- Amazon.co.jp ・本 (751ページ)
- / ISBN・EAN: 9784866511283
感想・レビュー・書評
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一冊は持っておきたい
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誰もが必ず経験する「死」について哲学的に考えを重ねていく本書。 剥奪説などなるほどと思う箇所もありながら、特に自殺に対する考え方は表面的な道徳を超えたものがあり、興味をもって読み進めた。 大切なのは本書の内容の是非ではなく、「死」について自ら向き合っていくことなのだと思う。
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人間が人生で望んでいることは、人格を保って生きていること。
ここでの人格は、欲望・目標・恐怖など。
この人格は、人生の中で少しづつ変わっている。変わりながら、人格を保っていたいと思いながら生きている。
快楽主義であることが、最も適格でシンプル。欲求を満たしていながら、生きていることが幸せになる。それだけでは、目先のことだけになってしまうので、大きな目的も視野に入れておく。
死はどのような状態を示すのか
死は、体が動かかなくなった時だという。体が動かなければ人格も働かなくなるからなのだ。 -
死はこわいものではない。死を〆切とみなして生活しましょう。
要約するとこうなると思う。
剥奪説あたりの話は読み飛ばした。 -
イエール大学で23年連続の人気講義という触れ込みで、買おうかと迷っていたところに、オーディオブックで聴き放題で登場していたため早速聴いた。死をあらゆる角度から分析すると確かに面白いのだが、当たり前すぎることが多いので、少し退屈な部分もあったので、23年連続というのも少し疑問。死というのは経験しようがないので、結局わからないことなのだ。
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一章、二章、最終章だけでいいと思った。
二元論への批判、自殺の肯定については面白い内容だった -
大々的に売り出されていたので期待したが、「死」への分析が浅慮で、日頃エンタメに触れず研究室に閉じこもっているのかなぁと思うほどでした。
哲学なので「○○は善か悪か」という問いを積み重ねていくという内容でしたが、たとえば「不死は死ぬほど退屈だから、死は良いことであるはずだ」とか、グラフを引いて「この線から上の図形の面積と下の図形の面積を比較して、上の方が大きかったらいい人生な!下の方が大きかったら死んだ方がマシ!」とかいう主張など理屈は分かりますが、乱暴すぎて腑に落ちないことが多かったです。
考え方が「善悪二元論」に寄っていて、あまりに西洋的ではないと思ってたら自覚はあったようで、「東洋には仏教の生死観があり、敬意を持っている」という記述がありましたが、続けて「でも私は西洋人だから東洋の考えは馴染まない」と乱暴に片付けていて本をぶん投げようかと思いました。残り1/5くらいだったので歯を食いしばって最後まで読みました。 -
死の本質のついて
死のついての合理的な分析、考察。
テーマは、死の良し悪し、人生の価値、不死、死のタイミング、自殺など。
死ぬことは一概に悪いとは言えないという筆者の主張を皮切りに、上記テーマについて数字や哲学者が発した言葉の引用も交えながら考察する。
複雑で難解な点も多いが、我々が普段恐れながらもその存在や恐怖から目を背けている「死」の意味や価値に向き合い自ら考える上ではとても面白い内容である。
本著は誰にでも訪れる死への解決策を示す実用書ではなく、死を恐れずに再考するための哲学書と言えるだろう。 -
オーディブルで聴きました。時々読み返すと受け取り方も変わるかも。難しそうなタイトルですが、講義録のため分かりやすく語られています。
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死についての話題になるといつも、私はどうしても抽象的な議論しかできず最終的には考えることを放棄してしまっていた。この本は、そんな私に死について論理的に考えるきっかけを与えてくれた。もちろん筆者の理論を完全に理解しきるのは非常に難しい(私も全てを理解したとは言い難い)が、死という抽象的な概念を論理的に解き明かそうとする哲学的態度を知る入門としてはうってつけの本だろう。
ただ、「死は本当に一貫の終わりである」という物理主義の立場を根本的な前提としてこの本は展開していくのだが、なぜそう言い切るのかを論じた前半部分がカットされているのが残念だった。(日本語縮約版だから仕方ないけど…)