ホスピタルギャラリー

制作 : 板東 孝明 
  • 武蔵野美術大学出版局
4.20
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本棚登録 : 49
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784864630450

作品紹介・あらすじ

病院の待合室で不安な気持ちでいる人に、デザインは何ができるだろう?
2008年、徳島大学病院に小さなギャラリー設置を提案した深澤直人。
しかも展示するのは、武蔵野美術大学造形学部基礎デザイン学科「形態論」の学生作品。
ものと行為をとことん観察し、そこから新たなかたちを見出す「形態論」。
「定規」と出題されれば、蚊取り線香に目盛りをつけて提出する学生。
「手」と言われれば、出来たてのクリームパンが登場(ただし紙粘土)。
あっと驚き、思わず笑ってしまう。そうだ、この瞬間を届けよう!

真剣にかたちに取り組む学生作品は、
訪れる人びとに、新鮮な驚きや共感を呼び覚ます。
さまざまな感情が「感想ノート」に溢れ、
ギャラリーはいつしか、ほっと和む空間へと変化していく。
大学病院と美術大学、異色コラボの結晶!

感想・レビュー・書評

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  • ◆対象
    医療従事者、芸術に関する仕事をしている人、家族に病院通いの方がいる人

    ◆この本を購入した経緯
    仕事に関すること。

    ◆感想とまとめ
    医療と芸術という一見関わりの無い二つの分野が交わったときに何が生まれるか。
    最近はアートによる地域振興も活発化しており、芸術の実用的な部分も目立つようになってきたが、このホスピタルアートという考え方もその実用的な部分の一つである。
    本書では、病院という非日常空間にアートを置くことでほんのわずかでも日常を思い出してもらうと書いてあった。個人的には、マイナスの非日常空間にプラスの非日常空間を作ることでマイナスの非日常を打ち消すのかなと感じている。
    内容のほとんどが作品紹介とそれを見た方々の感想であり、深沢直人や病院長の言葉は最初と最後にしかない。もう少し運営者側の言葉や取り組みについても書かれていたら読みごたえがあったかなと思う。

    ◆書いてあること
    ギャラリースペースの狭さが作品との近さになる
    既存の成功例ではなく新しい挑戦を

    ◆印象に残った文章

  • 公共施設のアートとは。
    さまざまな立場の人に対し、何を提供したいか突き詰めて考える、深澤さんの緻密なデザインが素敵。

    学生たちがつくった実際の展示作品も多数紹介されていたが、どれも発想豊かで面白く、実物が見たくなった。

  • 「細部に神宿る」
    だったかな…

    まさに、そのままのカタチが
    ここにある

    私たちは健康すぎることが当たり前になってしまうと
    いろいろなものが見えなく、聴こえなくなってしまうのかもしれない

    美術館でないのが素晴らしい
    いや これこそ理想的な美術館の姿なのかもしれない

    今 この時代に このような形で
    心を停める「場」が創りだされていることが尊い

  • 7月新着

  • 貸し出し状況等、詳細情報の確認は下記URLへ
    http://libsrv02.iamas.ac.jp/jhkweb_JPN/service/open_search_ex.asp?ISBN=9784864630450

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著者プロフィール

1956年 山梨県生まれ
1980年 多摩美術大学プロダクトデザイン科卒
1989年 渡米、IDEO入社
1996年 帰国、IDEO東京支社長
2003年 NAOTO FUKASAWA DESIGN設立

卓越した造形美とシンプルに徹したデザインで、イタリア、フランス、ドイツ、スイス、北欧、アジアなど世界を代表するブランドのデザインや、日本国内の企業のデザインやコンサルティングを多数手がける。電子情報機器から家具・インテリアに至るまで手がけるデザインの領域は幅広く多岐に渡る。

「行為に相即するデザイン」「意識の中心」「ふつう」「輪郭」「典型」など、自らのデザイン哲学をこれらの言葉で表すとともにデザインの具体を通してその実践を続ける。デザインのみならず、デザインを通して対象の本質にせまる力、その思想や表現などには国や領域を超えて高い評価を得ている。

人間の意識していないときの行動の中にデザインのきっかけがあることを見い出し、それを「Without Thought(思わず)」と名付けた。1999年からはその名を使ったデザインワークショップを毎年開催し、書籍とともに発表を続けている。

米国IDEA金賞、ドイツiF design award金賞、日本グッドデザイン賞金賞、英国D&AD金賞、ドイツred dot deign award、毎日デザイン賞、織部賞など受賞多数。「MUJI」壁掛け式CDプレーヤー、「±0」加湿器、「au/KDDI」INFOBAR、neonはN.Y.MOMA所蔵品となる。2007年ロイヤルデザイナー・フォー・インダストリー(英国王室芸術協会)の称号を授与される。フランス国立セーブル製陶所招待作家。

21_21Design Sightディレクター。良品計画デザインアドバイザリーボード。マルニ木工アートディレクター。2010年〜2014年グッドデザイン審査委員長。
2012年Braun Prize審査委員。日経優秀製品・サービス賞審査委員。毎日デザイン賞選考委員。
多摩美術大学統合デザイン学科教授。2006年Jasper Morrisonと共に「Super Normal」設立。2012年7月より日本民藝館五代目館長。

著書には「デザインの輪郭」(TOTO出版)、共著書「デザインの生態学-新しいデザインの教科書」(東京書籍)、共著書「デザインの原型」(六耀社)、作品集「NAOTO FUKASAWA」(Phaidon)がある。2008年には「THE OUTLINE 見えていない輪郭」写真家、藤井保氏との展覧会を開催、同タイトル書籍を出版(アシェット婦人画報社)。

「2017年 『AMBIENT』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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