- Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
- / ISBN・EAN: 9784864107419
作品紹介・あらすじ
あれから9年、悲しみをのりこえるために、人はどんな物語を必要としたか、"心の復興"の記録です。
異例の共感を呼んだロングセラーを、復興五輪を前に文庫化!
被災地で取材した不思議なエピソードを大幅に追加しました。
感想・レビュー・書評
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宇田川敬介『震災後の不思議な話 三陸の怪談 増補文庫版』飛鳥新社。
東日本大震災を民間伝承や民話、不可思議から描いた作品。恥ずかしながら怖いもの見たさの興味本意で読み始めたのだが、作品全体に暖かさを感じる秀作であった。
あの未曾有の大震災により我々は自然の猛威と人間の無力さを痛感した。思い半ばで死を受け入れざるを得なかった多くの方々、家族を失い、故郷を失い、生きることに罪悪感を感じている多くの方々……思い出せば哀しい気持ちになるが、前を向いて生きていきたい。
本体価格700円
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読みたいと思っていた本が文庫本になったので買いました。
複数の人が見た、と言った事実からすると、本当にその時期にそういうことがあったのだと、思います。
荒俣宏の帝都物語を読んだこともあったので、ベースに流れている、神、仏と日本の関わりに関する記述は、違和感なく読めましたが、人によっては苦手かもしれません。
亡くなった方にまつわる不思議な出来事の数々は、亡くなってもなお、人は人なのだと再確認させてもらいました。
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東日本震災から早9年が経過。いまだ遅々として進まない復興の現状、そして過疎化する被災地。膨大な数の人たちが、不幸にも犠牲となり、いまだご遺体が見つからないケースも多い。震災後、当地での不思議な話、体験話、それが著者のインタビューで集められて収録されたのが本書。心温まる話、しかし悲しく切ない話、勇気を与えられる話等々が紹介されている。
ただし、著者による解説や東北に伝わるといった昔話・怪談話が必要なのか、甚だ疑問。また、文体・文調は読みにくく、独特な句読点の付け方、「かもしれない」の連発は、いささか辟易した……。 -
一万円選書で入っていた、魂でもいいからそばにいて、に続いて読んでみた。Amazonアンリミテッドで読めた。
東北の民話が紹介されたり、愛する人を津波で亡くした人から聞いた話や、突然津波で亡くなった人が自分の体を探すために幽霊で現れたりする話が紹介されていた。
興味深い話が多かったが、個人的には魂でもいいからそばにいて、の方が心に訴えかけてくるものがあり、好きだと思った。 -
全体のボリュームに対して聴き取った話の割合が少ないのが残念でした。巻末の話から聞き取ったメモ自体は結構な量がありそうだったのに惜しいです。
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命を落としても子どもを守ろうとした母親の話は堪えた。