- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784864010054
感想・レビュー・書評
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ソフトウェア開発という歴史の浅い製品開発とはどういう性質のものか、どこに問題が潜んでいるか、どう対応するか、なぜ困難かを1975年にまとめている。
そして驚くべきことが、2020年現在においても置き換え可能なものばかりで、悪く言うと解決していない、ということ。
プロジェクトにおいてスケジュール以内で終わったものはほとんどない、であったり、要員追加が解決方法ではない、など。
そしてテクニカルな問題というよりも、社会学的な問題、というところが存在し、コミュニケーション工数の増加、引いてはコンセプトが散在し、よくわからないものができてしまう。
ますますこの傾向は加速するとみられる、なぜなら現状までのシステム化は現在の業務をいかにデジタルに置き換えるか、というところが主流だったが、今後はデジタルを使って新しいビジネスを行う、という断面に来ているため、ますますコンセプトの統一や一貫性を持たせ続けてプロジェクトを完走することは困難になる。
そしてアジャイルへ、ということが現在主流だが、驚いたのは当時からデモプロトやとにかく動くものを作る、ということがすでに語られていること。想定するに、当時は逆にそういうことを行う必要性がなかったのだと思われる。
テクニカル面ではクラウドの発展でインフラを意識しないこともできるようになってきているが、本書で書かれているのはそういったポイントではないため、解決策とはなりきれない。つまり銀の弾は未だに存在していないということだと言える。他社との協業などますます複雑性は増していると思われる。
また、アーキテクトの統一のための組織論、役割分担も語られており、今でも通用するないようばかりであり、
いかに難しいものを扱っているか、ということを痛感するばかり詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
36年前に上梓された本とは思えない。
それぐらい含蓄のある名著。
逆に言うと、この36年間、ソフトウェアエンジニアリングの世界は何をやっていたんだという軽い絶望感を味わえる本。
本文中にもあったと思うけど、ソフトウェア開発ってのは大規模になればなるほどステークホルダーとして多くの人間が関係し、人と人とのトランザクションが発生する。
そういった意味で、エンジニアリングとはいうものの、多分に社会科学的な要素を含むんだろうな。
コンピュータサイエンスみたいな自然科学寄りの分野の進歩と比較しても仕方ないのかも。
だからこそ、ソフトウェア開発に携わる人間としては、ソフトウェアエンジニアリングの技術的側面だけでなく、心理学であったり社会学であったりマーケティングであったり組織論であったりEQであったりリーダーシップであったり、そういったもやっとしたウェットな領域もカバーしないといけないんだなと。
これからの道筋が少し見えた気がします。 -
この本を読まなければエンジニアがなぜ苦しむのか理解できなかったであろう。
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古典だけどなんだかんだいいと思ってる
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アジャイルサムライ参考資料
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2014.08.14 hyoshiokさんのブログより
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一部現代にも通用するが全体として小難しい
ITの分野で時々名前をきく本。興味があったので借りて読んでみた。
1980年代付近に書かれた本で,ソフトウェア開発に関する問題について書かれている。よくきくのは2章の人月に関する話と16章の銀の弾丸の話。
ソフトウェア開発に置いては,人と月は交換可能ではない。新しく人を投入しても教育やコミュニケーションのコストあるので,むしろ効率が悪くなるという話。
昔に書かれたので,内容は全体的に古臭い。そして,学者が書いたのか,翻訳が悪いのか長くて堅苦しくてわかりにくくて読みにくい。たしかにソフトウェア開発に関する問題としては今でも通用するところがあるかもしれない。
しかし,単純に読みにくいし過大評価されすぎだと思う。 -
数年の積読を経て、ついに、今こそ読まれる日が来た。ということで読んだ。(後半は結構飛ばした)
"コストは実際に人数と月数の積に比例する。が、進捗はそうではない。…人と月が交換可能になるのは、多くの作業者の間でコミュニケーション(意思疎通)を図らなくても、仕事が分担できる場合だけである。" -
内容は古いがコミュニケーションの重要性が参考になった。