学問のすすめ (まんがで読破)

著者 :
  • イースト・プレス
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (186ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784872579093

感想・レビュー・書評

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  • 10年前発行の文庫本である。名作や怪作を次々と漫画文庫本にしていることを最近知った。どれほどのクオリティなのか、試しに読んでみた。「学問のすすめ」は有名な本ではあるが、実は原作はかなり読みこなすのがむつかしい。ただし、むつかしいのは文体ではない。福沢は、そういう意味では町人も読める文章を目指していたから、読むことはできる。だからこそ、異例の300万部というベストセラーになったのであろう。しかし、内容は思想・理屈を平易に語ろうとしてかえって失敗していると(35年前ほどに読んだ時に)私は思ったものである。むつかしいことを、やさしく語り過ぎたのだ。

    それで、コレを読んでみてビックリ。実は8割は「福翁自伝 青春編」だった。しかも、かなり熟(こな)れている。この分量で生き生きと人物紹介ができているという意味であって、漫画作品としては、もっと展開しないとダメなところは多い。

    それで肝心の「学問のすすめ」であるが、文章の要約と言わざるを得ない。でも、まるきり知らない人には、特に「人はみな平等、頑張れば学問は身を助ける」という単純な内容と思っている人には、「新しい権利意識と、新しい実学を基にした産業国家観に基づいた個人の自立を求めた」福沢の主張が、ヒシヒシと伝わるだろう。どこに強弱があり、何処に問題があるかは、やはり原典に触れないとわからない。

    このシリーズの試し読みの結果。他の作品にも手を出すべきかどうかは、保留にさせて欲しい。もう一、二冊ほどは読まないとわからない。

    2018年4月読了

  • 大筋は抑えれる。学問のススメのエッセンスは感じられる。

  • 「学問のすすめ」の紹介ま巻末に少しあるが、福沢諭吉の生い立ちと半生が主に描かれていて、彼の思想的背景及び時代的背景を知ることができ、それが学問のすすめにつながっていくのだと思う。
    それにしても、この時代の300万部というのは、途轍もなく凄いというか、民の学ぼうとするエネルギーの凄さを感じる。

  • 「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らずと云えり」…
    人間の尊さを説き、明治初期の刊行後300万部以上の売れ行きを記録、
    現在も日本人を啓蒙し続ける大ベストセラー『学問のすすめ』―。
    私たちは何を信じ、何を疑うべきか?自由とは何か?義務とは?独立自尊とは?

    自由とは独立できること。独立とは他からの干渉を受けずに活動できること。

    福沢諭吉は自由であるためには独立して生きることをすすめていて、
    『人間は自己の独立のために学問が必要』で『学問とは実学を学ぶこと』と記している。
    実生活に役立つ知識を学びましょうってことだ。読み書き、計算などなどです。

    独立心を持つ。実学を学ぶ。教科書を読むだけでなく知識を使い経験すること。
    自己を管理し計画的にしなければならない。
    観察と推論と読書で知識を増やし、議論しスピーチして見識を深め判断力を養う。品格、向上心、人望、社会貢献。

    幕末の動乱期が青春と重なります諭吉ですが、志士とは縁の薄い九州の中津藩の出身。
    薩摩・長州・土佐に生まれていて活躍した西郷隆盛・桂小五郎(木戸孝允)・坂本龍馬などとは交流はない。
    幕府がアメリカに使節団を派遣した際に同行したことが諭吉の人生を変えた。
    ちなみにそのときの艦長が「勝海舟」。明治時代になってから喧嘩というかやり合うことになる縁もできた。
    その海舟曰く「福沢は学者だからな。俺の生き方は理解できんさ。」

    中津の下級藩士の家に生まれ、
    オランダ以外の欧米とは鎖国状態だった時代に蘭学、後に英語を勉強。
    緒方洪庵の適塾でも塾長になり、
    アメリカ、ヨーロッパへ見聞を広めに赴くことになる才能と努力と運の良さ。
    日本の封建社会の狭苦しさと遅れを感じ、世界の国民国家の素晴らしさを広めようとしていた様子が分かる。

  • 福沢諭吉の自伝と学問のすすめの内容の2本立て。
    このときの思想が、結果今の時代までつながっているということ。

  • 福沢諭吉の生涯と学問のすすめを、明るく軽い雰囲気で紹介している。中津の下級藩士の家に生まれ、オランダ以外の欧米とは鎖国状態だった時代に蘭学、後に英語を勉強。緒方洪庵の適塾でも塾長になり、アメリカ、ヨーロッパへ見聞を広めに赴くことになる才能と努力と運の良さが凄い。日本の封建社会の狭苦しさと遅れを感じ、世界の国民国家の素晴らしさを広めようとしていた様子が分かる。人は平等で自由であり、責任感を持ち他人に迷惑をかけずに生きる等、独立心を持つこと。その為に学問をし、社会の為に活かすことを説いている。勉強と努力だね。

  • そもそも、「学問のすすめ」って、読んだ事ないかも…
    と気が付き、取り敢えずマンガから。

     半生を描き、最後に「学問のすすめ」の中身が紹介されています。我々、日本人の思考の原点というか、社会における物の考え方の基礎。だからこそ、未だに読まれているのですね。

    次は、現代語訳で読む予定。

  • 福翁自伝と学問のすすめがセットになったようなマンガ本。
    とっかかりとしては、だいたいの事が網羅されてよろしいかと思います。

    子どもがこの本を読んで、興味が沸くかは、疑問ですが。。。
    とりあえず、これを教材にして、マンガっ子に学問への関心を向けさせることが可能かどうか。。。試してみたいと思います

  • 学問のすすめは最後のほうだけで、ろとんど諭吉の伝記のようでした。
    まぁ、学問のすすめがどういう時代背景で書かれたかというのがわかるという意味では、こういうのもありでしょう。

  • 全体構成は「福沢諭吉物語」と「学問のすすめ」の2部構成。
    「福沢諭吉物語(生い立ち等)」の部分が多く、「学問のすすめ」に関する部分が少ない点が残念である。
    しかし、「福沢諭吉物語(生い立ち等)」の部分に「学問のすすめ」の内容に至るまでの背景が漫画でわかりやすく書かれており、全体を通して重要なポイントを抑えていると感じた。

著者プロフィール

1935~1901年。豊前中津藩(現・大分県中津市)下級藩士の次男として生れる。19歳の時、長崎に蘭学修行におもむく。その後、大阪で適塾(蘭方医、緒方洪庵の塾)に入塾。1858年、江戸で蘭学塾(のちの慶應義塾)を開く。その後、幕府の使節団の一員として、3度にわたって欧米を視察。維新後は、民間人の立場で、教育と民衆啓蒙の著述に従事し、人々に大きな影響を与えた。特に『学問のすすめ』は、17冊の小冊子で、各編約20万部、合計で340万部も売れた大ベストセラー。その他の著書に『西洋事情』『文明論之概略』『福翁自伝』など。

「2010年 『独立のすすめ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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