生物多様性のいまを語る (のぎへんのほん)

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  • 研成社
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  • Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784876394159

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  • 「生態系を乱すから」海外からきたでかいカブトムシや、ブラックバスやブルーギルといった外来魚をそこらに逃したり、放流してはいけない、 と言われて、そういうものかと思っていた。ナチュラリスト?の端くれとして、そんなことしちゃだめじゃないか!とちょっと憤慨してみたりもしたものだ。

    が、ブラックバスは釣ったらリリース禁止(要は殺せということ)とか、堀を掻い掘りして外来魚を駆除(要は殺すということ)とかいう話を聞くようになって、なんか変だと思うようになった。
    ブラックバスに罪はないのに、なぜ殺されるのだろう?

    人が持ち込んだから殺すべし、というのなら、勝手に来たならOKなの? フィッシュイーターであるブラックバスを殺すのは、羊を襲う狼を退治するのと同じだというのなら、それは「害獣駆除」であって、生態系云々のお題目は必要ない。害獣死すべし、というのなら、フィッシュイーターなんか山ほどいるし、畑を荒らす鹿とか、人をかじる熊とか皆殺しにすべきだよね。だいたい、生態系は時間や環境で移り変わるものだけれど、守るべき生態系っていつの生態系? ブラックバスがバクバク鮎食べている今? それとも公害で大変だった50年前? 日本列島に人がやってくる前?

    とだんだん話がずれてきたが、要はなんだか胡散臭いぞ、と思うようになってきた。単に飯の種になる生物資源を守るために(それはそれで正しい)、生態系云々を大義名分に使っているだけなのでは?
    その周辺の本を読んでいると「生物多様性」という言葉が頻繁に出てくる。わかったようなわからないような言葉で、ちゃんと知っておきたいと思っていた。これが外来種駆除の理論的支柱なのかもしれないし。

    というわけで本書を探して読んだのだけれど、よくわからないままだった。難しい、というよりはぐらかされた気分。余り共感できない爺さんの説教を3時間拝聴しているようだった。生き物のバリエーション(本書によると、それは生物多様性の一面に過ぎないようだが)を維持する、という意味では、地球で一番生物多様性に逆行しているのは強すぎて多すぎる人間に違いないし、だいたい人間の繁栄を築いた農耕や牧畜は、単一種を大量に育てるという意味で、やっぱり「生物多様性」に逆行していると思うのだが。

    このへんのこと、誰かちゃんと説明してくれないかな。

  • 日本を代表する植物学者である岩槻邦男先生が生物多様性の大切さを説明した良書。生物多様性の意味、生物多様性の意義を一般人向けにもわかりやすく説明してます。これを一冊読めば、きっと誰もが生物多様性の大切さを理解できると思う。

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著者プロフィール

岩槻邦男:1934 年兵庫県生まれ。兵庫県立人と自然の博物館名誉館長。日本植物学会会長、国際植物園連合会長、日本ユネスコ国内委員などを歴任。94 年日本学士院エジンバラ公賞受賞。2007年文化功労者。16年コスモス国際賞受賞。著書に『生命系』(岩波書店)、『ナチュラルヒストリー』(東大出版会)など。

「2023年 『Spherophylon』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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