ライカとモノクロの日々 エイ文庫

著者 :
  • エイ出版社
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本棚登録 : 144
感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784870998018

感想・レビュー・書評

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  • 写真に絡んだ書き下ろし短編小説がとても心地よい。「モノクロは光がいちばん大切なんだ」と、僕は彼女に見えるように自分の手を差し出した。「ほら、この手をよく見て。こっちに向けるとごつごつしてるし、少し傾けると滑らかに見える。人の顔も同じなんだ。慣れたら光は感じるものだけれど、それまでこうやって光を読むといいよ」ミュージシャンの声は写真家で言うプリントのトーン。写真を撮ることは本にアンダーラインを引くことに似ている。自分の気持ちに真っ直ぐな線を的確に引くことが大切なのだろう。

  • 文章も写真もとてもよかった。この人文章がうまい。写真を撮ることの楽しさみたいなものがじんわりと伝わってきて思わず故障したまま放っておいたティアラを修理に出してしまったぐらい。モノクロスナップを撮ろう。これを読むとモノクロの現像やプリントをやってみたくなる。でも実際にはデジカメで撮った写真をモノクロ変換して色調を調整してみたりしたんだけど、それでもけっこう楽しい。

  • 旅先で入ったカフェで出会った本。続きが読みたくて後日中古を購入した。この本を読むと写真を撮りたくなって日々が愛おしくなる。写真は出会いだ。そんな写真についての本だからこそ、自分とも偶然に出会ってくれたのかもしれない。

  • なぜモノクロ写真なのか。
    その理由が明快で、すっきりした。

    「いいね、沖縄。青い空、青い海、白い砂。ベルビアを持っていかないとね」
    「それに、偏光フィルターも」

    こんなすかした(笑)会話が出来てしまうのが、なんともいいですね。

  • こういう本を読むとホッとします。ライカは持った事がないのですが、写真を撮ることの始原に深く共感します。モノクローム写真は想像力搔き立たせる、と言う文意にも強く覚醒させられました。カメラは完璧にカラーとデジタルの時代なのですが、違和感は拭い難くて戸惑いの途中On the wayであります。(^^)

  • 一年位前、たまたま古本屋さんの百円コーナーで出会った本。
    こんな素敵な本に偶然出会えたことに感動した。
    時々無性に開きたくなる本です。
    カメラのことは全然分からないけど、写真を眺めるのは何となく好き。
    言葉が凄く素敵。

  • ライカM3とアナログ白黒を撮りたくなる
    でも、フィルムの現像とかプリントとか考えるとなかなか踏み出せない。
    でもそれを超える魅力がある気にさせてくれる。ライカ欲しいなぁ。

  • ちょっと、タマラナイものがある。

  • 写真も文章も素敵。
    写真にも人柄が表れるのだと感じます。
    日常にそっと寄り添ってくれるので、カメラを持って散歩に出かけたくなります。

  • エイ文庫は趣味人には楽しい本がそろっている。エイは木へんに世(木世)と書く。常用漢字ではないので、パソコンでは打つことができない。インターネット全盛のご時世、これは営業にも響くんじゃないかと勝手に心配する。

    エッセーとモノクロ写真で構成。この方は文章がうまい。上京した女性が一枚の写真を機に故郷に戻ることを決意するエピソードはまるで短編小説を読んでいるようだった。しかし、読ませる文章は考えもののようで、アマゾンの書評を読むと、「ウケ狙いが目立つ」というものも。難しいものだなぁ。

  • 改めて写真を撮ることを始めようと思わせてくれた1冊。旅に行かなくても近くでもいい写真が撮れるんだなあと思わせる写真が豊富。

  • 先輩にいただいた本。最近トイデジ?買いました。

  • そもそも僕は、雑誌でこの方の写真を見て
    ライカを買っちゃったようなものです。

    ヘルシンキで撮影された、丘の上からビーチを見下ろす写真が
    とっても好きなんですよね。
    文章はちょっとナルシスムが鼻について好みが分かれると思うけど
    しかし写真は素晴らしい。
    旅先の電車や飛行機の中で読むと、とっても「その気になる」
    一冊ではないかなと。

  • この本に出会ってモノクロ写真を撮ろうと本気で思いました。きっかけをありがとう、そんな本です。この入れ込みすぎない、状況からそっと付随する自分の気持ちを足すような距離感が好きです。

  • 写真は難しい。ある瞬間を断片的におさめて、その瞬間は二度と同じものはない。この本は奈良さんになぜか借りた本なんだけど、写真とエッセイみたいなかんじで、すぐ読めた。モノクロの写真にこだわってるプロのカメラマンなんだけど、自分が今まで思っていたカメラっていうか、写真の考えをちょっと変えるかんじでした。新鮮だった。青い空は「どんな空よりきれいだった」って文章で読めばいつまでもその美しさがかなりすっごいものだって思えるけど、写真になって、とくにカラーだと、もっとキレイなんじゃない??って疑うというか、やっぱり目に見えるものに対して限界とかを感じたりするじゃん。でも、モノクロだと、自分の想像でその空をいくらでもキレイなものにできるからね☆奥が深いものだとは思っていたけど、ますます深いなぁって思った。

  • エッセイはあまり読まないが、その中でもこれは一番お気に入りな一冊。<br>
    もともとモノクロの写真がとても好きな上、フォト&エッセイと紹介しているだけあって、写真だけでも十分に楽しめる。またエッセイというより小説という感じで読める。だから余計好きになったんだろうなと思う。コンテンツのタイトルもすごく私好みだ。<br>
    この著者(カメラマン)はラルクのレコーディング風景を撮ったことがあるらしい。思わぬところで不意に自分の好きなものの名を発見した瞬間って、どーしてああもうれしいんだろう。もしかしたら私もその写真を目にしているかもしれない。世の中ってどこでどう繋がってるか分からないなぁとしみじみ思う。<br>
    読み終わったあとは、カメラをもってふらりと出かけたくなる。

  • Photodaysでお世話になったウッチーの本です。

  • FUJIFILMのNEOPAN400 PRESTOについてくる小冊子を読んで、この人の文章が読んでみたくなったので購入。会社員勤めをしていたのに、また写真をやり始めたキッカケや写真について色んな事を書いていて読むとちょっぴり頑張って撮ろう!てなる本。

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著者プロフィール

内田ユキオ(うちだ・ゆきお)
1966 年新潟県生まれ。公務員を経て、1995年に写真家としての活動をスタート。タレントやミュージシャンなどの撮影を行うかたわら、モノクロによるスナップ作品も多く発表。執筆も手がけており、カメラ雑誌や新聞などに寄稿している。近年は写真教室の講師など、写真文化活動も精力的に行っている。

「2022年 『今すぐ使えるかんたんmini FUJIFILM X-E4 基本&応用撮影ガイド』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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