ぶどうのなみだ

著者 :
  • パルコ
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本棚登録 : 546
感想 : 48
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  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784865060874

感想・レビュー・書評

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  • 日帰りの空知エリア旅に。

    DVDで観た時には
    あの楽団はなんだ(`‐ω‐´)?とか
    何故に穴を掘り続けるのだ(`‐ω‐´)?とか
    最初からあまり真剣に観ていないせいで(笑)
    まったく楽しめなかったが

    本を読み始めたら最初の運命の樹のエピソードだけで先が楽しみに(笑)電車の中で一気に半分まで読み進めてしまいました

    読み終えて──碧(アオ)と緑(ロク)の由来
    その名前をつけた結(ムスブ)のこと
    エリカの由来などなどステキなエピソードがたくさんで、もう一度DVD観てみようかなと思いました

  • しあわせのパンが大好きで、こっちもみるしかない!と思って購入
    登場人物達がみんな不器用な感じで…それが良いんだと思うけどあんまり感情移入が出来なかったな
    でも北海道の広いくて美しい風景が浮かぶ素敵な本だと思う。

  • 北海道・空知を舞台にワインに情熱を注ぐ兄のアオ(碧)と、地に足をつけ麦を育てる弟のロク(緑)、旅を続ける女(エリカ)、そして町の人々の交流を描いた、大切なものを見つける物語。

    アオは指揮者として美しい演奏を作り、人を喜ばせるという夢を叶えるため、17歳の時に父と弟を故郷に置き家を出る。夢は叶いフィルハーモニーの常任指揮者になるが、突発性難聴によりその道は絶たれた。その後、故郷に帰りワイン作りに情熱を注ぐ。

    いつか運命の樹の下に植えた葡萄でワインを作り、男三人で乾杯する日を夢みていた父。弟のロクはそれを知っていた。そんなロクは兄をワイン作りに没頭したい、必死になりたい、自分の出来る限りの事をやり続けないと失ったものを取り戻せない、乗り越えられない、生きられない人種と言い認めようとしない。兄に対する嫉妬と、幼い頃、兄が故郷を離れた寂しさがそう思わせるのか。

    エリカは子供の頃に家を出て行った母とのアンモナイトの思い出を胸に生きて来た。一人で旅を続け、アンモナイトの化石を掘りながら、母との一番大事な根っこの部分に、一番大きな折り合いをつけて。

    それぞれが心に傷を持ち、その傷を克服しようと懸命に生きている。自分の事だけで精一杯だった彼らは大切なものを見つける事が出来たのか。

    映画は観ていないが、本では伝わらない山や丘の景色、葡萄や小麦の色など、スクリーンで観た方が感動するのだろうな。

  • 映画観たいな。なんか文字で読んだあとだから、映像を純粋に楽しめるような気がする。

  • 好きなフレーズ
    人の心を動かすのは、音楽であり、言葉であり、行動であり、そこの根にある愛なのである、と、エリカさんは僕に教えてくれました。

    でも、しあわせのパン のほうがよかったな…

  • 心に傷を負った男女の過去の乗り越えるまでの過程や空知という場所でのワイン造りに対する思いが詩のように語られる作品。

  •  自分が生まれ育ったのはこの小説の舞台となった北海道空知地方です。協力としてクレジットされている山﨑ワイナリーにも、有名になる前から何度もワインを買いに行っていました。読んでいてふるさとの空気を思い出しました。作中で触れられている、葡萄畑にたんぽぽが一面に咲いている景色を実際に見たことがあって、そのときはただきれいだなと思っていましたが、その理由がわかりました。
     自分を育んでくれた土地や人を否定してはいけないとか。しっかりと向き合うことが大切とか、メッセージはとても伝わってきました。
     ただ、メッセージを感じた割には読み応えが軽くて「オシャレ」過ぎな感じがしました。(映画は未見ですが)最初から映像化するのを前提で作ったような描写が残念。映画のあらすじを読んでいるようでした。

  • 2018.07.09

  • アオとエリカは再開できたのだろうか。

    アオのワインはどんな出来だったのだろうか。

    色々想像してしまう。

    2018.4.26読了

  • 父親が三島由紀夫の大ファンだったという理由でつけられたという三島有紀子さんの二作目。前作「しあわせのパン」の世界観が好きだったので拝読。

    舞台は北海道の空知(ソラチ)という町。ピノ・ノワールという品種の葡萄をこだわりをもって育てる兄アオと、麦を育てる弟ロクのもとに、世界中を旅しながら、その土地の地中に眠るアンモナイトの化石を掘り続ける女エリカがやってくる。

    エリカが掘り始めた場所は、地域で運命の樹と呼ばれる大きな木の根元。
    アオは繊細な葡萄に影響が出るとエリカを追い出そうとするが、地域の住人やロクは、エリカの不思議な魅力と自然をありのままに味わうような料理に魅了され、エリカは存在を大きくしていく。

    当初、犬猿の仲だったアオとエリカは、ある出来事をきっかけにお互いに意識するような仲になっていく。

    ある日、アオが蒸留していたワインが全て病気になってしまい、使っていた木製の樽を廃棄することに。樽を再購入するために仕事を始めたアオの葡萄畑はだんだんと痩せ干そっていく。その土地でアンモナイトが見つかったら、その土地を離れるというルールで旅をしてきたエリカは、ついに空知でアンモナイトを見つける。

    アオの助けになりたいエリカだったが、自分のルールに従い、誰にも言わないまま空知を離れることに。

    この小説のもうひとつの要素となる、自分のルーツである親との折り合いをつけようとする三人は、それぞれの親への思いを新たなものにしながら、舞台は終幕へとむかう。

    この小説を読んで、まずおいしい料理とワインが飲みたくなった。アンモナイトももう一度じっくり見てみたくなった。人はいつ、どんなタイミングからでも好きなように生きることができるし、自由に行動することができる。そんな勇気が湧いてくるような一冊だった。

三島有紀子の作品

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