マリカのソファー/バリ夢日記世界の旅1 (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784877284534

感想・レビュー・書評

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  • マリカという人格が2つある女性とジュンコ先生とのバリ旅行を通じて、もう一つの人格「オレンジ」との関係をかきあげたもの。おもしろいかはどうか別としてこれも何度も読んだ本。異国の地で解き放たれる精神。異国の地だからこそ、色鮮やかに描かれるディテイルがおもしろかった。

  • マリカのなかにいるタマシイ=登場人物たちがすごく魅力的。夢の中にいる感じ、薬かお酒で酔っ払った時に見えると聞く、七色の世界が、バリの夜の中で輝き続けている。

  • さすが吉本ばなな。バリの神々しさの表現が好き。

    他人はあまり親しくなってはいけないとか、夫と私は夫と私の子供だけを育てるべきだとか、そんなことどうでもよくて、成り行きやめぐり合いだけがあるように思えた。もちろん普段はそんなふうにすんなりとは思えないから、この世界、この森の匂いの中でだけ、その夢は突然現実になるのだろう。P45

  • バリ島が舞台のお話⑤
    バリから帰国してすぐに読んだ本。バリが舞台のお話をいくつか読んできたけど、この作品が一番バリらしさを身近に感じられた。
    多重人格のマリカとジュンコ先生はバリに行くことになる。マリカのソファーと、
    吉本ばななはんが初めてバリを訪れ、思い、感じたふわふわとした事柄をまるで夢の中の出来事のように綴ったバリ夢日記。
    ばなな作品おなじみの原マスミさんの挿画がまた素晴らしかった。
    やっぱりわたしは吉本ばなな時代の作品が好きだなー

  • 前半の小説はあらゆる点でバリのムードに溢れていて、まさしくここを舞台にしてしか書けなかったような物語。原マスミの絵もいい感じ。後半の奇妙な一行のバリ紀行も楽しい。ただ、せっかくバリに行きながら、毎夜のようにアコモデーションを移るのは気が知れない。ばななさんって貧乏性なんだろうか。

  • 子供の頃の虐待の影響で多重人格になった「マリカ」とバリ島に行く話。後半は実際にバリ島に行った時の紀行。
    小説の方は設定に無理がありすぎ。紀行の方は昔読んだ群ようこの紀行文を久しぶりに思い出した。金持ちのおばはんが友だちと行った旅行の話をだらだらされても面白くない。そんな本でした。

  • あまり存在感のないお話だったけど、バリ夢日記はよかった。この夢は著者が現地で見た不思議な夢と、夢のような場所というふたつの「夢」がかけられているように感じた。バリにいたらきっと日焼けを気にして日本国内を歩いているのが馬鹿らしくなってしまうのだろう。五感のすべてを外にひらいて、刺激を受けて、自分の中に生まれる何か。その残り香はその後を生きていくうえでやはり影響を与えるものなのだ。

    (20130612)

  • 自宅本を10年ぶりに再読。幼い頃の苛烈な経験から多重人格となった少女・マリカとジュンコ先生が、癒しを求めてバリへ行く『マリカのソファー』、著者自身のバリ島旅行記『バリ夢日記』の2編。ビリーミリガンとは違い、マリカの交代人格が皆マリカを守る人格であったのが救いだった。自己の精神を守るために、辛い時に交代人格が生まれてしまう。そこまでの苛酷さに胸が痛んだ。原マスミさんの挿画が、バリのエキゾチックな雰囲気を演出しててとても良い。

  • 大好きなBaliが舞台の小説だから興味を持って読んでみた。
    でも、この本はそれ程好きにはなれなかったなー。
    同じくBali島が舞台の小説なら山田詠美さんの「熱帯安楽椅子」のほうがずっと好き。

  • 私が感じたバリという所は、神秘的で、だけどエネルギーが溢れていて、自然と神様と人々が互いを認め合い一緒に暮らしている、そんな所だった。
    またバリに行きたくなる。
    バロンに会いたい。

    自分の中の女性らしい部分・男性的な部分・楽観的な部分・臆病な部分。
    どれも自分の一部で私の中にありますが、まっさらな自分があるとすれば、自分自身の一部達で守られているから、生きていけるのかもしれない。

    あまり大好きで大好きすぎると遠い感じがする。
    人と人との関係に名前のつかないものがあってもいい。
    友達でも家族でなくても。

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著者プロフィール

1964年、東京生まれ。日本大学藝術学部文芸学科卒業。87年『キッチン』で第6回海燕新人文学賞を受賞しデビュー。88年『ムーンライト・シャドウ』で第16回泉鏡花文学賞、89年『キッチン』『うたかた/サンクチュアリ』で第39回芸術選奨文部大臣新人賞、同年『TUGUMI』で第2回山本周五郎賞、95年『アムリタ』で第5回紫式部文学賞、2000年『不倫と南米』で第10回ドゥマゴ文学賞(安野光雅・選)、2022年『ミトンとふびん』で第58回谷崎潤一郎賞を受賞。著作は30か国以上で翻訳出版されており、イタリアで93年スカンノ賞、96年フェンディッシメ文学賞<Under35>、99年マスケラダルジェント賞、2011年カプリ賞を受賞している。近著に『吹上奇譚 第四話 ミモザ』がある。noteにて配信中のメルマガ「どくだみちゃんとふしばな」をまとめた文庫本も発売中。

「2023年 『はーばーらいと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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