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- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784865781779
作品紹介・あらすじ
古代から連綿と続き、20世紀半ばに潰えた、男の幻想の系譜
現実存在としての女性に対して、聖性を担わされ、「手の届かぬ存在」として神話や文学のなかで独自に位置づけられてきた「乙女」たち。その「乙女」たちの姿を丹念にあとづけ、肉体をもつ現実の存在として女性への欲望と対極的な「乙女」たちに託された、男性のプラトニックラブ幻想(ロマンチシズム)を炙り出す。『娼婦』『男らしさの歴史』と表裏を為す表象の系譜を「感性の歴史家」コルバンが縦横に描く最新作!
感想・レビュー・書評
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・本書は、一義的には第三のカテゴリーに属する研究として位置づけられるが、同時に第一の分野とも接点を有する。コルバンのいう「夢の女」とは、美、慎ましさ、やさしさ、美徳、純潔をすべて具えた女であり、男たち、とりわけ青年たちが理想化し、時として天使のような容貌を付与してしまう女のことである。彼女にはしばしば男を寄せつけないような凛とした佇まいが漂い、その身体は男の欲望から隔離されているかのように守られている。聖母マリアがそうだったと言われるように、永遠の処女性を保持している女──それが「夢の女」ということになる。
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