- Amazon.co.jp ・本 (140ページ)
- / ISBN・EAN: 9784863132818
作品紹介・あらすじ
中央アジアのキルギスで、仲間を連れた若い男が、嫌がる女性を自宅に連れていき、一族総出で説得し、無理やり結婚させる「誘拐結婚」。世界が注目する受賞写真でつづる、衝撃の「慣習」。気鋭のフォトジャーナリストが、1カ月の追加取材を経て届ける、待望の初写真集!南仏の報道写真祭「ビザ・プール・リマージュ」特集部門最高賞「ビザ・ドール(金賞)」、全米報道写真家協会「フォトジャーナリズム大賞」現代社会問題組写真部門1位。
感想・レビュー・書評
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キルギスの誘拐結婚について紹介する写真集。
「誘拐結婚は人権問題で、問題提起のために発表する」のか「慣習としての誘拐結婚を文化紹介として発表するのか」どう伝えるのがベストなのか、著者が悩んだように、読者もこの現実をどう受け止めたらいいのか、簡単には答えが出ない。
20世期に入り、キルギスがソ連の共和国になったことと、馬から自動車に交通手段ご変わったことが、強引な誘拐結婚の増加に寄与しているのではないかという見解は興味深い。
重い現実。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
本書に載せられた写真は力強く、一度見たら忘れられない。今、自分がいる場所が明らかになる。私は今、キルギス社会に生きているわけではない。「アラ・カチュー」と呼ばれる行為が慣習なのか、犯罪なのか分からない。人口500万人余りの国が抱える歴史や問題も知らなかった。けれども、私が歩む一歩一歩にこの写真集が影響してきていることを感じている。林典子氏のフォト・ジャーナリストとしての覚悟と共に、目にすべき一冊だと思う。
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ショッキングな写真が、なんて書いてあるから恐る恐る見たけど、そんなことなくて安心。
「誘拐結婚」という習慣があることも知らなかった。
新郎は、泣き叫んで抵抗してやがて観念して諦めた女性に、毎日どういう気持ちで向かい合うのでしょう?
終わりよれけば全て良し?
何より、新婦は、どれだけのことを諦めたり憎んだりしたらいいんだろう。
悪しき慣例、助けてくれない家族、味方になって欲しいのに説得にまわる新郎の家族の女性。
子供が産まれるまでにそれはそれは無理をして気持ちの整理をしているのでしょうね。
誰か、キルギスの男性に、誘拐しなくていいんだよと、口説く楽しさを教えてあげてください。 -
可哀想で涙が出ました
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キルギスの「誘拐結婚」という「慣習」についての写真集。
ジャーナリストは、取材中に目の前で起きている現実に、干渉すべきなのか。 -
ノンフィクション
写真 -
不思議。誘拐という形で無理やり1、2回会ったような男に連れてこられて結婚させられる。数時間泣き叫び抵抗しても、数時間すれば受け入れてしまう彼女たち、そして受け入れるのが「当たり前」もしくは「仕方がない」となってしまっている風習、習慣、価値観。息子が誘拐した女性を説得する息子の母親たちの存在。すべてが不思議だった。
誘拐する男性も、チンピラとか犯罪者ではなく、ごく「普通(何が普通なのかも私の価値観ではあるのだけれども)」の人たちで、優しそうな家族がいる。誘拐された女性の家族も、娘を差し出すパターンもあるし、連れ戻そうとするパターンもある。
法律次第で善悪なんてコロコロ変わるし、何が道理的で、倫理的かどうかなんて、他の国の者が自分の国の価値観に照らし合わせて勝手に善悪をつけることではない、ということもわかる。だから、不思議としか言えない。 -
帯文:”世界が注目する受賞写真でつづる、衝撃の「慣習」。気鋭のフォトジャーナリスト、林典子が、1ヵ月の追加取材を経て届ける待望の初写真集!” ”中央アジアのキルギスで、仲間を連れた若い男が、嫌がる女性を自宅に連れていき、一族総出で説得し、無理やり結婚させる「誘拐結婚」。”
目次:はじめに、キルギスという国、チョルポン、ファリーダ、ウルス、アイティレック、アイペリ、ディナラ、それぞれの肖像、あとがき、著者プロフィール