湯ヶ崎の湯本館の川端康成の執筆部屋。著者の知識の豊富さに圧倒されつつ、頭の中は旅の計画でいっぱいになった。

    さて、次はどこに行こうかな?


    p82
    尾道の駅前にも、着物姿でしゃがんだ林芙美子の像が建つ。

    p83
    一時、志賀直哉が住んだという家も高台にある。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/745347

  • ミニコメント
    わたしの旅ブックシリーズの1冊。旅先と本をリンクして2倍、本を楽しめそう!!

    桃山学院大学附属図書館蔵書検索OPACへ↓
    https://indus.andrew.ac.jp/opac/book/640698

  • 20201122 旅と本のエッセイ。本の読み方として新鮮な感じがして紹介された本を読み直したりしてみた。本を持って各駅停車の旅、してみようと思う。

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著者プロフィール

1954年生まれ。中学生の時に大杉栄や伊藤野枝、林芙美子を知り、アナキズムに関心を持つ。大学卒業後、PR会社、出版社を経て、84年、地域雑誌『谷中・根津・千駄木』を創刊。聞き書きから、記憶を記録に替えてきた。
その中から『谷中スケッチブック』『不思議の町 根津』(ちくま文庫)が生まれ、その後『鷗外の坂』(芸術選奨文部大臣新人賞)、『彰義隊遺聞』(集英社文庫)、『「青鞜」の冒険』(集英社文庫、紫式部文学賞受賞)、『暗い時代の人々』『谷根千のイロハ』『聖子』(亜紀書房)、『子規の音』(新潮文庫)などを送り出している。
近著に『路上のポルトレ』(羽鳥書店)、『しごと放浪記』(集英社インターナショナル)、『京都府案内』(世界思想社)がある。数々の震災復興建築の保存にもかかわってきた。

「2023年 『聞き書き・関東大震災』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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