世界の悲惨 I (ブルデューライブラリー・世界の悲惨(全3分冊)第1分冊)

制作 : ピエール・ブルデュー 
  • 藤原書店
4.50
  • (4)
  • (1)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 153
感想 : 5
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784865782431

作品紹介・あらすじ

ブルデュー最後の「主著」、ついに完訳!
ブルデューとその弟子23人が、52のインタビューにおいて、ブルーカラー労働者、農民、小店主、失業者、外国人労働者などの「声なき声」に耳を傾け、その「悲惨」をもたらした社会的条件を明らかにする。社会的分断の激化を実相を浮き彫りにし、現代における国家の役割を再焦点化したベストセラー。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 社会学者のピエール・ブルデューの後期の仕事として、弟子を含む23人で総勢52人の市井の人々へインタビューを行い、その考察を含めて書き起こした全3冊。

    登場する人々は、アルジェリアなどからの移民、ブルーワーカー、下級役人など、表立っての声が届きにくい人々が選ばれ、静かにその声が収められることで、「一見すると非合理的に見える行動の中に実は存在する当人ならではの合理性」というものを執拗に描き出す。

    フランスでは原著が10万部を超えるベストセラーとなり、インタビュー部分は演劇の台本としても用いられたという。単なる社会学者によるアカデミックな書籍という枠を超えて、出版された1992年当時、以下に当時のフランスで受容されたかを示しているし、それだけのインパクトを与える作品となっている。

    翻訳版は1巻900ページ超の全3巻という驚愕のボリュームであり、とりあえず第1巻だけを読んでみようと思っていたのだが、あまりの素晴らしさに3巻全て読了したくなり、2巻以降も購入した。

  • ブルデューを知るために、最初にこの本を読むことを薦めるべきであるが、なぜかディスタンクシオンばかりが紹介される。この本を紹介したのは100分で名著である。フランスのことだけでなく、USAのこともかいてある。状況説明、概説に続き、インタビューがある。文庫本になって学生も手頃に読めるようになってほしい。

  • デザインリサーチ、特に定性調査としてのインタビューをやる人は読むと良いかもしれない。
    聞き取った相手の言葉そのものと、何を言いたかったのか、その背景や事実、そこから導かれる考察など、参考になる部分は多い。
    ただし人間ドラマや脚色を排した、本当に淡々としたドキュメンタリーなので、通読するのには努力を要する。

  • 東2法経図・6F開架:361.235A/B67s/1/K

全5件中 1 - 5件を表示

著者プロフィール

(1930―2002)社会学者。アルジェ大学、社会科学高等研究院を経てコレージュ・ド・フランス教授。著書に『ディスタンクシオン』(藤原書店)など。

「2015年 『人民とはなにか?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ピエール・ブルデューの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×