不倫と南米

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 469
感想 : 54
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  • Amazon.co.jp ・本 (195ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784877283964

感想・レビュー・書評

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  • アルゼンチン中心に、ブラジルもあったかな、そこらへんと、不倫が絡んだお話たち。
    南米のあの空を、空気感を、人たちを、思い出すとても素敵なお話たちだった。無性に南米に行きたくなる。今度はイグアスの滝も行きたいなー
    そういえばいっとき、大好きなあの人がやたらとアルゼンチンに行きたがっていたな。
    アルヘンチン最高だよ!ってメヒコ留学してた子も行ってたし、なんか、呼ばれている気がする。
    こんな風に行った場所の空気感を、それは大変なことだろうけど、まるっと残しつつお話にできる能力ってうらやましいなあとあとがきを読んで思った。彼女の経験したあれこれが物語の要素になっている。

  • よしもとばななさんの本っていつだって空気が良い。
    私の信じているものや大切にしたいものが似ているのか、なんか心地がいい。

  • すごいタイトルの割に、さくっと読める短編集。
    これもひとつの愛の形なのね。つらいけど。
    でもなんか幸せになれる気がしました。

    なんか、それよりも、旅している、どこか遠くにいる、
    ということの方が印象的でした。
    南米である必要はないように感じたけど
    日本の反対側、というのがいいのかなー。

    あと、今死んでも後悔しない、と旅先で思えるほど
    受け入れられてる、満たされてること。
    あたし今絶対しねない。

    遠くにいるとき、誰といたい?
    誰のこと考えながら、歩いてる?

  • 題名通りの完璧な短編集     

    他の作品に思い入れがなかったのに、つい買ってしまった。短編より長編できれば連作という好みなのに、この本はどの短編も好きだ。

    女性的でも渇いたところがあり、視野も狭くなく、細やかさは失っていない、そんな女流小説であることが堪らなく良い。登場人物が少なくても、不倫をしていても(しているからこそ?!)、世の中と繋がっていて、過去から未来への道筋の途中であることをきちんと意識している、普通の女性が描かれている。綺麗だったり、経済的に恵まれていたり、といったご都合主義なところはなく、相方も同様に普通の男性だ。

    不思議と他の小説は読んでも記憶が無く、読む気にもなれないのだが、この本がきっと完璧すぎるからだろう。

    不倫を題材にした小説の中でも当然、白眉の出来、不倫は日常であり、当たり前のことだから、素敵にするもしないも、当人次第、素敵になるもならないも御同様。

    素晴らしい。

    2000年、読了。

  • 南米と不倫が結びつくのは、彼ら自身、そういう内容のドラマも大量生産してるし仕方ないんだけど、この小説は南米で描かれる不倫ぽさじゃなく、内容はやっぱり日本的にじっとりしている。冒頭の「電話」ね。こわいけど、それ以上に、あの、遠い地で何がなんだか分からなくて、時間が経つにつれて重くなってく感じが描かれていて痛々しい。あと小さい家を嫌っていた母「小さな闇」、南米にいる友人が流産してどのこうのという「日時計」、このあたり、よいです。

著者プロフィール

1964年、東京生まれ。日本大学藝術学部文芸学科卒業。87年『キッチン』で第6回海燕新人文学賞を受賞しデビュー。88年『ムーンライト・シャドウ』で第16回泉鏡花文学賞、89年『キッチン』『うたかた/サンクチュアリ』で第39回芸術選奨文部大臣新人賞、同年『TUGUMI』で第2回山本周五郎賞、95年『アムリタ』で第5回紫式部文学賞、2000年『不倫と南米』で第10回ドゥマゴ文学賞(安野光雅・選)、2022年『ミトンとふびん』で第58回谷崎潤一郎賞を受賞。著作は30か国以上で翻訳出版されており、イタリアで93年スカンノ賞、96年フェンディッシメ文学賞<Under35>、99年マスケラダルジェント賞、2011年カプリ賞を受賞している。近著に『吹上奇譚 第四話 ミモザ』がある。noteにて配信中のメルマガ「どくだみちゃんとふしばな」をまとめた文庫本も発売中。

「2023年 『はーばーらいと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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