預言者ピッピ (1)

著者 :
  • イースト・プレス
4.17
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  • (1)
本棚登録 : 490
感想 : 43
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784872577686

作品紹介・あらすじ

「つまりぼくら、 人類の未来をすべて計算しつくしちゃったんだ」  究極の頭脳が紡ぎ出す予言は福音か、それとも・・・・・・? 鬼才が描く長編ストーリー第1巻、満を持して登場!

感想・レビュー・書評

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  • 猿。

  • まんが

  • 前評判に違わず凄い漫画だ。絵柄は自分の好みじゃないけど、それでもグイグイ引き込まれた。
    惜しむらくは続編がまだ出ていないこと。
    早く読みたいな?2巻

  • 独特な絵で読む人を選びそうだけど、先入観なしで読んで欲しい!
    知らない作家だなと思っていたけど、パパと踊ろうの人だった。
    これまたびっくり。
    出だしはよくあるSFものかと思いきやどんどん面白くなる。
    ちょっとナディアのお兄さんを思い出したり。
    続きがとても気になる。
    手元に置いておきたくなる本です。

  • ピッピという高性能預言者ロボットの中にひとつの人格が形成されたことによって、彼は自我を持ってしまった。未来を知るということは果たして人間にどのような影響を及ぼすのか。
    自分の中の人格(タケオ)と会話することによってピッピは疑問を持つことを覚えます。ならば人間とロボットの違いとは、「なんで?」と問うこと、この一点なのかもしれない。

    『プルートゥ』思い出した。2巻も読みます。

  • 4.6

  • なるほど。
    始めのほのぼの感が逆に怖かったけど、最後はそんな風になるのかぁ。
    とりま、刊行ペースが気になるけど、気長に待つしかないのか…。

  • 未来を正確に把握したい人間の欲求と、それが満たされてしまった時に人間は恐ろしい未来を迎えることになるのでは、というそんな逆説。またそれを描き出すのが子どもの形をしたピッピというところに、薄ら寒さを感じる。

  • とても深いSF。哲学的。原題が「兆し」ってところからしてシビれる。元々ギャグ畑の人が、こんな方向に吹っ飛んで行って、しかも傑作をものにするだなんて、寡聞にして聞いた事がない。本当に惜しむらくは極めて単行本の発刊ペースが遅いこと。完結させてくれよ、頼むから。

  • 絵はあまり好きなタイプの絵ではないけど
    話は 続きが気になる感じで どんどん読めた。

    いろんな膨大なデータから予測したらその的中率があがり、
    100%あたるといわれるスーパーコンピューターのピッピ。

    預言者は、神のことばを預かって伝える人で 、
    予言者とは違うってことをどこかで読んだけど
    ピッピが「預言者」ってついているのは そちらの意味なんだね。


    地震予測のみから制限解除され 貪欲に学んで。
    人類の進化か滅亡か。
    2巻気になるなぁ。

    そして ピッピの頭の渦巻きも気になるけど
    表紙と タミオの絵にある 渦巻き貝も気になる。。

  • これは久々にわくわくが止まらなかった漫画。

    特に最後のページはショッキングだ。

    諸手を挙げてお勧めしたい。

  • 批評家の佐々木敦さんが某ラジオ番組でレコメンドしていたので、手にとってみたらびっくり!
    絵柄に反してとても色々とかんがえさせるSFです!!

    主人公のピッピは、地震予知のために作られたスーパーコンピュータ。はずすことは全くなく、多くの人を未然に地震から救っていました。

    この百発百中の的中率を、ピッピの生みの親の息子(人間だよ☆)のタミオくんが「ピッピの言ったことは全部その通りになる」と言うのですが、これがまた興味深い!まさか伏線だったとは!

    そして、ほどなくしてピッピに制限されていた、地震予知以外の情報もインプットすることになり、人類の未来まで全て計算できるようになってしまう!

