プラド美術館の師

  • ナチュラルスピリット
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784864511834

作品紹介・あらすじ

絵を通して霊的世界へ誘う。見事な手法と解釈で名画に隠されているメッセージを読み解く。そして、驚くべき結末が待っていた…。2013年スペイン国内フィクション部門年間ベストセラー1位!

感想・レビュー・書評

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  • キリスト教関係、奇跡の話は好きなので面白かった。
    西洋美術には秘密があるとよく言うけれど、見ても全然気づけないので、美術の観点からもこの内容は面白いと思う。画集を広げながら読み進めた。

    ダン・ブラウンの謎解きのわくわく感はないけれど読後はほんわかした気持ちになる。他の作品も読んでみたい。

  • 絵画紹介と小説の中間くらい。ラファエロ、ティツァーノ、ボス、ブリューゲル、エル・グレコなどそうそうたるプラド美術館の名画が多数カラーの図版付きで掲載され(快楽の園の折り込みなど丁寧な出版形態にはおおいに感謝したい)、「イエスが二人いた」「聖杯の秘密」など、絵画の背景の宗教思想を中心とした”常識を覆す解釈”による”絵解き”が繰り広げられる。
    西洋美術が好きなので面白かったが、日本人にはなじみの薄い古典絵画と宗教と歴史ネタ満載の本書がスペインでベストセラーになったとは恐れ入る。さすが、師が言うとおり「ヨーロッパ人は何世紀もの間、神話や伝説、聖書の物語の中で生きている。真の知的財産だ」「西洋キリスト教圏で育った者は何から着想を得たかを即座に思い浮かべられる。われわれの持つ”文化的記憶”とも言えるだろう」という社会だ。
    フィクション部分はあってないようなものというか、弱いし甘い。師の正体の種明かしも特に面白いものではない。

  • 「ダヴィンチ・コード」のような話かと思えばそうではなく、美術鑑賞用の裏話かと思うとそうでもない。
    ストーリー仕立てにはなっているが、章ごとにプラド美術館に収蔵されている作品の中から選ばれた作品が、歴史の中でどのような思いや願いが込めて作られているのかを、その時代背景、とりわけ宗教的な位置づけを背景に詳しく説明されていて、一幅の絵の中にそれほどまでのドラマがあったのかと驚かされる。きっと今度から絵(特に宗教的なモチーフの作品)を見る時には、もっと作者(もしくはそのパトロン)が込めた意味を読み取ろうと思うようになるだろう。

    ただ、ヨーロッパの目まぐるしく変わる政治的、そして宗教的な背景説明が多いので、世界史に疎いこちらとしては意味が分からない部分も多く残念。歴史に興味があればより一層面白かったろうに。
    それにストーリー仕立てと言っても、骨格が中途半端でキャラも魅力が無くとってつけたような感じがするのは残念。
    作者の膨大な絵画や時代背景に対する知識はわかるが、ストーリーテラーとしては今一つ。

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