吉田博全木版画集

著者 :
  • 阿部出版
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (203ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784872421217

感想・レビュー・書評

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  • 2016年7月に放映された「日曜美術館」で初めて、吉田博の木版画を知る。ねずみ版を多用して自然を描く。これが版画?と思わせるような卓越した技法と配色。特に水と光の描写が素晴らしい。西洋画の手法が、木版画に応用された一つの姿を示した。

    当時、黒田清輝の新派から旧派というレッテルを貼られ、画界のマジョリティから追い出された吉田博に、木版画という手法を教えたのは、版元の渡邊庄三郎だった。49歳にして木版画の道に入った吉田博は、彫師・摺師の職人技を短期間で習得。版元の渡邊庄三郎から離れ、絵師こそが木版画の中心であるという信念のもと、一流の彫師・摺師を従え、彫り・摺りをコントロール、さらには自ら彫りも摺りも行う木版画家となった。

    2017年7月、 生誕140年「吉田博展」が損保ジャパン日本興亜美術館にて開催され、ようやく実物をじっくり観ることができた。
    http://www.sjnk-museum.org/program/current/4778.html

  • NHK「日曜美術館」で特集されているのを観て、購入。
    吉田博の版画全作品を網羅。

  • 日本近代洋画の、色彩木版画を築き上げた吉田博さん(1876〜1950)の画集。表紙画像はおそらく1987年5月刊行の初版のもので、絵は1926年作成の「劔山の朝」。わたしが読んだ1996年11月刊行の2版表紙は、1931年作成の「アムリッサー」。31頁までは吉田博さんについての解説。作品紹介以外に作品刷り工程、資料(年譜、作品目録、関係文献)もあります。関係文献以外はすべて日本語文→英訳(一部、日本語訳→原文)の順で紹介されてます。カラーの版画がこんなに表現豊かであることに驚きを隠せません。日本だけでなく世界各地の景色も素敵。どの作品も良いですが、特に水面の美しさに惚れ惚れします。Twitterでたまたま知った方ですが、もっと大勢の人に名を知られるべき方だと思います!

  • なにげない風景のはずが、どれもとても愛おしい。切り取り方、線の美しさ、色づかい・・・、特に時間の経過による移ろいの表現はすばらしい!

  • 明治の風景画家。水彩油彩も美しい色調をしているが、その色彩センスから生み出される叙情感溢れる風景は素晴らしい。
    なんだか懐かしいような、切なくてなきたいような気持ちになる。
    細かく彫られた版が何十版も重ねられた画面には圧倒される。

  • 好きです。息子の穂高の方が好みなのだけど画集でないかな…

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著者プロフィール

東京大学大学院工学系研究科
スピントロニクス学術連携研究教育センター
特任上席研究員(教授相当)
大阪大学名誉教授 理学博士

「2022年 『スピントロニクスのための計算機ナノマテリアルデザイン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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