    もうほんと、絶望が深いよね☆

    だって、自分の将来が完全に計算されて分かったら、ニートになっちゃう人がすごく増えそうじゃない!!

    ま、ニートになる将来は自分で容易に計算できちゃうけどね\(^o^)/

    とにかくとにかく、情報技術について色々と考えちゃった作品です!

    伝えきれないんですが、実はとっても切なくて、少し(いや、かなり)不気味な読み応えです。続きが気になりますよ~。

    女子の私が読んでも楽しめるSFでしたよ!

    攻殻機動隊とか好きな人にもオススメです☆

  • ヒューマノイド型スーパーコンピューター「ピッピ」が人類への未来予知の過程を描いた作品。果たしてピッピは未来の救世主か破滅させる悪魔かのどちらかは人類次第だな。あとは、喋る猿がどの様に物語に絡むのかが大きく作用する。この大風呂敷がどの様に収束するのか気になるとこ!未来を予言し、その予言が決められた未来であるとしたら確かに神としての預言だなぁ…

  • 【2012年上半期NASA厳選推奨・日常の中の非日常体感コミック】

  • これは面白い!続きも早く読まなくちゃ!

  • 2巻が読みたいマンガの第一位をずっと占めていた預言者ピッピの二巻がいつの間にか出てたんですよ!パパと踊ろうの地下沢さんの第一巻を、二巻をアマゾンが運んでくれる前に再読。忘れてたんで衝撃!面白い。そして小学5年生の息子も大好きみたい。彼はいろいろと良いマンガを読んでるよな。ワイルドマウンテンとか。

  • □(以下唐突な雑文)

     現れた箱猫は、くけけと嗤って、唐突に僕に聞いた。


     幸せになりたいかい?

     そりゃそうだ。
     誰だって、好きで不幸になりたいとは思わないよな?
     もし、この世から不幸を無くす機械なんてのが出来たら、君はどう思う? 
     そうだな、例えば不幸掃除機とでも名付けようか。
     うん、そりゃそうだ。どんなヒネクレ者でも欲しがるに違いない。
     そいつが、全人類の不幸を消して回ったとしたらどんなもんかね?
     そいつぁ素晴らしい? 正に理想郷かい?
     
     さて。ちょいと質問だ。
     「嘘」が全く無い島があったとしよう。
     この正直島に住む住民は、みな嘘を付かない。
     というか、嘘という「概念」がない。
     故に、「嘘」という言葉もない。
     本音と真実しか言わないし、嘘をつく必要が無かったんだ。
     嘘みたいな話だが、19世紀に入るまでそういう島は本当にあったんだぜ?
     さて。
     ソレが故に、だ。
     ここでは、誰もがそうであるが為に。
     この島では、「本当」「正直」「真実」という言葉も概念も、同じく存在していないんだ。
     つまりそれらは普通のことで、美徳とは成り得ない。

     「嘘」が蔓延る世の中だからこそ、「真実」「本当」は尊く輝くというわけだがね。
     「嘘」がなけりゃあそれらに大した価値は無いってな事だ。嘘そこが真実の価値を釣り上げているんだぜ?
     
     じゃあ聞こう。
     「不幸」が無くなってしまったその時に。
     「幸せ」というのは、存在するのかい?
     {不幸}が無くなってしまったら、{幸せ}を感じることは出来るんだろうかねえ?
     
     そいつが消してしまったのは。
     本当に「不幸」だけだったのかい?
     
