チャイルド・プア2 貧困の連鎖から逃れられない子どもたち

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  • TOブックス
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  • Amazon.co.jp ・本 (239ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784864724210

作品紹介・あらすじ

子どもの6人に1人が貧困状態。それは「女性の貧困」問題でもあった。NHK報道番組の書籍化シリーズ第2弾!

感想・レビュー・書評

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  • 前著『チャイルド・プア』の記憶もまだ新しい中、本書が刊行されたと知って手にした。

    前半は川崎の中1少年殺害事件から考える子どもの貧困について、中盤はNHKの番組のための取材をもとに、東京都内でソーシャルワーカー的な活動を長くしてこられた原和夫氏の取り組みを、そして最終章では、札幌の社会福祉法人の取り組みを紹介している。

    先日、商業高校で教師をしている知人からも、優秀なのに大学に行かない生徒がとても多い、母子家庭も本当に多い、という話を聞いた。商業高校だからこそなのだろうということだった。
    見ようとしなければ見えない子どもの貧困は、注意を払わないから気づかないだけで、すぐそこにあるものだという気がした。

    本書で紹介されている原氏の活動は、おそらくこのような子どもの貧困を解決するのに、最も効力を発揮する方法なのではないだろうか。
    ただ、それには人材の確保と息の長い支援活動が不可欠で、そのことがこの問題の早期の解決を難しくしているともいえる。

  • 最後まで読み終わらなかった…(図書館の本)
    どんな学校にも、地域密着型の世直し先生みたいなソーシャルワーカーが存在していれば、少しは子供の助けになるのにな。

  • 配置場所:2F書架
    請求記号:369.4||A 62||2
    資料ID:W0182440

  • 不自由無く、育ててくれた親に改めて感謝しようと思えた。

    7年前に既にこのような状況が日本にあることに衝撃を受けた。

    今の日本は、臭いものに蓋をしている状況にしか見えない

    最悪の状態から改善されていくことを
    微力ながら祈ってます

  •  この問題には感心があるため興味深く読んだ。本の内容は解決策の提示ではない。チャイルドプアについての統計の紹介をした後、実際にチャイルドプアの問題に取り組んでいる個人あるいは団体の事例をあげ、紹介するものだった。私は個人が善意で支援することには限界があると思う。効果が限定的であり、継続・安定性も不安定だからだ。本書の事例をもとにチャイルドプア問題の対策に何が必要なのかを感じ、システムを変える(作る)必要があるのだと思う。

  • 子どもの貧困の背景には、親の貧困がある。
    日本の社会保障の仕組みは、父権的家族制度が基本なので、シングルマザーや婚姻外出生児には冷たいと思う。
    自分自身を肯定できる温かい人間関係や支援の中で、立ち直っていける事例が本書で紹介されている。様々な支援に共感する一方で、支援者の献身的な努力があってようやく成り立っているとも思う。
    すべての子どもがその子らしく生きていける日本になるまでの道のりは長い。

  • 読むと悲しくなるが、これはどこか遠い国の話ではなくわたしたちが住む日本の話なのだ。記憶に新しい川崎・中1男子殺害事件の例。地元の小中学校の校長や教員と信頼関係があり、児相や役所、弁護士、カウンセラーと連携できる人物を学校現場に取り入れて成功した例。シングルマザーの就労支援、精神面のケア、住む場所、子どもの学習支援まで行う社会福祉法人の例。シングルマザーの半数が貧困状態だったり、不登校の子どもの背景に家庭の貧困があったり、そんな話に縁がない人もいるだろうから、そういう人にこそ手にとってもらえたらいいなと思う。

  • 前作に引き続き、子どもの貧困について。

    川崎事件のこと、地域で子どものために活動されている方のことが丁寧に紹介されています。

    著者の方のお人柄が伝わってきて、厳しい状況の中にも生きることへの可能性を感じ取ることができました。

    一人ひとりが自分ごととして、自分のできることを、自分のできる形で行っていけたらいいなと感じました。

  • 川崎市の中学一年生殺害事件への背景にあるものは、母子家庭による貧困が原因のひとつである、ということについて、何も反論はない。夫のDVから逃れるため離婚し、子供五人を抱えて両親の近くへ引っ越したものの、高齢の両親の介護も重なりパートを掛け持ちしても生活は苦しく、そんな母親自体に時間も精神的な余裕もなく、、という背景から最悪のことになってしまった。
    その母親について、有名な女性の作家は痛烈な批判をした。恋愛している暇などないと。子供が大人になるまでは女を捨てろと。
    よくわからない。それでも作家かと耳を疑う。
    どうでもいい事だが、私は、シングルマザーという言葉が好きではない。どうしてもその語感が、1人で頑張ってる大変な私、というイメージがあり、自分自身片親で育ち、以前の職場ではシングルマザー達から、夫がいる人は楽などと言われた事もあったので。共稼ぎよりリッチで恵まれたシングルマザーもいる。
    何が良いのか大変なのかなんて、一概に言えない。だからなるべく、シングルマザーという言葉が嫌いでも、先入観を持たずにこの本を読むようにした。

    ワガママな理由で離婚し、貧困が原因で子どもを虐待したり、、そんなケースには呆れるしかないが、人はそれぞれ我慢を入れるキャパに大きな差があるので、子どもがいるにも関わらずすぐ離婚を選ぶ人のことは、責めても仕方のない事なのだ。

    東京都の原さんはスクールカウンセラーとソーシャルワーカーのような仕事を無給で長年やっており、学校からの信頼も厚く、卒業式の一場面を読んだ時に、原さんの人間としての力の最骨頂を見た思いだった。

    子どもの貧困の原因は、地域の繋がりの希薄と、人の成熟度の低下であると、つくづく理解した。
    いま、自分にできる事はなんだろう。今後の自分の生き方に影響を与えた本だった。

  • 369.4

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著者プロフィール

日本バトラー&コンシェルジュ株式会社代表取締役社長。大学卒業後、米国企業日本法人勤務を経て、日本バトラー&コンシェルジュ株式会社を設立。フォーブス誌世界大富豪ランキングトップ10に入る大富豪、日本国内外の超富裕層を顧客に持つ同社の代表を務める傍ら、企業向けに富裕層ビジネス、顧客満足度向上、ホスピタリティに関する講演、研修、コンサルティング、アドバイザリー業務を行なっている。Amazonランキング1位(投資・金融・会社経営)、総合3位を獲得した『執事だけが知っている世界の大富豪58の習慣』(幻冬舎)など著書多数。著書は海外でも翻訳出版され、累計発行部数は30万部を超える

「2018年 『執事が目にした!大富豪がお金を生み出す時間術』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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