豊かな人生を引き寄せる「あ、これ美味しい! 」の言い換え力

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  • 三才ブックス
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  • Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784866730691

感想・レビュー・書評

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  • お酒を一切飲まない私にはピンとこない表現が多かった。日本酒、ワインを嗜む人には分かりやすいのかな?
    とりあえず、食べたらなにか言葉にしてみようと思った。巻末にあるコーヒーとチョコレートの「ニュータイプ・テイスティングノート」を使ってみようかな。


    以下、覚えておきたいこと。

    ◆第1章◆
    ・「おいしかったorまずかった」という記憶が残っていても、その味を具体的に思い出すのは難しい。味は感じたそばから消えていく。できるだけ鮮度を保ったまま記憶する。

    ・「味の目盛りを作ること」は「味を言語化すること」。

    ・日本酒を「フルーティー」以上に言語化したいなら「日本酒のフルーティーはリンゴorメロンorバナナのいずれに大別される」という知識があればよい。さらに、リンゴよりも爽やかな香りなら「青リンゴ」、りんごより糖分が甘い香りなら「白桃」。。と、使える言葉を獲得していく。

    ・味を直接表現する言葉が少ない。「甘い」「辛い」「しょっぱい」「すっぱい」「苦い」「旨い」「渋い」

    ・ワインソムリエの巧みな表現は、魔法のように言葉が湧いているように見えるが、ワインの表現にはルールがあり、ソムリエは予め用意されたフォーマット(外観→香り→味わい→余韻)と用語を駆使してる。

    ・ワインソムリエの基本的なカリキュラムは、「実際に野菜やフルーツの香りを嗅いで、その香りを頭に叩き込む」というもの。

    ◆第2章◆
    ・味について語りたかったら、まずは「ベースの味」と「サブの味」を押さえながら、複数の銘柄を口に含むこと。

    コーヒー…ベース→苦味・酸味、サブ→甘味
    (コーヒーの甘味は繊細。苦味や酸味の中に緑茶の甘味のような優しい甘味が感じられる)

    チョコレート…ベース→砂糖の甘味とカカオの苦味、サブ→カカオそのものが持っている酸味

    ラーメン…ベース→旨味(ダシ)・塩味(タレ)、サブ→店による!(苦味、酸味、甘味の中からひとつだけ)

    ※ラーメンは「おいしい食べ物の三大要素の塩、糖分、脂」をすべて含む!

    ・「コク」とは「本来あるべき味が豊かである」という意味なので、「ベース」の味が分かれば、コクが分かる。

    ・「サブの味」語りで〝ツウ感〟アップ

    ・「ベース」と「サブ」の関係性
    関係性→寄り添っている、覆い隠している
    (旨味の陰から渋みが顔をのぞかせていて)
    力→影響を及ぼしている様子
    (酸味が甘みの広がりを切って)(渋味が旨味を持ち上げて)

    ◆第2章◆
    味…「甘味・旨味・塩味・酸味・苦味」の味を作り上げている最も基礎的な要素
    風味…味+香りなど
    味わい…風味+見た目など

    渋味や辛味は、痛覚を通して感じる「刺激味」であり、味ではない。

    ・風味や味わいは八割以上嗅覚によって構成。

    ・閾値(ペットボトルの水にどれだけ砂糖の粒を入れれば人間が甘いと感じるかという値)は、温度によって変化する。

    ・人間の舌は、体温のあたりでもっとも甘味を感じやすい。

    ・「パリパリ」という咀嚼音を聞いているときは、かじっているポテトチップスがよりパリパリに感じる傾向がある。(ソニッククリスプの研究)

    ・白ワインを赤く着色して飲ませると、赤ワインの評価をしてしまう。

    ・人間は味覚に限っていえば、「音や見た目に騙されやすい」が、それは「味覚が毒物を見分ける最後のセンサーだから」。

    ◆第3条◆

    ・レトロネーザルは食べ物や飲み物の「風味」を感じる上で重要!「オルソネザール」と「レトロネザール」の両方で味や風味を細かく分析する必要あり!

    ・多くの哺乳類は、「鼻から気道への空気の道」と「口から食道への食べ物の道」が「2本の管」として分かれているが、人間はのどちんこのあたりで口からの空気と鼻からの空気が1本の管に合流する。

    ・舌の使い方
    舌の先→口の中をかき混ぜるマドラーのような働き。味を感じ取るためのセンサー。発泡感を感じ取る。
    舌の中央→味蕾が少ないため、味の感覚が鈍いが、味の「形」と「動き」を捉えるのは得意。
    舌の両側→味の「輪郭」と「広がり」
    舌の奥→味蕾が1番多い。「飲み込む瞬間と後口」

    ・「口に入る瞬間」「中盤の味」「味の変化」「飲み込むときの味」「余韻」

    ・バブリング

    ・チョコレートのテイスティング方法
    ①包み紙を開いて色合いと表面のツヤをチェックする。
    ②チョコを割ったときの音をチェックする。うまくテンパリングがされていると「パキッ」と澄んだ高い音がする。
    ③ひとくちサイズに割ったチョコを両手で包むように持つ
    ④チョコを鼻に近づけ、深呼吸をするようにして香りを確かめる。
    ⑤チョコを口に含み、舌の上でゆっくりと溶かす。
    ⑥舌に乗せた瞬間の口当たりから、体温で溶けていく様子を感じる。
    ⑦半分くらいになったらゆっくり2、3回噛む。
    ⑧鼻の奥に広がる香りを感じ取りつつ、奥で噛んだときの感触、テクスチャ、粉っぽさの有無などを体感する。

    ◆第4章◆

    ・自分の体感をダイレクトに伝える感動詞と、客観的に対象を共有できる名詞。その2つの真ん中に位置するのが「形容詞」と「形容動詞」

    ・事前に形容詞のグラデーションを整理しておくといい。

    ・味や風味を名詞で表現するよりも形容詞で表現したほうが簡単。

    ・オノマトペはテイスティングワードに含まれていないが、味や風味を繊細に表現出来る。

    ・嗜好品の場合は、原料自体は共通。共通の原料から異なる風味を出すことに意義がある。しかし、料理は足りない風味があれば具材を付け足せばいい。

    →料理は、風味を語るだけではアウトプットが足りない。自分が感じた味の根拠を明確にする能力が求められる。

    ・「言葉にすることで気づき、気づくことで言葉になる」。よく分からないけど「とりあえず言ってみる」が最優先。

    ◆第5章◆

    ・ラーメンのダシは「動物系」か「魚介系」に大別される。

    ・味表現=大人の言語獲得体験。

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