     箱猫はくけけと、不吉ったらしく嗤った。

    □(以上唐突な雑文おわり)




    SF好きならコレを見逃すな。
     「星雲賞」ノミネート漫画はコイツで決まりだ!
     と個人的に息巻いている漫画がある。
     それも10年以上も前から。
     ちょいとコアな漫画雑誌「コミックCUE」で連載していた漫画で、2001年名にようやくコミックスが出ると発表されてから雑誌が休刊、それ以後6年の沈黙、僕らが諦めつつも待ち望み続けた本が、なんか突然発刊されていた。
     書店で発見驚喜乱舞…したのが2年前ぐらい前。 そして最近続刊発行。
     
     何度かこの漫画の紹介を書こうかとも思ったものの、本として手に取れないのでは紹介する意味もないと見送っていたのだが、この単行本化を機にここぞとご紹介。喰らえ。


    □「預言者ピッピ」 本編あらすじ。

     某月某日。
     カウントダウンが世界各国のTVに映し出される中。

     大都市ロサンゼルスは、マグニチュード8.5の直下型地震の直撃により、跡形もなく壊滅した。

     ただ一人の、人的犠牲者も無く。
      


     少年タミオには、兄のように慕う友達がいる。
     それが、地震予知研究会が開発した、少年の姿をしたヒューマノイド型スーパーコンピューター、「ピッピ」。
     彼は、地球上から計測されたデータを吸い上げてシミュレートし、地震を予知することで災害を回避する為に開発された確率計算ロボット。
     ロサンゼルスの大地震を誤差1秒以下で予知したのも、彼だ。
     
     だが、ある事件により、彼は突然機能を停止。
     再び目覚めた時には、彼にはある変化が起こっていた。

     世界から不幸の種を取り去ることを願うピッピの開発者の一人、タミオの父は、次第に自分の仕事……ピッピを開発してしまった事に疑念を抱くようになる。
     
     その鮮やかな予測、いわば「予言」に驚喜に沸く世界の模様を見つめながら。

    「……仮にも一つの大都市が失われたというのに、この馬鹿騒ぎはなんだ? この歓声は350万のロス市民の命が救われたことの歓びなんかじゃない…これは単に見せ物に沸く客だ! これから起こる大地震と都市の崩壊を、期待して見つめている世界中の目…無意識せよテレビの前の世界中の人間が願ったんだよ、予言通りロサンゼルスに死が訪れることを…」
     
     人類の幸福を願って作り上げた筈だった。
     だが。
     我々が作ったものは、何だったのか?
     果たして、人類に「ピッピ」は必要なものだったのか?
     次第に「ピッピ」の予測は人智を外れた精度になっていく。
     
     ついには、全世界に発信される記者発表の場で。
     「予言」に懐疑的な記者が発した「してはいけなかった質問」と。
     
     それに答えた、ピッピの
     「不可思議で、とてもシンプルな」ある答え。
     
     ただの記者会見の場での1シーンに過ぎなかった筈のそれは。
     全世界を注目の元に、人類を未来を巻き込んだ事件へと展開していく。

     「ピッピ」は暴走しているのか?
     いや。
     そもそも我々人間が、何処に向かって暴走しはじめたのだ?
     
     
     □
     
     と、手塚治虫SFや、浦沢直樹のサスペンスが大好きな方には自信を持ってお勧め出来る、未来予知SF。
     現在2巻までで、今後続く2巻ではジャンピエールジュネ監督の映画「ロストチルドレン」張りの、いろいろたまらないガジェットが盛りだくさんに出てて来る。
     
     一見難解そうなテーマだが、小難しい話はあえて外すことにより、ストーリーの展開力というものを最大限に発揮。とても読みやすく怒濤の展開へと連れて行って貰える傑作。
     少年タミオとピッピの純粋な心の交流は実にリリカルで、それを打算で取り巻く人類との関係が実にシニカルという、実にニクイ物語構造になっております。
     興味もたれた方は、一読をお勧めいたします。

  • 未来の出来事をなんでも予想できる機械が、「未来はこうあってほしい」という願いを持ち始めたとき、その機械が人々に与える予想は、本当に予想でいられるのだろうか?
    読者が本当に戦慄すべきは、猿が言葉を持った瞬間ではなく、ピッピが卵に翼を生えさせるイメージを持った瞬間だと思う。

  • 緻密な絵柄でないのが寓話性を高めている。

  • 未来とは、言葉とは、人間とは…普段何気なく信じている事に揺さぶりをかけてくる感じが恐ろしい。

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